「高年齢者等共同就業機会創出助成金」とは、高年齢者(45歳以上)が3人以上集まり、職業経験などを活かして共同で新しく法人を設立し、労働者を雇い入れて継続的な雇用・就業の機会を創出した場合に、その事業の開始に要した一定範囲の費用について助成する制度です。シニア起業の支援制度として利用されてきましたが、2011年6月30日に廃止されています。

助成金を受給できる条件は、雇用保険の適用事業主であることや、計画書を提出し認定を受けていることなどで、法人設立に関する事業計画書作成費用、その他法人設立に要した費用、法人の運営に必要な経費(職業能力開発経費、設備・運営経費)を対象に、合計額の3分の2が500万円を限度として支給されていました。

過去には、インターネットによる通信販売会社、居宅介護サービスのNPOなど、さまざまな業種の事業主がこの助成金を活用。元の職場で技術コンサルタント業務の経験を持つ同僚が、主に金属加工に関する技術コンサルタント会社を共同で設立し、約220万円を支給されたケースもありました。

高年齢者等共同就業機会創出助成金に代わる新たなシニア起業の支援制度として、政府は2016年4月1日から「生涯現役起業支援助成金」をスタートさせています。

これは、中高年齢者(起業日の年齢が40歳以上)が起業するにあたって、中高年齢者(60歳以上1名以上、40歳以上2名以上、または40 歳未満3名以上)を雇い入れた場合、募集・採用や教育訓練など、雇用創出措置に関する費用の一部を助成するもの。起業者の年齢が60歳以上なら200万円を上限に実費の3分の2、40~59歳なら150万円を上限に実費の半分が支給される仕組みです。高年齢者等共同就業機会創出助成金とは異なり、助成対象は募集・採用と教育訓練に関する費用に限定され、上限額も低くなりましたが、1人で起業しても助成金を受けることが可能です。

近年は、社内に増えつつあるシニア社員の活力の低下を課題とし、シニア社員を対象にキャリア研修を実施して、今後の前向きなキャリアデザインを支援する企業が増えています。シニアの起業を支援するこうした制度について情報提供を行えば、キャリア選択の幅が広がり、日々の業務にも新たな学びにも意欲的に取り組めるようになる一つのきっかけになるかもしれません。