ワークスアプリケーションズが主催する日本最大級のビジネスカンファレンス 『COMPANY Forum 2017』 講演録ニトリのグローバル人財育成〜教育こそ最大の福利厚生である〜 | 採用、育成・研修、労務・人事に関する情報ならHRプロ

人事にプロのサポートを―新卒採用、中途採用、人材育成、研修、人材マネジメント、労務、人事システム、適性検査ならHRプロ

  • HRサミット2017 アフターレポート&講演レジュメ公開中!
ワークスアプリケーションズが主催する日本最大級のビジネスカンファレンス 『COMPANY Forum 2017』 講演録

ニトリのグローバル人財育成 〜教育こそ最大の福利厚生である〜

株式会社ニトリホールディングス 執行役員 組織開発室室長 五十嵐 明生
2018/01/16

30期連続の増収増益、2032年までに3,000店舗・売上高3兆円達成を目標に掲げるニトリホールディングス。製造・物流・販売など幅広い業務分野や国の垣根を越えて、短期での配置転換を繰り返す「グローバル高速配転教育」に取り組んでいる。組織全体に精通しながらも、小売業としての鋭利な現場感覚を持ち、改革を推し進めることができる「変化対応力」に溢れた世界人財を育成する独自の教育手法の全貌を語る。

--------------

五十嵐 明生 氏
株式会社ニトリホールディングス
執行役員 組織開発室室長

--------------

ニトリは急成長企業ではない

ニトリの人材育成の背景には、3つのキーワードがあります。

・ロマンとビジョン
・製造物流小売業
・スペシャリストの育成

ロマンとは企業理念で、「住まいの豊かさを世界の人々に提供する」、これがニトリの唯一の目的です。企業理念は、ニトリのロマンとして、全社員で共有しています。ニトリの原点は、創業者の似鳥がアメリカの暮らしを見たときから始まりました。昭和47年当時の日本の家具は、メーカー主導の生産であったため、値段が高く、色、柄を自分の好みに合わせるのがとても困難でした。一方アメリカの家具は、手頃な値段で、自分好みを自由にコーディネートして選べました。創業者の似鳥はそんなアメリカを見て、「日本にも豊かな暮らしを提供したい」という想いを抱き、ニトリを創業しました。

ロマンを達成するためには、長期ビジョン、計画が必要です。似鳥が最初に掲げた数値目標は、2003年までに100店舗1,000億円の売上でした。(創業1967年)当時のニトリは2店舗で1.6億円の売上でしたので、その壮大なビジョンは周囲を驚かせました。世間的にはニトリは急成長の企業のイメージがあるかもしれませんが、創業時のロマンを大切にし、ビジョンに基づいた計画を実行して、確実にクリアしていっただけなのです。

現在は509店舗を展開し、2032年までに3,000店舗を目標としています。これも壮大な数字だと思われるかもしれませんが、この目標を達成するために、社内でどうやって仕組み化して、無理のないように達成できるかというのを常に考えています。

ニトリのビジネスモデル『製造物流小売業』

目標の100店舗を達成できた原動力は、製造物流小売業というビジネスモデルです。ニトリは家具屋で、元々の機能は小売業です。当時は問屋から仕入れていましたが、どうしても値段が高くなり、コーディネートもできず、ニトリのロマンが達成できないと考えていました。1985年のプラザ合意で円高になったので、輸入を行うようになり、貿易機能を自社で持つようになりました。1994年にはインドネシアの工場を買収して、自社製品を海外で作れるようになり、製造、貿易まで手がけるようになりました。こうして次第に、販売実績データをマーケティングに活かして次の商品を作る、という流れができ、お客様に安くて高品質でコーディネートできる商品を提供できるようになってきたのです。

結果として、商社、貿易、製造、品質検査、物流、マーケティングなど、職種の多い会社となり、様々な業種の方がニトリに入るようになりました。海外でも販売を行うようになり、さらに多様な人材が集うようになりました。そんな中で、社員が働きやすい環境をつくろうとしています。

多数精鋭を実現する教育

ニトリのロマンとビジョンを実現するためには、独自のビジネスモデルを支えながら企業成長に貢献する多くのスペシャリストを育てなければいけません。ですから、少数精鋭ではなく、多数精鋭を目指しています。それを実現するため、ニトリが採用時に求める人物像のポイントは、チャレンジ思考、チェンジ思考、上昇志向などが挙げられます。そして、コミュニケーションが取れ、自分から発信でき、相手の話を受け入れられる人です。

