「労働力流動化」とは、労働者が会社を移りやすくし、労働市場が流動化されることによって、産業のさらなる発展と成長が起こり、雇用市場が活性化するのではないかという考えです。

労働力流動化のなかで特に注目されているのは、「解雇規制の緩和」です。日本では、正規社員を人員整理のために解雇するには、整理解雇の四要件という厳格な解雇規制基準があり、これが正規社員解雇の壁となっています。一方、非正規社員は雇用に関して常に不安定な立場にあり、正規社員は、整理解雇の四要件という固い壁に守られて安定しているという、雇用の二極化を作り出してしまっています。

また、正規社員を解雇できない代わりに、比較的容易に解雇できる非正規社員が増加した結果、低所得者層が増え、中間層が空洞化し、社会全体が不安定になっているという事態が起こっています。そもそも、正規社員は、犯罪でもない限り解雇できないほどの厳しい解雇規制で、企業は雇用に関して極めて慎重になっています。それが、失業者がなかなか再就職できない問題の一つでもあります。だからこそ、辞めたらなかなか新しい職に就きにくいため、その仕事に向いてないと思っても「正社員優遇」の制度の元、なかなか辞められないという状況も出ています。

そこで、正規社員の解雇規制緩和などのルール作りや法整備を行い、人材のスムーズな移動を促すとともに、正規社員と非正規社員の雇用保障の差を小さくして、中間層を増やし、社会を安定させる必要があるとされています。

しかしこれは、正規社員の失業者が増えるだけで、解雇規制緩和のみでは、失業率の低下・雇用の増大にはつながらないとして批判する意見も多くあります。

最近では、正規社員と非正規社員は、労働の形態の違いのみで、地位的な環境や保障は全く同じという会社も増えている今、労働力流動化と併せて、遠隔地への異動がない地域限定労働者の雇用ルールの整備や、フレックスタイム制度の見直しなど、雇用の流動化の整備も行う必要があります。