オープンブック・マネジメント

「オープンブック・マネジメント(Open Book Management)」は、20世紀末に提唱された経営手法。

「ブック」とは企業の財務諸表や業績管理指標を意味し、これらを全従業員に公開して、そのデータの読み方を教育することにより、全員参加型の経営を行っていくマネジメント手法を指しています。OBMとも略されます。

オープンブック・マネジメントを世に紹介したのは、マネジメント・ライターのジョン・ケース氏。日本でも2001年に著書『オープンブック・マネジメント〜経営数字の共有がプロフェッショナルを育てる』(ジョン・ケース著/ダイヤモンド社)が刊行され、オープンブック・マネジメントの理論と実践について広く知られるようになりました。

オープンブック・マネジメントが注目されるようになった背景には、ビジネス環境が変化する中、経営者がトップダウン型のマネジメントを行い、従業員は与えられた仕事をこなせばよいといった考え方では成果が出にくくなってきたことがあります。市場の変化に対応した業務改革、組織改革が必要な状況であっても、経営側は「従業員は危機感や当事者意識が薄い」、一方、従業員側は「業績が悪いのは経営に問題があるからだ」というように双方が不満や不信を抱く状況は起こりがちです。このような場合、改革を行ってビジネス競争に勝ち抜いていくことは困難でしょう。

そこで、経営側が持つ財務情報を現場に公開し、自社の業績や経営の実態、課題を全員で共有しようというのがオープンブック・マネジメントの考え方です。特に、非上場企業の従業員にとって、自社の経営状況でわかるのは売上高程度で、通常、細かい数字を知ることはできません。

しかし、財務情報が公開され、その数字の意味がわかるようになれば、従業員は自分の仕事の意義や自社の戦略について正しく理解し、現場主導の業務改善やイノベーションにつながっていくことが期待できます。ジョン・ケース氏は、オープンブック・マネジメントを成功に導くための原則として、情報公開のほか、従業員への権限委譲を進めることや、成果の公平な配分制度を設けることなどを挙げています。

経営陣、管理職だけでなく、現場の従業員も自社の業績を考えながら仕事をすることが求められる時代になってきた中、経営と現場の乖離を縮める手法の一つとなるのがオープンブック・マネジメントといえるでしょう。

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