上司に理解して欲しいこと1位は「これまでの業務」

コミュニケーションを取り、メンバーをよく理解することはマネジメントの基本。では、「メンバーを理解する」ことで、実際に効果および現状はどうなっているのだろうか?カオナビの研究機関、カオナビHRテクノロジー総研は2018年12月、20〜60代の社会人600名を対象に「上司と部下の関係性に関する調査」を実施し、2019年3月にその結果を発表した。
上司が自分を理解することにより仕事のパフォーマンスによい影響があるかどうかを尋ねると、約6割が「よい影響がある」と回答。特に20代は80%と高い数値を示し、「自分を理解してほしい」という気持ちを持ちやすい傾向にあることが分かった。

■上司からの理解は仕事によい影響があると感じるか?

「上司からの理解」と「現在の職場への満足度」の回答結果をクロス集計し、上司の理解の有無で満足度を調べている。結果は、「上司から理解されている」と回答した人の約7割が職場に満足しており、反対に「理解されていない」人はわずか11.5%しか職場に満足していないというものであった。上司から理解は、職場への満足度にもつながるようだ。

■職場に満足している人の割合

上司に個性や個人の事情などを理解してもらえているか?という質問に対しては、約60%の人が「上司に十分理解してもらえていない(どちらでもない、も含む)」と回答。上司からの理解が不十分、という認識が多い結果になった。

■上司はあなたの個性を理解しているか?

上司から理解してもらいたい項目を尋ねると、「これまでの業務」が46.1%で最多。「会社への希望・不満(25%)」は上位に入らず、業務を越えた事業戦略、ビジョンなどに対して意見したいという気持ちはさほど強くないようだ。

年代別に見ると、20代と30代では、「性格」を理解して欲しいという声が最多。また、「これまでの業務」を理解してほしいという思いは、年代が上がるほど強くなる傾向にあった。

■上司にぜひ理解して欲しいこと

最後に、カオナビHRテクノロジー総研 所長・内田壮氏が考察する「上司が部下を理解する際のポイント」を記載する。ぜひ今後のマネジメントの参考にしていただきたい。

「良くも悪くも、人間は過去の成功体験に縛られる傾向があります。中途入社の社員であれば、まずは職務経歴書などをしっかり理解することなどが重要でしょう。一方で異動してきた新メンバーなどについては、情報をそろえにくいこともあるため、タレントマネジメントシステムや1on1の機会を使い、過去の業務経験を理解することが重要になると思われます。成功体験の呪縛を回避・解消する方法を見出すためにも、過去の成功体験を聞くことには意味があります。また、上述した通り、「これまでの業務を理解する」ことで部下の成果・満足度の向上が期待できます。

部下の中には、『業務への希望・不満』を上手く表現できる人と、できない人がいます。表現できない理由としては、論理性、遠慮などが考えられます。上司には、面談の場面などで部下が思っていることを上手く引き出す傾聴力、ヒアリング力が求められるでしょう。

同僚の『性格』は、分かるようで意外と分からないものです。例えば、同じようにストレスに弱い社員がいたとしても、感情を表に出しやすいかどうかで、表面上の態度は大きく異なります。このように把握の難しい「性格」を何とか理解する一助として、『エニアグラム』や『SPI』といったパーソナリティ検査を用いることは非常に有効といえます」

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HRプロ編集部

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