2021年人事トレンド振り返り
2021年もあっという間に終わり、新しい年を迎えました。長引く新型コロナウィルス感染症拡大の中、企業で働く私たちは経済活動を止めずに1年間を乗り切りました。まずは頑張ってきた私たちを褒めるとともに、2021年の出来事を改めて振り返ってみましょう。人事業界にとって、そしてあなたにとって2021年はどんな1年だったでしょうか。

2021年に注目された人事テーマとは?

新年あけましておめでとうございます。2021年も終わり、2022年を迎えることができました。昨年も様々なテーマをご紹介してきましたが、今年も人事界隈を盛り上げるべく、新たなトレンドの解説や現場感のある内容をお届けしていきます。どうぞよろしくお願いいたします。

まずは、昨年2021年の代表的な「人事トピック」の振り返りをしてみましょう。

・ジョブ型導入
昨年はジョブ型雇用制度の導入が本格化した年でした。先行していた企業では一昨年から導入が始まり、2021年には定着が完了した企業もありました。ジョブ型雇用制度の導入は、日経新聞でも取り上げられるほど話題になりましたが、年後半になると話題も落ち着いてきた印象でした。振り返ってみると、ニュースなどに取り上げられたわりには、あまり盛り上がらなかった印象でした。ジョブ型の導入は一部の大企業が中心で、まだあまり広まっていないのが現状です。

・テレワーク継続?
昨年は新型コロナウィルスの影響も落ち着き、年後半からは外に出られる機会も多くなりました。それに伴い、在宅勤務から従来の出社しての勤務に切り替える企業もありました。中にはテレワークから出社への一方的な切り替えで、従業員から会社に批判が噴出した企業も。それもそのはず、在宅勤務中心の生活が定着してしまったため、出社はあまりにも負担が大きいのです。海外でもGoogle、Apple、旧Facebook(Meta)、AmazonといったいわゆるGAFAですらも、出社への切り替えを通達した後に、従業員からの反発でテレワークの無期限実施を決めています。世界的にも当面、テレワークは継続されるものになるでしょう。

・週休3日
少し話題になったのが週休3日制です。昨年はある意味、働き方改革が完成する年でした。テレワークが普及し、同時にフレックス制など柔軟な働き方も定着しました。働き方改革というテーマではやることがなくなった企業が次の話題作りとして週休3日を打ち出した印象でした。実際の普及は、大手企業のごく一部にとどまっています。これから法整備や政府の後押しなどがなければ、そこまで普及していかないでしょう。

・エンゲージメントの浸透
昨年は在宅勤務の広がりに伴い、エンゲージメント向上に取り組んだ企業が増えた印象でした。出社しなくなったことで、コミュニケーションが希薄になるとともに、社員食堂やフリーアドレス席といった会社設備による帰属意識の強化が難しくなってきました。また在宅勤務の社員の様子がよくわからないという管理者側の思いからも、エンゲージメントサーベイを導入する企業が多かったように思います。

こうして振り返ってみると、2021年は代表的なテーマはあるものの、人事界隈にとって静かな1年だったのではないでしょうか。一昨日の新型コロナウィルスの影響による感染対策、テレワーク導入といった慌ただしい日々から一転して、普段の業務の運用や2021年以前に企画したものの浸透に注力した方も多いと思います。

人事は「個別化」がさらに加速する

一方で昨年は、企業の人事施策の「個別化」が進んだ年であるように感じました。コロナ前までは人事施策といえば、だいたいどの企業も横並びでした。

しかし新型コロナウィルスの影響でテレワークが推進されると、従来の出社型の働き方と在宅勤務を含む柔軟な働き方を実施する企業の2極化が進みました。さらに、一昨年からジョブ型雇用やデジタルトランスフォーメーションなどのトレンドも広まり、現在は先進的なことに取り組む企業と、そうではない企業の個社毎の濃淡がはっきりとでるようになっています。

ある大手企業ではジョブ型雇用をあえて導入せずに、自社にあった職能制度をさらにリニューアルしていました。また、ある企業ではグローバル化やダイバーシティの取り組みが遅れているうちに、コロナ禍に突入してしまい、ダイバーシティの取り組みすら滞ってしまうケースもありました。

このように、コロナ禍によって「人事の近代化への取り組みがさらに遅れてしまう企業」と「週休3日などの新しいテーマに取り組んでいく企業」の分離が進んできています。当然ながら、これからの時代は、「従業員をより大切にする企業」が社会的にも選ばれ、支持されていきます。従業員のニーズに合わせて、新しく快適な働き方を追求していく企業でなければ、人材不足で事業が停滞することすらあるでしょう。

こういった取り組みが遅れている企業では、実際に採用が困難になったり、離職も増加していたりすると聞きます。それぞれの企業事情に応じた、人事施策を検討するのは当たり前ですが、世の中のトレンドをしっかりと掴み、柔軟に追従していくことがより一層に求められるようになっています。
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