大手志向が減少した理系

次に、志望する企業規模について見てみましょう。学生に対しては、企業規模の定義を「大手企業=1000人以上、中堅企業=300~1000人未満、中小企業=300人未満」として質問しています。[図表1]で見たように、「楽観派」の割合が高まったことで、志望する企業規模についても大手志向がより強くなるのではと推測していましたが、文系と理系では異なる結果となりました[図表3]
志望する企業規模
文系では、「大手志向」(「絶対大手企業に行きたい」と「できれば大手企業に行きたい」の合計、以下同じ)が前年の47%から5ポイント増えて52%となりましたが、理系の「大手志向」は前年の75%から64%へと11ポイントもの減少となっています。

文系では、「できれば大手企業に行きたい」の割合はほとんど変わらず、「絶対大手企業に行きたい」が6ポイントもの伸びを見せていますが、理系では「絶対大手企業に行きたい」が3ポイント、「できれば大手企業に行きたい」も8ポイントの減少と、どちらも減少しています。その代わりに、「企業規模は問わない」が16%から25%へと9ポイントもの伸びを見せています。

企業の採用意欲は、文系よりも理系のほうが高く、理系において「大手志向」がここまで減少する理由は見当たりません。インターンシップや早期の選考に参加する中で、大手企業以外の企業で気になる企業と巡り会うことのできた学生が多かったのかもしれません。

半数以上が部長以上のポジションを志向

ここからは、今回初めて設定した質問の結果を紹介します。まずは、「将来どのポジションにまで就きたいと思うか」という問いへの回答結果が[図表4]です。よく「管理職になりたくない社員が増えた」という声を耳にしますが、今回の結果を見ると学生はそうでもないようです。
将来就きたいポジション
文系と理系でそれほど大きな差異はなく、「役職には就きたくない」は文系で12%、理系で8%にとどまり、「専門職」(文系7%、理系11%)と合計しても、文系・理系ともに19%で2割未満です。就きたいポジションで最も多かったのは「事業部長・部長」で、文系30%、理系34%と3割を占めます。「社長(起業含む)」と「取締役・執行役員」をも合計した「部長以上」で見ると、文系53%、理系58%と半数を超えます。一般的に理系のほうが、技術志向(現場志向)が強く、管理職になりたがらないという声を聞きますが、今回の結果を見る限り、理系学生のほうが、マネジメント志向が強いといえそうです。

学生時代(あるいは新入社員時代)は、文系・理系ともにマネジメント志向、出世志向があるにもかかわらず、会社での社会人生活を続ける中で徐々にマネジメント志向が弱まっていくものと推測されます。現実の管理職の働く姿を見て、それまで抱いていたイメージとの乖離が大きく、その魅力が失せていくということなのでしょうか。

働き方改革が進む中で、管理職も残業や休日出勤は、かつてと比べれば大幅に減少しているはずです。それにもかかわらず、管理職のイメージを悪くしている原因は何なのか、今一度考える必要がありそうです。

続いて、「自分の持つ専門性をどのように活かして働きたいと思うか」という問いへの回答結果が[図表5]です。グラフは、文系の結果で降順に表示していますが、文系と理系では明らかに意識が違うことが見て取れます。
専門性の活かし方
文系で最多は「専門性や文系・理系の特徴を活かしたいと思わない」で31%と3割を占めますが、理系ではわずか9%にとどまります。理系で最多だったのは「学部や大学院での授業で培った知識を活かしたい」で40%(文系26%)に及び、次いで「研究活動で培った知識や経験を概ねそのまま活かしたい」が24%(同10%)となっています。文系と理系で唯一、割合が近かったのは「専門性ではなく、これまでに培ったPCスキルや論理的思考力などを活かしたい」で、文系15%、理系17%という結果でした。大学で学んだ学問としての専門性ではないスキル・能力を活かしたいという学生が一定数いるということですね。

志望職種に求められる能力・スキルを7割以上が理解

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