先日ある企業のマネージャー育成のコンサルを行いました。
現在使われている目標管理制度の運用状況をお聞きして改善ポイントを提案していくのです。
最終的には、「研修+行動定着プログラム」に落とし込んでいきます。
最初に現在の目標管理制度のシートを見せていただいたのですが、
その中身を見ていくと、とても複雑でわかり難い形になっていることがわかりました。
人事評価制度との関係があって、長年の蓄積でその形になっていき、誰も否定しなかったのでしょう。

ただ、「行動実践とその継続=定着」という視点から見てみると、問題点が多いことがわかりました。

その1つに
「設定されている“目標”が、組織の目標を細かくしただけのもの」になっている点です。
要は、自分自身で作り上げたものではない、ということです。
やらされ感がある目標ほど実践に結びつかないものはありません。

ではどうしたらいいのでしょうか。

それには、会社・組織の目標に対して、一人ひとりの自分の目標を練り込んでいく、という作業が必要となります。

もちろん、会社の目標と個人的な目標には差があるでしょう。
会社からみると、個人の自己啓発だけを目標にされたら組織運営が成り立ちません。
しかも、その本人が成し遂げたいと思う目標のみが、本気で取り組まれることは明白です。
だからといって、個人の意見を無視するわけにはいかないのです。

では、「個々人の目標」とはなんでしょうか。
それが「ありたい姿」です。
要はどのような人物像になっていきたいのか、という目標です。

人は会社生活を通じて自分を磨いていきたいと願っています。
その高めていきたい方向付けを行うのが
「どのような人物になりたいか」
という問いなのです。

ありたい姿を抽出するメソッドは多くの方法があるでしょう。
お互いにありたいリーダー像などを話し合ってもいいですし、ロールモデルなど憧れの社会人を見出していく方法もあります。

研修の方法論の紹介はまたの機会にしますが、
「揺らぎのない目標作り」には「組織の目標の細分化」に加え、本人の「ありたい姿」が重要である、という点は押さえておくと良いでしょう。

ぜひ工夫して、目標設定を行ってもらえたらと思います。

さあ!
『研修担当の皆さん! 目標設定には本人の“ありたい姿”も練り込もう』
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~やりっぱなし研修撲滅宣言~
「研修」が変わる「行動」が変わる45の具体策

永谷研一著
『人材育成担当者のための絶対に行動定着させる技術』(書籍版)
『人材育成担当者のための絶対に行動定着させる技術』(Kindle版)

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