【産業能率大学総合研究所×HR総研】イノベーション創出に向けた人材マネジメント調査II 速報〜イノベーション創出に貢献している社員がいる企業が6割〜

昨年実施した「イノベーション創出に向けた人材マネジメント調査」から抽出された課題をもとにアンケート・インタビューを調査を行い、日本企業がイノベーション創出する上での鍵要因について再度考察した「イノベーション創出に向けた人材マネジメント調査II」を新たに作成している。 こちらでは、その調査内容の一部を抜粋した速報をお届けする。

2018年度の調査を受けて

【2018年度 調査概要】
目  的:イノベーションを生み出す組織の要件を探り、イノベーション創出に向けた日本企業の課題を明らかにすること
対  象:日本国内に本社を置く企業の人事担当者・責任者および経営者
調査内容:戦略・トップの姿勢/組織体制/組織風土/人材の状況/人材の方針/人材開発/イノベーションの創出状況

【2018年度から提言された課題】
提言1:人材マネジメントに首尾一貫性を持たせる
提言2:内外ネットワークを通じたオープンイノベーションの強化
提言3:人的資源ポリシーの再構築
提言4:チームで取り組むイノベーション創出
提言5:求心力と遠心力のバランスをとる

【2019年度アンケート調査】
目的:前回調査から導かれた課題について、実際に取り組んでいるのはどのような企業なのかを確かめる。
対象:日本国内に本社を置く企業の人事担当者・責任者および経営者

【2019年度インタビュー調査】
目的:定量調査から導かれた課題について、変革型イノベーション創出企業が具体的にどのような取り組みを行っているのかを掘り下げる。
対象:日本国内に本社を置き、世の中や市場、業界構造を変えるような変革型イノベーションを創出している企業の人事責任者

【2019年度の調査概要】

■調査の目的
前回調査から導かれた課題について、実際に取り組んでいるのはどのような企業なのかを確かめる。
また、前回調査から見えなかった課題はないかを明らかにする。
■調査期間
2019年6月3日〜6月30日
■調査方法
インターネット調査と紙媒体による質問紙調査の併用。
■対象
日本国内に本社を置く企業の人事担当者・責任者および経営者。
■調査構成
本調査では、「@企業概況」と、「Aイノベーション・レディネス」について尋ねている。
調査構成は下図のとおり。

調査結果のポイント※(イノベーション創出に取り組む企業の実態)

※この記事(速報)のために、調査結果の一部を抜粋し編集している。
調査結果の全容は、2020年1月発行予定の「イノベーション創出に向けた人材マネジメント調査U」にて公開予定。

■イノベ活動取組度:高群・低群について
2018年度の調査結果から抽出された5つの課題への取組度によって、回答企業をイノベ活動取組度:高群(32社)/低群(168)に群分けし、比較を行っている。

会社概要







調査項目調査結果
@創業年数回答企業全体では、「50年未満」の企業が過半。

イノベ活動取組度:高群は、創業「100年以上」の企業も少なくない。
A正社員数「100人以上1000人未満」の企業が半数を占める。

イノベ活動取組度:高群は、「1000人以上」の比較的規模の大きな企業も3割程度見られる。
B正社員平均年齢正社員平均年齢の全体平均は、40.5歳。

イノベ活動取組度:高群・低群共に、「40歳以上〜50歳未満」が最多。
C正社員女性比率女性比率の全体平均は、32.3%。

イノベ活動取組度:高群・低群ともに「30%〜40%未満」が最も多く、大きな差は見られない。
D主力事業の業種回答企業全体では、「製造」「非製造」が拮抗。

イノベ活動取組度:高群・低群に大きな差は見られないが、強いて言えば、イノベ活動取組度:高群は「非製造業」が相対的に多め。


上記以外に、主力事業のビジネスモデル(バリューチェーン型・プラットフォーム型など)、主力事業のビジネスモデル「類型」(BtoC・BtoBなど)、主力事業のライフサイクル(導入期・老舗期など)といった項目も調査の対象としている。

人材マネジメント・イノベーションの捉え方






調査項目調査結果
@人材マネジメントの方針・考え方(全体)回答企業全体の8割前後は、「職務内容を明確に定義する」「成果で処遇に差をつける」「中途採用を行う」などの、“ジョブ型の人的資源ポリシー(まず仕事があり、その状況によって雇用が変わるという前提に立った人材マネジメント上の方針や考え方)”の要素を持っている。
@人材マネジメントの方針・考え方(群比較)イノベ活動取組度:高群は、「職務内容を明確に定義する」「中途採用を行う」「成果で処遇に差をつける」などの、“ジョブ型人的資源ポリシー”の代表的な要素を持っている。
また、「個人の事業に合わせて働き方を選べる」「契約社員の活用」「転職や兼業・副業支援」を通じて、社員一人一人を尊重しながら、個々の能力の最大化を図っている。
Aイノベーションの捉え方(全体)回答企業全体としては、「業界構造や人々の生活を大きく変える」「業界初の機能をもつ」などが多く、「製品・サービスの機能を限定する」「既存の製品・サービスを、従来と異なる市場に導入」をイノベーションととらえている企業は少ない。
Aイノベーションの捉え方(群比較)イノベーションのとらえ方について両群で認識の差は少ないが、唯一「製品・サービスの機能の限定」については差が見られた。
イノベ活動取組:高群は、イノベーションに“ローエンド型”も含めて捉えている企業が相対的に多い。

イノベーション創出に貢献する社員について





調査項目調査結果
@社員の有無回答企業のうち、約6割の企業がイノベーション創出に貢献している社員が「いる」。
イノベ活動取組度高群は、非取組群よりもイノベーション創出に貢献している社員が「いる」企業が圧倒的に多い。
A社員の特徴(全体)「強い問題意識・高いモチベーション」「旺盛なチャレンジ精神」などの“想い”に関するものや、「知識や専門性」といった“スキル”が上位に。
A社員の特徴(群比較)「強い問題意識・高いモチベーション」は両群ともに最も選択率が高い。
イノベ活動取組度:高群はセンス関連の要素を多く選択しているのに対し、低群はスキルに関する要素を多く選択する傾向があるようだ。
上記以外に、過去3年間の市場導入成功比率、市場導入がうまくいかなかった理由、「知の活用・深化」と「知の探索」の活動割合、といった項目も調査の対象としている。