大企業は自社ホームページでインターン募集

ここからは、2025年卒採用に向けたインターンシップについての結果を紹介します。まずは、インターンシップの実施状況ですが、全体では「前年は実施していないが、今年は実施する」が5%、「前年同様に実施する」が58%と、合わせて63%の企業が「実施する」(以下同じ)と回答しています[図表10]。従業員規模別に見てみると、大企業では「実施する」が83%、中堅企業では72%といずれも7割を超えるのに対して、中小企業では44%と半数を下回っています。「前年は実施したが、今年は実施しない」とする企業も5%あるなど、中小企業ではインターンシップの実施は負担が大きく、積極的になれない企業が多いことが推測されます。
2025年卒採用に向けたインターンシップの実施状況
インターンシップの実施時期では、ピークは「2023年8月」で57%となっており、次いで「2023年9月」45%、「2023年12月」44%、「2024年1月」42%などが多くなっています[図表11]

かつては3月1日の採用広報(会社説明会・エントリー)解禁を直前に控え、駆け込み的に2月に実施する企業が非常に多く、年間を通じてのピークであった時代もありましたが、今回の調査では「2024年2月」は32%にとどまり、「2023年10月」(34%)や「2023年11月」(33%)よりも少なくなっています。3月1日の重みが随分と軽くなってしまった感があります。
2025年卒採用に向けたインターンシップの実施時期
次に、インターンシップの募集方法について見てみると、中堅企業と中小企業では「就職ナビ」とする企業が最も多く、それぞれ73%、61%となっています[図表12]。かつては、大企業においても募集方法で最も多いのは「就職ナビ」でしたが、今回の調査では「就職ナビ」(54%)よりも「自社ホームページ」(62%)のほうが多くなっています。「就職ナビ」が就職情報会社と大学団体との申し合わせで、オープン日・インターンシップ申込日について大学3年の6月1日以降との縛りを受けているのに対して、「自社ホームページ」であれば何の制約を受けることもなく、いつでも募集告知が開始できる点が重要視されているものと推測されます。

もっとも、近年では「就職ナビ」も専用アプリによるインターンシップ募集告知を先行させたり、オープン日自体も5月中にフライングしたりするなど、実質的にはかなり緩い縛りになってきているようではあります。なお、中堅企業においても「自社ホームページ」の活用は57%と6割近くに達しているのに対して、中小企業ではまだその半分に近い32%にとどまり、「就職ナビ」頼みの実態がうかがえます。
インターンシップの募集方法
その他、規模による違いを見てみると、大企業は「大学キャリアセンター」や「大学研究室・ゼミ」といった大学ルートによる告知を積極的に行っていることが分かります。

インターンシップで独自路線を行く中堅企業

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