志望職種に求められる能力・スキルを7割以上が理解

次に、「志望する企業の対象職種に求められる能力やスキルについて、理解できていると思うか」を聞いたところ、文系・理系ともに「ある程度理解している」が最多で、それぞれ56%、58%と6割近くに及びます[図表6]
志望する職種に求められる能力・スキルの理解度
「十分に理解している」とする学生は、文系の14%に対して理系は25%と4分の1もあり、自身の専攻と連動した職種を志向する学生の割合が多い理系のほうが、職種理解が進んでいるようです。「ある程度理解している」と「十分に理解している」を合計した「理解している派」は、文系で70%、理系では83%と8割を超えます。「あまり理解していない」と「全く理解していない」を合計した「理解していない派」は、文系で11%、理系ではわずか4%にとどまり、ジョブ型採用を実施している企業はまだ少数ではあるものの、志望職種までを考えて就職活動をしている学生が多いことをうかがわせます。

次に、「志望する企業の対象職種に求められる具体的な能力やスキルについて、どの立場からの説明を得たいと最も思うか」を聞いた結果が[図表7]です。最も多かったのは、理系で28%、文系では36%もの学生が選んだ「人事担当者からの説明」で、次いで「対象職種の担当社員からの説明」(文系25%、理系27%)という結果になりました。
志望する職種に求められる能力・スキルを最も説明してほしい相手
「人事担当者」よりも「対象職種の担当社員」のほうが詳しい仕事内容も必要な能力やスキルについても説明できると思えますが、幅広い職種を比較しながらフラットに説明ができる人事担当者のほうが望まれているようです。「対象職種の担当社員」と比べて、「対象職種の管理職者からの説明」は、文系4%、理系5%とどちらも極めて少数派となっています。年代が近い担当者からのほうが聞きやすいということもあるでしょうし、昔の話をされても参考にならないとの思いもあるのでしょうか。

職種へのこだわりが強い理系学生

ここからは、就職先を決める際に重視する項目を「仕事」「会社」「社会的責任」「雇用」の四つの観点から見ていきましょう。

まず、「重視する仕事の魅力」です[図表8]。最多は文系・理系ともに「仕事が面白そう」で、それぞれ34%、37%と3分の1以上の学生が選択し、2位以下を引き離しています。
重視する仕事の魅力
2位は文系と理系で意見が分かれ、文系では「勤務地を選べる」が20%(理系11%)、理系では「希望する職種につける」がこちらも20%(文系13%)となっており、3位はどちらも「スキルが身につく」で、それぞれ17%、19%と同程度の割合となっています。文系よりも理系のほうが職種へのこだわりは強くなっていますが、メーカーへ就職する理系は研究所や工場への配属が多く、そうなると勤務地は都市部というよりも郊外になりがちで、あまり勤務地へのこだわりは強くないものと思われます。

次に、「重視する会社の魅力」を見ると、こちらも最多は文系・理系ともに一致しており、「安定している」がそれぞれ42%、31%となっています[図表9]
重視する会社の魅力
志望する企業規模では理系のほうが「大手志向」が強い結果となっていましたが、「安定性」という観点ではそれほど高くはないようです。文系と比べて理系で割合が多かったのは「技術力・サービスが優れている」で、文系の7%に対して理系は22%と3倍にもなっています。職種へのこだわりは、「技術(力)」ともつながっていそうです。一方、「経営者・ビジョンに共感」は文系の19%に対して、理系は8%にとどまり、大きな差が生まれています。「経営者・ビジョン」よりも「技術力」ということなのでしょう。

社会貢献、福利厚生を重視

この記事にリアクションをお願いします!