日本IBMで人事企画部門の部長を経験し、人事データ管理や分析に明るい日本テラデータ株式会社 人事本部 本部長 竹花寛太氏が「HRテクノロジーを活用した、これからの採用」をテーマにした全3回にわたるコラム連載企画となります。

全3回のシリーズでお送りしてきたシリーズの最終回です。前回は採用業務の前半6ステップについて解説とコメントをいたしました。今回は残りの6ステップと未来の採用の落とし穴についても触れ、「HRテクノロジーを活用した、これからの採用を考えてみた件について」述べていきたいと思います。
HRテクノロジーを活用した、これからの採用を考えてみた件について 第3章

引き続き、採用業務の各フェーズにおける留意点とHRテクノロジーの活用について

(7)、エントリーシートやSPI、CVなどによる面接候補者の絞り込みと決定

HRテクノロジーを活用した、これからの採用を考えてみた件について 第3章
エントリーシートやSPI、CVなどはどのように判定していますか?足切りとして軽めの精査だけですか?それとも業務まで想定してガッツリ判定していますか?多くは人力でやっている作業かと思います。突き詰めれば経験と勘の世界です。

ただし、傾向はあると思います。言葉遣いのポジ/ネガ判断、文字数(案外大事ですよ)、大学や部活、など。どこまでの情報をカテゴリ情報や有意な指標として使うか、アナリティクスの出番がプンプンしますね。まずはExcelで十分なので、カテゴリ分けや相関のありそうな指標の可視化から始めていければと。

某有名企業ではこのエントリーシートの1次判定を全てAIに対応させるというチャレンジを行いました。特に足切り判定を中心としてAIに担当させたようなのですが、実際に足切りしたエントリーシートは、全て採用担当者が目を通したとのことです。これには2つの意味があり、AI判定の精度確認と同時に、現場マネージャーからの納得感を得るため、という側面がありました。やはりAIに判定をさせるということの、「納得できるか、腹落ちできるか」という部分はまだ課題ですね。

ただ、AIといっても要は統計分析なので、皆が天気予報を信じているように、何度も繰り返し運用していくことで、AIに対する信頼度を上げていくことは絶対に可能です。そのためにも、AI活用というチャレンジをした場合は是非、継続していっていただきたいです。

一方で、この統計分析という観点には危険な落とし穴もあります。AI活用で相関分析がされている場合は、「女性」や「特定のスキル」といった特定のカテゴリへの重みづけが裏でなされている可能性が高いです。

海外の某有名企業の話です。AIを使ったCVの判定にチャレンジした際に、過去の採用実績とその後の追跡結果から判定ロジックを作り上げていました。その結果、女性が落とされてしまう傾向が出てしまいました。この判定は「差別」に繋がるのではという懸念が生まれ、AI判定の導入を停止したとのことです。

この後、下記のトピックが続きます。
続きは、記事をダウンロードしてご覧ください。
●採用業務の各ステップにおける留意点とHRテクノロジーの活用について
(7)、エントリーシートやSPI、CV等による面接候補者の絞り込みと決定
(8)、面接官手配とマッチング、日程調整
(9)、面接実施
(10)、2次面接等その後に進む面接候補者の決定
(11)、内定者人数と内定者の決定
(12)、内定者へのオファー内容の確定と送付
●HRテクノロジーを活用した、これからの採用を考えてみた件について


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