アメリカン・エキスプレス・インターナショナルは2022年7月19日、「2022年度中小企業の企業間決済に関する調査」の結果を発表した。調査期間は2022年6月3日~5日で、年間売上規模が約1億円以上250億円未満の中小企業の経営者および従業員600名から回答を得た。本調査では、中小企業が支払いに関して感じている課題や、「貸し倒れや支払い遅延」の発生率などが明らかとなった。
9割強の中小企業が支払いに「銀行振り込み」を活用。企業間決済で“キャッシュレス化”が進まない理由とは?

企業間決済の課題に「新規取引先の与信審査」を挙げたのは半数以上

近年、個人ではキャッシュレス決済が浸透している。では、企業間の決済の場合はどうだろうか。アメリカン・エキスプレスは、「企業間決済業務にまつわる課題」について、「支払いを受ける際/支払いをする際」のそれぞれの場面ごとに尋ねた。すると「支払いを受ける際」の課題として、最も多かったのは「新規取引先の与信審査」で54.1%(「とても課題を感じる」および「やや課題を感じる」の合計値)が回答。一方で、「支払いをする側」の課題は、「資金繰り」がトップの計55.6%(同合計値)となった。
9割強の中小企業が支払いに「銀行振り込み」を活用。企業間決済で“キャッシュレス化”が進まない理由とは?

支払いの遅延が発生した案件のうち、2割が未回収

続いて同社は、経理部門の担当者309名に「過去1年間での支払い遅延の発生」について尋ね、その結果を集計した。すると、支払い遅延が発生した割合は、平均4.6%だった。また、取引先の支払い遅延があった案件のうち、回収につながったのは平均78.4%で、未回収は平均21.6%との結果が得られた。

「支払い遅延案件が回収できた要因」を尋ねると、「営業担当者が交渉」が67.6%で最も多かった。以下、「経理担当者が交渉」が38%、「書面で通知」が22.2%、「その他部門の担当者が交渉」が13.9%、「外部の専門家に依頼」が5.6%、「債権譲渡など第三者から回収」が3.7%と続いた。
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企業間決済で最も活用されている決済方法は「銀行振込」

さらに同社は、「企業間決済において使用する支払い方法」について、「支払いを受ける際/支払いをする際」に分けて尋ねた。「支払いを受ける際」では、「銀行振込」が89.4%で最多となり、以下、「手形・小切手」が30.3%、「現金」が23.6%、「口座振替」が17.6%、「クレジットカード決済」が6.2%となった。また、他方の「支払いをする際」でも、「銀行振込」が94.1%で最多となっていた。以下、「現金」が41.7%、「口座振替」が41%、「手形・小切手」が38.8%、「クレジットカード決済」が19.6%と続いた。
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「現金」での決済を効率化したいと答えたのは半数以上

さらに、「効率化したい決済方法」を尋ねたところ、最も多い回答は「現金」で56.5%だった。以下、「手形・小切手」が56.1%、「銀行振込」が47.9%、「クレジットカード決済」が45.4%、「口座振替」が44.7%だった。
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企業間の決済ではこれまでの習慣を最優先する傾向

最後に、同社は「現在、各決済方法を利用する理由」を尋ねている。すべての決済方法において、最多だった理由は「これまでの習慣があるから」だった。また、「手形・小切手」および「現金」については、「取引先の指定があるから」を理由として選択する担当者が他に比べ多くなっていた。
9割強の中小企業が支払いに「銀行振り込み」を活用。企業間決済で“キャッシュレス化”が進まない理由とは?
今回の調査によると、中小企業のBtoBにおける決済手段は、依然として「銀行振り込み」が主流で、「キャッシュレス決済」はまだ普及していないのが実態となっていた。キャッシュレス推進協議会・福田好郎氏によると「今回の中小企業の結果は、DXが進展する大企業より遅れている」という。とはいえ、今後は取引先からキャッシュレス対応の要望が挙がってくることも充分に想定される。導入に向けた自社の課題を今一度整理しておく必要がありそうだ。

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