背景:課題は「定着」に移った。しかし、何をすればいいのかがわからない
【人事が抱える課題の重心が、採用から定着へ移っている】パーソル総合研究所「人事部トレンド定量調査2026」(2026年7月30日発表/従業員300名以上の企業に勤める係長以上の人事・経営企画・経営層 n=1,934/調査期間2026年3月4〜16日)によれば、人事課題の上位3項目は「従業員満足度・エンゲージメントの向上」(36.0%)、「最適な人員配置」(35.7%)、「従業員の定着/離職防止」(35.6%)でした。同調査は、2021年調査と比べて人事課題の重心が既存人材の定着・活躍支援へ移っていると指摘しています。
採用で人を集める競争から、いま在籍している人が辞めずに力を発揮する状態をつくる競争へ。人事のミッションが移りつつあります。
【しかし、それに取り組む専門性と人手が足りていない】
同じ調査では、人事部門自身が抱える課題として「専門性不足」(45.2%)、「人員不足」(44.6%)がいずれも4割を超えて挙がっています。課題が定着に移った一方で、それに取り組むための専門性と人手が足りていないという状態です。
採用や労務には、長年の蓄積によって手順の型があります。しかし定着は違います。「どの部門の、何に手を打てば、人は辞めなくなるのか」を判断する方法論は、まだ多くの企業で確立されていません。
【「スコアは出た。では、何をすればいいのか」】
組織診断を実施したことのある人事の方から、私たちはほぼ例外なく同じ話を伺います。スコアは出た。他社と比べた偏差値も出た。それで、何をすればいいのか。
多くの組織診断は、全社平均や偏差値を出すところまでを担い、その先は担当者が自力で考える前提で設計されています。しかし、そこから「どの部門を優先するか」「その部門の何を改善するか」「そのために何を打つか」を導き出す作業は、診断そのものよりも高い専門性を要します。最も専門性を必要とする工程が、専門性が足りないと感じている人事部門に丸ごと残されるという構造です。
結果として、診断は毎年実施されるのに組織は変わらないという状態が生まれます。測ることは目的ではありません。 何に手を打つかが決まらなければ、調査は組織を変えません。
ourlyサーベイの組織診断サーベイは、この“測って終わり”の状況を解決するために開発しました。どの部門を優先すべきか、その部門のどの項目に効くのか、何を打つべきか、そして打った施策は効いたのか。専門性と人手が限られていても離職改善が前に進む状態をつくることが、本機能の目的です。
ourlyサーベイ 組織診断サーベイの特徴
いずれの機能も、離職改善を実現するために「測る → 課題を特定する → 施策を決める → 効果を確かめる」のサイクルが回るように設計。◎特徴1「定着力診断マップ」で限られた人事のリソースを、どこに投下すべきかが一目でわかる
「この会社に残りたいか(継続意向)」と「この会社を人に勧めたいか(eNPS)」の2軸で、部門・職種・階層を9つに分類します。
とくに注目すべきは、会社を人に勧めてくれるほど愛着があるのに、自分が働き続ける条件が整っていない層です。会社への不満から辞める人と違い、この層は日常の言動からは離職の兆しが読み取れません。しかし、条件が整わないまま時間が経てば静かに離れていきます。引き留められる余地が最も大きく、失ったときの損失が最も大きい層であり、ここを最優先で特定できることが本機能の狙いです。
◎特徴2「辞めない理由」を6項目に分解して測定
「なぜ人は辞めるのか」ではなく「なぜ人は辞めないのか」という観点から、留まる理由を「つながり」「会社と合う」「チームと合う」「仕事と合う」「上司と合う」「報酬・待遇」の6項目に分解し、0〜100のスコアで表示します。前期との比較で変化も追えます。
総合スコアの高低ではなく、どの構成要素が弱っているのかが構造で見えるため、改善すべき要素を特定することができます。
◎特徴3どの項目を改善すれば最も効くかを数値化
優先すべき部門を絞った後、その部門において6項目のうちどれを改善すれば継続意向やeNPSへの効果が最も大きいかを、自社に蓄積されたデータをもとに数値化します。担当者の勘に頼らず、期待できる効果が最も大きい要素に絞って施策を打てます。
◎特徴4「どの部門の、どの項目に、何を打つか」まで提案
特定した課題に対し、ourlyがこれまで社内報・プロフィールを通じて人の意識と行動を変えてきた実績と知見をもとに、効果が見込める施策を提案します。過去の提案や他社事例も踏まえるため、その場限りの打ち手になりません。
◎特徴5施策の前後でスコアを比較し、効いたかどうかを判定
施策を実施した後、次回の診断結果と比較して効果を検証します。
どの施策がどの項目に効いたのかが記録として残るため、次の一手の精度を高める土台になります。「答えても何も変わらない」という状態をつくらないことが、サーベイが形骸化することへの最大の対策でもあります。

組織状態を9つに分類する「定着力診断マップ」