Sansan株式会社は2021年11月10日、新型コロナウイルス感染症拡大にともなう、名刺への意識変化の有無を調査するべく実施した、「コロナ禍における名刺文化に関する意識調査」の結果を発表した。調査期間は2021年9月3日~4日で、社外の人と月に1回以上打ち合わせをしている全国のビジネスパーソン(20代~60代)1,050名から得た回答を元にレポートしている。ここでは、その中からコロナ禍前と現在を比較した名刺への意識変化などを紹介する。
コロナ禍を経てもいまだ6割以上が「名刺」を必要と実感。オンライン名刺で代用可能か?

「名刺の必要性」は感じているものの、「紙でなくて良い」との回答が増加

新型コロナウイルス感染症拡大にともない、会議や商談などがオンラインでも実施されるようになったが、コロナ禍前と比較して、「名刺の必要性」などに関する意識の変化はあったのだろうか。はじめに、「ビジネスにおける名刺の必要性」について、コロナ禍前では75%が「必要だと思う」と回答していたが、コロナ禍では59.5%へと変化していた。コロナの影響により対面での名刺交換の機会が減っているが、名刺へのニーズは根強くあり、ビジネスパーソンの約6割が必要だと考えているようだ。
ビジネスにおいて、名刺は必要だと思うか
前の質問に対して、「名刺を必要だと感じている」とした回答者を対象に、「名刺は紙であるべきだと思うか」を聞いている。コロナ禍前では、「あまりそう思わない」と「そう思わない」の合計が7.5%だったのに対し、コロナ禍においては同合計が18.3%と、10ポイント以上増えていた。「名刺の必要性」は引き続き感じているものの、それが「紙であるべき」、という意識は変化していることが明らかとなった。
名刺は紙であるべきだと思うか

管理面の負担やオンライン化の風潮から、「紙の名刺にこだわらない」人が増加か

さらに、「名刺を必要だと感じている一方、紙でなくても良い」と回答した人に対し、「その理由」を聞いている。「当てはまる」と「やや当てはまる」の合計が77.4%と最も多かったのが「紙の名刺は保管が大変であるため」。以下、「今後、打ち合わせ・商談はオンラインが中心になると思うため」が同合計76.8%、「代用ツール(SNSやメール署名等)で、相手の正確な情報を知ることができるため」が同73.6%などと続いた。紙の名刺については、「保管」に負担を感じているほか、「オンラインで相手の正確な情報の取得が可能であれば、必ずしも紙の名刺は必要ではない」と考えている人も多いことがうかがえる。
名刺が紙でなくても良い理由

約3割が紙の名刺とオンライン名刺を併用。今後も増加が見込まれる結果に

「利用している名刺の形式」は、やはり「紙の名刺」が最多となり、コロナ禍前は77.8%、コロナ禍では65%であった。他の形式では、「オンライン名刺」と「紙の名刺とオンライン名刺のどちらも併用」の合計が、コロナ禍前は18.8%だったのに対し、コロナ禍では29.1%となり、ここでも10ポイント以上増加した。コロナ禍での商談・会議のオンライン化が進んだこと、名刺へのニーズが根強くあることなどから「オンライン名刺」の利用が増えたのではないかと考えられる。
利用している名刺の形式
また、「今後利用したい名刺の形式」についても聞いている。こちらは、「紙の名刺」が28.3%、「オンライン名刺」が23.4%、「紙の名刺とオンライン名刺の併用」が42.2%、「名刺は使わない」が6.1%という結果。「紙の名刺とオンライン名刺を併用したい」との回答が最多だったことから、「シーンに応じてそれぞれの名刺を柔軟に使い分けたい」と考えているビジネスパーソンも一定数いることが明らかとなった。
今後どのような形式の名刺を使いたいか
コロナ禍においても継続して名刺の必要性はあるようだが、オンラインでの会議や商談が増えたことで、「オンライン名刺」も併用するなど、使う名刺の形式には変化があるようだ。シーンや相手とのコミュニケーションの方法に合わせた、名刺の使い分けも検討してみてはいかがだろうか。

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