従来の社員育成策ではスキルが育たない時代

トランストラクチャは人事専門のコンサルティング会社で、定量分析的アプローチを特徴としています。コンサルティングとは経営者や現場の管理職にヒアリングをして解決策を一緒に考えるのが仕事ですが、その前に定量分析を必ず実施します。具体的には、その会社の6期分の経営データと全従業員のデータのほか、組織図や人事制度の概要などもお預かりして、分析します。
例えば、その会社の総額人件費が適正かについて。適正でない場合、どこに原因があるのかを見ます。さらに、人員数が適正か、資格別人員構成が適正かなども分析します。資格別人員構成がいびつである場合は、具体的にどういびつで、いびつさによってどれだけの人件費に余剰が出ているのかを見ます。人員数の適正については、例えば労働生産性や労働分配率といった指標を使って、過去期のデータのなかから、その会社の生産性が適正であった時期をベンチマークとして見たり、業界水準に比べて生産性が適正であるか、人員数が適正であるかを見ていきます。
 賃金制度、賃金のテーブルのきざみ方が資格等級によって重なりがあまりない状態で切られているかも見ていきます。実際に、制度はそうなっていても、現実的には時間外の逆転現象がみられますので、現実的にはどれぐらい逆転が起こっているのかも見ていきます。これは、いわゆる昇格インセンティブが働いているのかを見るためのものです。成果主義が正しく機能しているかも重要な点です。高い成果を上げている人に対して、高い配分になっているか。年収・月収・賞与を分析するなかで見ていきます。こういう観点で課題を見たうえで、経営者との話し合いに入り、コンサルティングをしていきます。
 我々はこれを「血液検査」といっています。医者と患者のアナロジーで言いますと、問診をする前にまず血液検査をするということですね。そのうえで問診をしていくというイメージです。

管理職の能力不足が問われている

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