直採用100%企業に。サイバーエージェントのリファラル採用成功の秘訣とは

特別読み切り

リファラル採用は自社の社員や社外の人脈を通じて人を紹介、推薦してもらう採用手法のことで、この3〜4年で経営者や人事担当者の間で注目が高まっている。しかし、実際には導入していても、成功に至っている企業はまだ少ない。人口減少で競争が激化する採用市場において、転職の潜在層にもリーチできる方法としてリファラル採用は期待されているが、人事担当者と従業員の双方に時間やノウハウが足りないことが大きな壁となっているようだ。

本セミナーでは、リファラル採用で成果を上げるサイバーエージェントの採用担当者が登壇。リファラル採用成功の秘訣について、現場感のある話が展開された。

リファラル採用を成功させるための重要ポイント

セミナーの冒頭、リファラル採用活性化クラウドツール「Refcome」を提供するリフカムの小山氏から、実際に企業のリファラル採用を支援する中で感じている「リファラル採用成功のための重要ポイント」が紹介された。

リフカムでは、リファラル採用支援の際に、「社員協力率」という指標を掲げているという。リファラル採用成功の鍵は、社員の協力が必要不可欠であり、人事部以外の社員を巻き込む体制構築こそが、リファラル採用を成功に導くと考えられているからだ。

社員協力率を向上させる具体的な策としては、以下の3点が挙げられた。

1.本気度の提示
2.紹介しやすい仕組み作り
3.継続的な情報発信

「社員の協力を仰ぐには、インセンティブを設定するのが有効と短絡的に考えてしまう人も多いが、それでは従業員は動かない」と小山氏は忠告する。従業員に、自分の大切な知人を紹介してもらうためには、「経営陣の本気度を示すことが必要不可欠である」というのだ。経営者がどのような気持ちで採用活動を行っているのか、採用によりどのような会社を作っていきたいのかなどを、メッセージとして従業員に発信することが推奨された。

また、漠然とした内容では従業員も具体的な人物をイメージできないため、欲しい人材を明確にし、数についても明確なKPIを設定して可視化する仕組み作りを提案。さらに、ポスターを作成するなど、オフラインで継続的に情報発信をしていく必要性について触れた。

最後に、リファラル採用を成功させるためには、ツールだけではなく「アナログ活動」が不可欠であることを強調。また、取り組み方に絶対的な答えはなく、企業ごとのカラーや課題に合わせた対策が必要であることを訴えた。

社内広報、新入社員へのオリエンテーション…、サイバーエージェントの取り組み

続いて、リファラル採用のリーディングカンパニーであるサイバーエージェントの採用育成担当者2名から、中途採用領域におけるリファラル採用のポイントが共有された。

サイバーエージェントは、年間数百名規模で中途採用を行っている。その経路は、人材紹介会社が最も多く、リファラル採用はそれに次ぐという。4年前に立ち上げた、グループ全体の中途採用を担う「中途採用チーム」を中心に、営業職、デザイナー職、エンジニア職のリファラル採用が実現しており、そのために日々取り組んでいる具体的施策が紹介された。

リファラル採用の周知活動のための施策では、前出のようなポスター掲示やチラシ配布の他、メール配信や社内報での啓蒙活動が挙げている。

社内報では、「自分のまわりのいいやつ採用」という連載を開始。リファラル採用の紹介者、入社者にそれぞれインタビューし、紹介に至るまでの経緯や応募の動機、選考時の不安、入社後の感想などを赤裸々に紹介。従業員にリファランス採用の具体的イメージを持ってもらえるよう心掛けて記事を作成しているという工夫が語られた。

特徴的な施策として注目すべきは、入社した方への取り組みで、初日のオリエンテーション時に社員紹介制度を紹介しているという。入社時に社員紹介の意識、意欲を植え付けることで、リファラル採用が文化として根付くことを狙っているようだ。
オリエンテーション時には、専用アプリのダウンロードや一覧画面のブックマークなど、具体的なアクションを指示しているほか、定期的にリマインドメールを配信するなど、徹底ぶりが伺えた。


加えて、リファラル採用を成功させるために抑えるべきポイントについて、ツールに依存せずカルチャーを作ることが重要であると改めて強調。社員の採用活動へのモチベーションを向上させるためには、リファラル採用の専任者を配置するメリットも大きいとした。
また、失敗事例の代表として、短期的目標で従業員に圧力をかけるケースを挙げ、注意を促している。

最後に今後、同社が人材紹介会社に頼らない直採用100%企業になるという目標を宣言。リファラル採用の活性化によって企業力が高まり、それが日本経済を強くするとし、「ともに経済強化に貢献しよう」と参加者に訴えた。

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HRプロ編集部

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