社会貢献、福利厚生を重視

次は「重視する社会的責任の魅力」です[図表10]です。こちらもトップは文系・理系ともに「事業自体が社会貢献」で、文系32%、理系はさらに多く43%となっています。
重視する社会的責任の魅力
どんな業種であろうと「社会貢献」はしているはずですが、インフラ関連や普段の社会生活の中で身近に感じられる製品・サービスを提供している企業ほど、「社会貢献」が高いと感じているのかもしれません。次いで多いのは、文系・理系ともに「法令遵守の姿勢が強い」で、それぞれ22%、18%と2割前後の学生が選択しています。最も支持率が低かったのが「文化・芸術・スポーツ活動に熱心」で、それぞれ8%、5%にとどまります。

かつて、バブル期には「メセナ」として脚光を浴びていたこれらの活動を評価する学生は少なくなっているようです。また、近年話題となっている「SDGsの取り組みに熱心」を挙げる学生が、「ダイバーシティを推進している」や「地球環境に配慮している」を上回る結果となっています。

“重視するもの”の最後に、「重視する雇用の魅力」を見てみましょう[図表11]。こちらはすべての項目について、文系と理系の割合差がほとんどなく、順位も全く同じという珍しい結果となっています。
重視する雇用の魅力
トップは「福利厚生がしっかりしている」で、どちらも32%を占めています。次いで、「社風・居心地が良い」が、文系で32%(「福利厚生がしっかりしている」とは微差)、理系では26%となっています。「多様な働き方ができる」は文系、理系ともに11%にとどまるほか、「教育研修に熱心」もそれぞれ7%、9%にとどまります。「重視する仕事の魅力」では、「スキルが身につく」を2割近い学生が選択していた割には、「教育研修に熱心」を選択する学生はそれほど多くなく、「教育研修」ではなく「仕事」を通じて「スキルが身につく」ものと考えているのではないかと推測されます。

能力面で理系に遅れをとる文系

次に、就職活動でアピールしたい自分の能力について、文系と理系を比較してみましょう。文系・理系ともに「チームで働く力」が最多で、それぞれ50%、49%と半数の学生が選択しています[図表12]。前年の調査でも、文系・理系ともに53%でトップでしたので、大きな変化はないです。
就職活動でアピールしたい自分の能力
今回の2位は文系・理系ともに「コミュニケーション能力」で、それぞれ43%、42%とほぼ同じポイントとなっています。3位以下は、文系と理系で順位やポイントに若干の差はあるものの、ほぼ似たような傾向を示しています。

ただ、そんな中でも、文系と理系を比べた際に、大きなポイント差がついた項目がいくつかあったので、少し見てみましょう。最もポイント差があったのは、「専攻学問の専門知識」で、理系26%に対して文系はわずか6%と20ポイントもの差がついています。次いで「論理的思考力」も、理系37%に対して文系18%と19ポイント差となっています。そのほか、「プログラミングスキル」12ポイント差、「データ解析能力」9ポイント差、「基礎的な学力」8ポイント差、「考え抜く力」7ポイント差など、いずれも理系のほうが高くなっています。

「プログラミングスキル」は仕方ないとしても、その他の項目の差は問題です。「データ解析能力」も最近では文系・理系問わず、ビジネスに欠くことのできない重要な能力であるとしてリスキリングする企業も増えています。大学教育の見直しももちろん必要ですが、すぐに変わることは期待できず、まずは企業自身で改善の方策を検討する必要がありそうです。

断トツの認知度を誇る「SDGs」

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