新入社員には、「80歳からの逆算したキャリアプラン」というものを行ってもらっています。ゴールから逆算して今の施策を考えられるようになるためです。20年後の自分、10年後の自分、5年後…1年後という目標の立て方を新入社員に教育しています。

プロフィール

株式会社ニトリホールディングス 執行役員 組織開発室室長 五十嵐 明生

大学卒業後、(株)ニトリ家具に入社。(入社当時の店舗数は、道内に11店舗。2017年7月時点での店舗数は496店舗。日本、アメリカ、中国、台湾に店舗展開を行う。)店舗勤務を経て、人事分野を担当する部署で経験を積む。数部署で部署長やプロジェクトリーダーを務め、2013年より執行役員に就任。主に人事、法務、コールセンター等の分野を担当。ニトリグループ内共通の人事制度(職責等級、評価)を国内外に展開。またグループ全社の人事データを一元管理するために、2014年にはグローバルで人事システムを導入し、関連する制度を設計。国を越えた全グループ人財育成プロジェクトの指揮を執る。

2019卒版 インターンシップ プログラム作成完全マニュアル申込受付中

関連リンク

  • 特別読み切り

    筋肉質な営業組織はこう作る!営業部門に特化した「セールス・イネーブルメント」という人材開発の仕組み

    売上のトップラインを伸ばすために、営業人材の採用を強化する企業は多いでしょう。その場合、計画的・組織的に、かつ営業現場のニーズに即した人材育成施策を講じる必要があります。そこで世界的に注目されているのが、営業人材に特化した人材開発の仕組み「セールス・イネーブルメント」です。今回は、CRM プラットフォーム「Salesforce」を提供する、株式会社セールスフォース・ドットコム Sales Enablement(営業人材開発部)部長 山下貴宏氏に、セールス・イネーブルメントの組織機能や具体的なアプローチ、そしてその前提となるSFA/CRMの活用方法などについてお話しいただきました。 【講師】 山下貴宏氏 株式会社セールスフォース・ドットコム Sales Enablement(営業人材開発部)部長 福岡県大川市生まれ。日本ヒューレット・パッカードにて法人営業、その後、船井総合研究所、マーサージャパンで組織・人材マネジメントコンサルティングを経験したのち、2012年2月にセールスフォース・ドットコムに入社。

  • HRサミット2017/HRテクノロジーサミット2017講演録

    「ななつ星 in 九州」を生んだ人事の力〜「夢みる力が“気”をつくる」〜

    「気」とは、「万物が生ずる根元」、「生命の原動力となる勢い、活力の源」。この「気」を呼び込み、「気」を満ち溢れさせることが、成功の鍵です。日本初のクルーズトレイン「ななつ星in九州」。運行開始以来、多くの方に愛され、今でも予約の最高倍率は166倍となっています。その完成には、多くの技術者、職人、匠、JR九州の社員の並々ならぬ「気」が車両やサービスの隅々まで込められました。「気」の結晶である「ななつ星」。だからこそ人を感動させるのです。「ななつ星」プロジェクトを成功に導き、挑戦を続けるJR九州の「気」をつくる働き方について、九州旅客鉄道株式会社の唐池恒二氏にお話いただきました。

    講師

    • 唐池 恒二氏

      唐池 恒二氏

      九州旅客鉄道株式会社 代表取締役会長

      1953年4月2日大阪府生まれ。1977年京都大学法学部を卒業後、日本国有鉄道に入社。1987年国鉄分割民営化に伴い、九州旅客鉄道(JR九州)に入社。「ゆふいんの森」や「あそBOY」等のD&S(デザイン&ストーリー)列車の運行をはじめ、博多〜韓国・釜山間の高速船「ビートル」の就航に尽力。その後、毎年大幅な赤字を計上していた外食事業を黒字化し、子会社化したJR九州フードサービスの社長に就任。2002年には、炭焼創菜(そうさい)料理店、「赤坂うまや」の東京進出を果たす。 2009年6月JR九州の社長に就任後、2011年に九州新幹線全線開業、国内最大級の商業駅ビル「JR博多シティ」開業と、2大プロジェクトも成し遂げた。九州を基盤に魅力あるまちづくりを目指す中で、外食事業の海外進出や農業などの新たな事業分野へも果敢に挑んできた。 2013年10月に運行を開始したクルーズトレイン「ななつ星in九州」は、その企画から運行まで自ら陣頭指揮を執った。2014年6月、JR九州会長に就任。

