影響が拡大し続ける「リクナビ」の内定辞退率予測データ事件

次に、リクルートキャリアが運営する就職ナビ「リクナビ」の閲覧履歴に基づく内定辞退率予測データの提供問題についての学生の捉え方を見てみましょう。この問題をめぐっては、内定辞退率予測データの提供を受けた契約企業37社にも政府の個人情報保護委員会から行政指導が行われ、さらに厚生労働省も職業安定法違反であるとして、東京労働局などを通じて行政指導を行う事態となり、事件はリクルートキャリアにとどまらなくなっています。

また、個人情報保護委員会は、Webブラウザのログイン情報をためた「Cookie(クッキー)」情報について、現行の個人情報保護法では「個人情報」にも「個人データ」にも当たらないとしていますが、今後予定される法改正に向けた骨子案では、「提供元では個人データに該当しないものの、提供先において個人データになることが明らかな情報について、個人データの第三者提供を制限する規律を適用する」としています。「Cookie」は、リターゲティング広告をはじめ、さまざまな分野で利用されており、今回のリクナビ問題を契機とした規制は、就職ナビにとどまらず、Webサービス全体に影響を及ぼす可能性があります。個人情報の保護はもちろん重要ですが、拡大解釈するのではなく、規制は必要最小限にしてほしいものです。

これまで「マイナビ」と就職ナビ2強を形成し、9割ほどの就活生が利用してきた「リクナビ」ですが、学生は今回の問題をどう見ているのでしょうか。全体では68%の就活生が「引き続き利用する」としている一方、「(すでに利用していたが)利用を控える」学生が17%、「利用予定だったが控える」が3%、「利用予定なし」が8%となっており、合わせて3割近い学生は「利用しない」としています[図表4]。もともと利用するつもりのない学生はともかくとして、「利用を控える」「利用予定だったが控える」とする2割の学生は、今回の問題を契機に「リクナビ」離れを起こしたことになります。
第106回 学生は「ジョブ型採用」や「一律初任給の廃止」といった環境の変化をどう捉えているのか
文系・理系別に見てみると、文系は32%の学生が「利用しない」としているのに対して、理系では「利用しない」とする学生は23%にとどまります。ライバルの「マイナビ」と比較した場合、理系学生での利用度は「リクナビ」のほうがわずかながら上回る傾向があり、ここでも理系学生からの支持は根強いものがあります。AIやCookieに対する理解度の違いもあるのかもしれません。

GAFAに通ずる「リクナビ」の影響力

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