スキルギャップを可視化して問題点を見つける

こうした問題を踏まえて、今必要なことは何でしょうか?
 まず、今の経営計画の実現のために必要なスキルを特定することが重要です。そのうえで、今の社員の保有スキルは足りているのか、足りていないのかをみる。そのギャップのばらつき方に対して、ギャップが大きなところにはすぐに手を打たなければいけないし、それほどギャップが大きくないところなら少し後回しにすることもできます。数の問題とギャップの大きさを踏まえて育成施策を考えていくことが必要で、そのうえで実践的な教育をすることが求められていると思います。
 我々が考える効果的な育成のためには、まずスキルギャップ分析が必要です。これは、今お話したような課題の把握です。このうえで、アウトプット志向の実践的な研修を行います。教科書的なことを教えるのではなく、スキルを教えるにしても、受講者が現実に持っている課題を解決するために使い、アウトプットして持ち帰れるような研修が必要です。
 研修するだけではあまり効果がありません。学んだことを実務に接合させるため、研修後の事後課題を課して、実務のなかで学んだことを使い、それをレポートとして提出させて評価し、個別課題・個別指導を行うことも必要です。
 では、最初の段階であるスキルギャップをどう見るのか。これはシンプルなものです。必要スキルに対して保有スキルがどうなのかを見るとことなのですから。
 教育体系というのは、会社の経営方針や理念のなかから人事制度が作られ、それに規定されている人材要件を基底にしてベース部分は作られるべきだと思います。これは「べき論」のところです。わが社のこの階層の人間は何ができなければいけないかを決めるというものです。そのうえで現状の育成課題を考えて、基底の上に乗せるということです。

自己分析で自分を見直すツールにもなる

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