「デジタル時代のリーダーシップとは何か」 DDI社の創設者バイアム博士が語る、世界のリーダーシップ開発の最新トレンド

HRプロ編集部取材×注目人事トレンド

2018年3月5日(月)、株式会社マネジメント サービス センター(MSC)と同社のパートナー企業であるDDI社のバイアム博士により、デジタル時代における次世代リーダーシップ開発をテーマとしたラウンドテーブルが開催された。HRプロでは、このセッションの直前に、世界最大級の人材コンサルティング会社、DDI社の創設者であり、HR分野における世界で最も重要な人物の一人として知られるバイアム博士にインタビューを実施、DDI社が行った最新のグローバル調査の結果を交え、日本の企業で人事および経営に携わる人々にとって、これからのビジネスで成功するための指針となる貴重なお話をいただいた。

DDI社の創設、そしてMSC社との出会い

寺澤 本日はインタビューをお受けいただき、ありがとうございます。バイアムさんは世界最大級の人材コンサルティング会社、DDI社の創設者でいらっしゃいます。まずは、日本の人事・経営者の方々にDDI社をご紹介ください。

バイアム 1970年の設立以来、DDI社はリーダーのアセスメントや能力開発を専門としてきました。これらに関するサービスを、現地事務所や提携先を通じ、20カ国以上の言語で世界93カ国に提供しており、年間25万人以上のリーダーシップ開発に携わっています。

寺澤 日本では、長年にわたって株式会社マネジメント サービス センター(MSC)をパートナー企業とされています。両社の関係、これまでの歴史を教えていただけますか。
バイアム MSC社の設立メンバーの一人で、現在は顧問でいらっしゃる梅島みよさんが、1971年、米国企業各社の女性社員教育の状況を視察するために訪米されました。その時に訪問されたAT&T社で梅島さんを迎えたのが、私と一緒にDDI社を創設したブレイ博士でした。ブレイ博士が人材の能力診断手法の一種である「アセスメント・センター」について、その人に管理者としての能力があるかどうか、あいまいで主観的な評価ではなく、行動科学に基づいた客観的な評価を行うものであると説明したところ、梅島さんが「ぜひ日本に来て、日本の企業の方々にそのお話をしてください」とおっしゃったのです。そこで、翌年の1972年、私はブレイ博士と一緒に来日し、MSC社の主催で日本初のアセスメント・セミナーを実施しました。その翌年には、DDI社とMSC社がアセスメント・プログラムについて技術提携を結び、私やブレイ博士が来日してセミナーを行ったり、MSC講師が訪米してDDI社で指導を受けたりといった交流が始まりました。実は、私の来日は今回が43回目です。今日に至るまで、両社は素晴らしいパートナーシップを築いています。

寺澤 梅島さんは、日本における経営・人事コンサルタントのパイオニアとして知られています。MSC社の社長、会長を務められ、日本における女性ビジネス・リーダーの草分け的存在でもあります。最初に梅島さんと会われたころ、どのような印象を持たれましたか。

バイアム 当時から日本で非常に目立ったユニークな方でした。時には、私たちの方がパイオニアである梅島さんをオピニオンリーダーとして追随するような状況もあったと記憶しています。

世界54カ国で、リーダーに関する大規模グローバル調査を実施

寺澤 バイアムさんの最新の著書『Leaders Ready Now』は、日本ではMSC社の協力の下、『次世代リーダーシップ開発』(共著:Matthew J. Paese + Audrey B. Smith + William C. Byham、監訳:株式会社マネジメント サービス センター、藤原浩)として出版されました。実は、ProFutureはこの翻訳書を出版した会社です。この本には、世界93カ国、年間25万人以上のリーダーシップ開発に携わるDDI社のノウハウが凝縮されていますが、執筆動機も含めて、日本の方々にご紹介いただけますか。

バイアム この本では、これからのリーダーの成長を加速するために不可欠な6つのメソッドを提示し、具体的に解説しています。今、世界中の企業を見ていると、リーダーとして誰を昇進させればよいのか、そういう人材を社内から登用できるのかといったことを議論しています。社内にいない場合は、社外から採用しなければなりません。DDIの調査によれば、多くの企業で、自社のリーダーのうち80%は社内から登用すべきであると考えています。しかし、実際には60%を社外から採用しています。なぜなのかと問うと、社内で即戦力となるリーダーがいないという現実があり、将来のビジネスを担う次世代リーダー開発が進んでいないという状況は世界中の企業でみられ、大きな問題です。そこで、この本を書きました。
寺澤 この本のいわば土台となっている調査が、DDI社の実施による「グローバル・リーダーシップ・フォーキャスト」ですね。今回のグローバル・リーダーシップ・フォーキャスト2018では、前回実施時より規模が約2倍に拡大し、世界54カ国、約2,500社の人事担当者、約25,000名のリーダーからデータを得たとお聞きしています。リーダーに関する調査としては世界でも最大規模ではないでしょうか。

バイアム その通りです。今回、日本でも、95社、約1,500名のリーダーからデータを得ることができました。その調査結果ではリーダーシップに関する日本の状況や問題を明らかにする興味深いデータが含まれています。

この後、バイアム博士に、「なぜ、リーダー育成はいまだにCEOの最優先課題なのか」「今、求められているデジタル時代のリーダーシップとは」などについてお伺いします。ダウンロードして全体をお読みください。


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著者プロフィール

Co-Founder & Executive Chairman, DDI William C. Byham, Ph.D.

1970年にDDIを創設。産業組織心理学博士として、世界有数の大手企業の経営陣の診断や能力開発、後継者管理に携わる。
経営陣の後継者管理に関する成果は、多くの出版物に取り上げられている。権限委譲を取りあげた画期的な著書『Zapp! TheLightning of Empowerment』は、1988年の発刊以来300万部以上を売り上げている。その他23冊の共著書の中にはアセスメント・センター方式に関する画期的なものもあり、経営陣の選抜と能力開発ニーズ診断の手法としてのアセスメント・センターの有効性を確立した。

著者プロフィール

ProFuture代表 HR総研所長 寺澤 康介

1986年文化放送ブレーン入社。2001年文化放送キャリアパートナーズを共同設立。常務取締役を経て、07年採用プロドットコム株式会社(10年にHRプロ株式会社、15年にProFuture株式会社に社名変更)設立、代表取締役社長に就任。2012年、HR総研所長に就任。
著書に『みんなで変える日本の新卒採用・就職』『経営と人事 対話のすすめ』、編著に『経営を変える、攻めの人事へ』(いずれもProFutureより出版)などがある。

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