スキルギャップの大きなところに重点的に施策を考える

これらによって、全社のスキルギャップがどうなっているのかを見ていきます。課長・部長に対してそれぞれの評価項目を設定して、それでチェックした場合に、不足するスキルの量が全社で何%になっているのか、育成するための項目としては不足しているものを見ていきます。各階層でも検討します。スキルギャップで見ると、管理職の方が問題が大きいことなどが明らかになってきます。不足が多くて超過が少ないところが問題ですので、それを全社的に見ます。さらに、不足の人が何人いるか、それを年齢別、男女別、階層別、部門別で見ていきます。
 ここで、部長がかなり危ないということが明らかになったりします。そこでさらに、スキルの不足度合いと人数の関係、何のスキルが不足しているのかを見ていきます。例えば、そこから組織管理のスキルが不足しているということが分かってくるでしょう、
 次に、育成の仕方をどうするのかという課題になります。スキルが不足している人の人数や、不足している項目を見るなかで、不足している量が多く、不足している人数が多い項目については、重篤なところなので集合研修のような施策を実施すべきでしょうし、一人あたりの不足量は多いが人数が少ない場合には、個別のコーチング的な施策で対応を図っていく。また、人数は多いが一人あたりの不足量は少ない場合には、コストをかけずに自己啓発的な支援をしていくなどが考えられます。
 スキルギャップを測るための物差しは何でも使うことができます。例えば、私たちが実際に行った例では、医薬品会社のMRの方に絞った分析では、営業プロセスを分解して、それを項目にしてMR全員のスキルギャップを見たこともあります。
 このように、スキルのギャップ情報を可視化することで、合理的な人材育成の施策につなげていくことができます。

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