株式会社学情は2023年7月11日、「管理職登用」に関する調査結果を発表した。調査期間は2023年6月20日~28日で、同社が運営する転職サイトの来訪者のうち、20代の社会人260名から回答を得ている。本調査から、20代の管理職登用に対する意識や、企業の志望度への影響などが明らかとなった。
“若手社員の管理職登用”20代の4割超が「志望度が上がる」と回答。優秀人材獲得には“実力評価へのシフト”がカギか

20代の6割以上が若手を積極的に登用する企業に「魅力を感じる」と回答

終身雇用や年功序列制度の崩壊が叫ばれる昨今、働き手による主体的なキャリア形成への関心が高まっている。20代~30代前半の若手社員を管理職に登用する企業も増加傾向にあるが、20代のビジネスパーソンは、若手の管理職登用をどのように感じているのだろうか。

まず学情は、「若手を積極的に登用する企業に魅力を感じるか」を質問した。すると、若手を積極的に登用する企業について「魅力を感じる」が31.2%、「どちらかと言えば魅力を感じる」が30.4%で、合計61.6%に及んだ。20代の6割超が、若手社員を積極的に登用する企業に魅力を感じていることが明らかとなった。

「魅力を感じる理由」についての自由回答として、「実績や能力に応じて、責任あるポジションを任せてもらえるのは嬉しい」や「若いうちから裁量を持って働きたい」、「年功序列よりも実力で評価する企業は魅力を感じる」といった声が挙がったとのことだ。
若手を積極的に登用する企業に魅力を感じるか

積極的に登用する企業は「志望度が上がる」と答えた20代は4割以上に

続いて同社が、「20代を積極的に管理職に登用する企業は志望度が上がるか」を尋ねたところ、「志望度が上がる」が15.8%、「どちらかと言えば志望度が上がる」が26.2%で、合計42%だった。20代の4割超が、「志望度が上がる」と答えた。

「志望度が上がる理由」の自由回答には、「管理職に挑戦したい人に挑戦の機会があるのは良いことだと思う」や「若手のうちから経験を積みたい」といった声が寄せられたという。
20代を積極的に管理職に登用する企業は志望度が上がるか

20代の3割超が転職時に「管理職登用実績を重視」。一方で「重視しない」も同水準に

最後に同社は、「転職時に若手社員の管理職登用実績の有無をどの程度重視するか」を聞いたところ、「最優先で重視する」(8.1%)、「最優先ではないが重視する」(24.6%)の合計は、32.7%だった。対して、「重視しない」(10.4%)、「どちらかと言えば重視しない」(23.5%)は計33.9%で、「重視する人」と「重視しない人」がともに3割以上と、ほぼ同水準であることがわかった。

自由回答には、「若いうちから責任ある仕事に挑戦できる企業は魅力を感じる」や「登用実績があれば、自分自身にもチャンスがあると思える」といった声が挙がった。一方で、「管理職は目指していない」や「自身が20代で管理職になるイメージは持てない」といった意見も聞かれたという。
転職時に若手社員の管理職登用実績の有無をどの程度重視するか
本調査の結果から、20代の6割以上が、若手社員を積極的に管理職登用する企業に「魅力を感じる」ことや、積極的に取り組む企業に対して「志望度が上がる」とする人がいることなどがわかった。若手の管理職登用の実績は、企業の魅力の一つとして捉えられている。企業が若年層も活躍できるような人事制度を構築することで、人材の流出防止や優秀な人材の確保につながるのではないだろうか。

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