株式会社フリーウェイジャパン(以下、フリーウェイジャパン)は2022年3月22日、中小・零細企業の従業員と代表取締役を対象に実施した、「賃上げ促進税制に関する認知度調査」の結果を発表した。調査期間は2022年2月22日〜3月3日で、中小企業および零細企業の従業員378名、代表取締役221名から回答を得た。これにより、企業での賃上げ促進税制の認知度や、賃上げ予定の有無などが明らかとなった。
2022年4月開始「賃上げ促進税制」の認知度とは。税額控除に向け、すでに賃金引き上げを予定する中小企業も

「賃上げ促進税制」の認知度は半数以上も、詳細までは知らない人が多数か

2022年4月から「賃上げ促進税制」が施行された。これは従業員の給与引き上げを支援する制度で、給与支給増加額などに対する税額控除が、最大40%まで引き上げられるというものだ。こうした新しい制度について、企業の経営層や従業員の認知度はどの程度なのだろうか。

はじめにフリーウェイジャパンは、「『賃上げ促進税制』を知っているか」を尋ねている。その結果、「詳細まで知っている」が7.2%、「詳細は知らないが制度自体は知っている」が50.7%で、合計57.9%が「賃上げ促進税制」を認知していることがわかった。一方で、「知らない」が42.1%と、約4割は制度自体を認知していないことがうかがえる。
賃上げ促進税制の認知度

制度を「活用する」とした企業は1割未満にとどまる

次に同社が、「『賃上げ促進税制』を知っている」とした回答者に対して「制度の活用意向」について尋ねたところ、「活用する」は8.4%にとどまった。また、「わからない」が約半数の49.9%を占め、「活用しない」が41.7%となった。約9割の企業では、制度を活用しない、または活用について不明確であることがうかがえる。
賃上げ促進税制の活用について

制度を活用しない理由は「税制優遇の効果に期待できないため」が最多

続いて同社は、「『賃上げ促進税制』を活用しない」とした回答者に対し、その理由を尋ねている。その結果、「税制優遇の効果に期待できないため」が40%で最多となった。以下、「賃金の引き上げにより業績悪化の可能性があるため」が28.3%、「コロナ禍において業績の回復が見込めないため」が24.1%などと続いた。
賃上げ促進税制を活用しない理由

1割超の企業で賃上げを予定。「従業員の定着率向上」や「業績向上」が理由か

次に、同社は「今後の賃金引き上げの有無」について質問した。すると、「実施予定」が14.7%、「検討しているが、実施は未定」が41.1%、「実施しない」が44.2%という結果だった。

「賃上げを実施予定」とした回答者からは、その理由として、「従業員の定着率向上のため」や「業績の向上が見込めるため」、「人材確保のため」といった声が挙がった。

一方で、「賃上げを実施しない」とした理由については、「業績の回復が見込めないため」や「一度基本給を上げると元に戻せないため」、「賃金を上げなくても人材確保ができているため」などの回答があった。
賃上げ実施の有無

「賃上げ」予定企業の8割以上が税額控除の対象である「1.5%以上」の増額

最後に、同社は「賃上げを実施予定」とした回答者に対し、「具体的な増額率」(年収ベース)について質問した。その結果、「3%以上5%未満」が23.9%で最多となり、以下は、「5%以上10%未満」が17%、「2.5%以上3%未満」が12.5%、「2%以上2.5%未満」が10.2%、「1.5%以上2%未満」が8%などとなった。「賃上げ促進税制」では、「中小企業における税額控除の対象は1.5%以上の増額」とされているが、賃上げを実施予定の企業のうち約8割が、制度の対象となる1.5%以上の賃上げを実施予定であることがわかった。
賃上げの増額率
2022年4月より施行されている「賃上げ促進税制」について、認知度は半数を超えたものの、実際に活用予定である企業は少ないという実態がわかった。詳しい制度の内容やメリットを捉えた上で、活用の有無を検討していきたい。