  • HRサミット2017/HRテクノロジーサミット2017講演録

    人が育つ実践的な内製研修の 導入戦略について〜行動変容の視点から内製研修を考察する〜

    近年、育成風土を高めることを前提に研修を内製化したいという声をよく聞きます。しかし、どのように進めたらいいのか、具体的な方法が分からないというご担当者の方も多いようです。そこで、講師ビジョンの島村氏より、研修を内製化することの優位性や効果を説明いただき、その後、実際に育成風土を高めながら、研修を内製化させることに成功している2社のご担当者にその過程を説明していただきました。

    講師

    • 島村 公俊氏

      島村 公俊氏

      講師ビジョン株式会社 代表取締役

      2001年、人事系のコンサルティング会社などを経て、2006年ソフトバンク株式会社(旧ボーダフォン)入社。全国の代理店ショップの店長向けにコーチング研修を導入し、退職率低減に寄与。社内表彰される。2007年人事本部人材開発部へ異動。ソフトバンクユニバーシティ設立において研修の内製化を推進し、内製コンテンツの開発および、100名を超える社内講師の育成へ貢献。2013年アメリカの教育団体よりアジア初としてPike’s Peak Awardを受賞。翌年、日本HRチャレンジ大賞人材育成部門優秀賞を受賞。2015年より講師ビジョン株式会社を設立し、教え、学びあう文化をつくることを目的に、内製研修の開発支援や社内講師トレーニングを提供している。

    • 小野 琴理氏

      小野 琴理氏

      株式会社ファンケル ファンケル大学 教育企画部 教育企画運営グループ 課長

      2007年 株式会社ファンケルに入社。電話窓口部門への配属を経て、人事企画部門に3年半従事。 2013年 社内教育部門(ファンケル大学)の設立とともに、新入社員から役員層までの研修を行う部署の課長として、社内研修の内製化に積極的に取り組む。 2014年度1,000名を超える従業員を対象に実施した理念研修をきっかけに、従業員の特徴や傾向を把握。 その後、従業員の傾向に合わせた社内研修の構築を行い、2016年度は80%以上の研修を社内講師で実施し、年間のべ2,900名が受講。 また、反転教育の導入においても、企画から構築まで全て社内で完結させ、従業員の研修転移に貢献。 現在は、店舗・窓口部門共通の社内資格制度と教育プログラムの再構築に取り組む。

    • 原田 謙太郎 氏

      原田 謙太郎 氏

      株式会社ビームス 人事本部 人材開発部 係長

      1998年に日本電信電話株式会社(NTT)​へ新卒入社。2000年に株式会社ビームスへ転職。販売職から店舗マネジメントを経て、2011年に人材開発部へ異動。現場での育成実績を活かし、キャリア自律とリーダーシップ開発をリンクさせた年次研修制度や、経験学習に紐づいた5者面談の仕組みなどを構築。2015年には青山学院大学のワークショップデザイナー育成プログラムを修了し専門性を高める。現在は人材開発部の責任者として、大学や他組織との連携など、これまでの研修施策だけにとらわれない、新しい人材育成の可能性にチャレンジしている。

  • HRサミット2017/HRテクノロジーサミット2017講演録

    事業創造人財育成と組織開発〜コマツにおける「勝てる人と組織」の創り方〜

    近年、経産省および経団連をはじめとする財界から、事業全体を俯瞰して価値創造できる人財を、早急に社内育成する必要性が説かれています。しかし、現状における企業の教育研修プログラムは、この要請に応える内容として十分とはいえないという指摘があります。本セッションでは、コマツの「BM(ブランドマネジメント)活動」を取り上げ、これからの企業が「事業創造人財」を社内育成し、単品ビジネスを脱して事業全体の差別化を実現させていくための方法論とその実践の在り方について提言がなされました。

    講師

    • 加藤 雄一郎氏

      加藤 雄一郎氏

      名古屋工業大学 産学官金連携機構 特任教授

      東京工業大学大学院 博士課程 価値システム専攻修了。博士(学術)。食品会社、広告会社を経て、2003年に名古屋工業大学大学院 産業戦略工学専攻に着任。2015年10月から現職。専門はマーケティング、競争戦略、組織開発、事業創造人財育成。建機、電子機器、自動車、トイレタリ、食品など企業を対象にした事業価値創造プロジェクトや人財育成研修など企業指導多数。主な著書として、『JSQC選書9 ブランドマネジメント:究極的なありたい姿が組織能力を更に高める』(日本規格協会)、『理想追求型QCストーリー:未来の顧客価値を起点にしたコンセプト主導型の新製品・サービス開発手法』(日科技連出版社)がある。2015年よりデミング賞審査委員会委員。

  • HRサミット2017/HRテクノロジーサミット2017講演録

    人材獲得競争力ある人事組織作りと一人ひとりが活躍できる支援のあり方

    日本企業がグローバル競争に勝ち抜くためには、人材獲得競争に勝つことが求められます。そのためには、人事部門がHRBP(HRビジネスパートナー)として人事施策をどう構築し、どう機能させるべきなのでしょうか。グローバル展開という共通点を持ちながら、対照的なアプローチで人事組織づくりと社員一人ひとりの支援を行うサトーホールディングスと武田薬品工業に、取り組み事例などについてお話しいただきました。

    講師

    • 江上 茂樹氏

      江上 茂樹氏

      サトーホールディングス株式会社 執行役員 最高人財責任者(CHRO) 兼 北上事業所長

      1995年に東京大学経済学部卒業後、三菱自動車工業株式会社に入社し、川崎工場の人事・労務部門に配属。2003年のトラック・バス部門分社に伴い、三菱ふそうトラック・バス株式会社へ移籍し、人事・採用・教育を担当。途中、CEOアシスタントを経て、2007年人事・総務本部組織戦略部長、2008年開発本部開発管理部長、2010年人事担当常務人事・総務本部長(兼ダイムラートラックス・アジア人事責任者)を歴任し、独ダイムラー傘下となった同社の人事制度のグローバルスタンダードへの転換を図った。2015年11月サトーホールディングス株式会社最高人財責任者(CHRO)に就任。2016年7月同社執行役員。2017年4月北上事業所長を兼務。

    • 山下 茂樹氏

      山下 茂樹氏

      武田薬品工業株式会社 グローバルHR 人材開発・組織開発(日本)ヘッド

      1985年立教大学社会学部卒業。キヤノン、モービル石油(現エクソンモービル)にてセールス&マーケティング業務に従事。1998年よりGE横河メディカルシステム(GEYMS)でサービスマーケティングマネジャーとして画像診断装置のサービスビジネスに従事。2000年南カリフォルニア大学MBA取得を節目に、キヤリアをセールス&マーケティングから人事、人材開発に転換。GEYMS、メリルリンチHRリーダーシッププログラムを経て、2002年より、日本イーライリリーにおいて幅広い事業領域でのHRビジネスパートナー及び人材開発、組織開発、社内広報を歴任。シーメンスでのHRビジネスパートナーを経て、2012年より、MSDにて次世代リーダーの採用、育成、ダイバーシティ&インクルージョンの推進、後継者育成計画等のタレントマネジメント業務を歴任。2017年7月より現職。MBTI認定ユーザー(2007)、CTI認定コーアクティブコーチ(2012)、立教大学GLP兼任講師(2017)

    • 須東 朋広氏

      須東 朋広氏

      多摩大学大学院 経営情報学研究科 客員教授

      2003年、最高人事責任者の在り方を研究する日本CHO協会の立ち上げに従事し、事務局長として8年半務める。 2011年7月からはインテリジェンスHITO総研リサーチ部主席研究員として日本的雇用システムの在り方の研究から中高年の雇用やキャリア、女性躍進、障がい者雇用、転職者、正社員の研究活動を行ってきた。 2016年7月から、今までの研究活動から組織内でなんらかの理由で声を上げられない社員が、イキイキ働くために、一般社団法人組織内サイレントマイノリティを立ち上げる。 同社代表理事として現在に至る。そのほか、専修大学 非常勤講師、HR総研 客員研究員を兼任。

  • HRサミット2017/HRテクノロジーサミット2017講演録

    HR Techによる育成領域のデジタルシフト

    HR Techが人事の様々な領域に広がる中、育成領域においてはまだ限定的な参入にとどまっています。今まで満足度や学習効果以外の指標の見える化がしにくい人材育成において、新たに見える化できることは何か、人材育成から成長支援に向けた研修の必要性など、育成領域のデジタルシフトについて、グロービスをご活用いただいた企業様の事例をご紹介いたします。

    講師

    • 井上 陽介

      井上 陽介氏

      株式会社グロービス グロービス・デジタル・プラットフォーム マネジング・ディレクター

      消費財メーカーに従事後、グロービスにて企業向け人材コンサルティング、名古屋オフィス新規開設リーダー、法人部門マネジング・ディレクターを経て、デジタル・テクノロジーで人材育成にイノベーションを興すことを目的としたグロービス・デジタル・プラットフォーム部門を立ち上げ責任者として組織をリードする。