HRプロ編集部取材×注目人事トレンド「デジタル時代のリーダーシップとは何か」DDI社の創設者バイアム博士が語る、世界のリーダーシップ開発の最新トレンド | 採用、育成・研修、労務・人事に関する情報ならHRプロ

人事にプロのサポートを―新卒採用、中途採用、人材育成、研修、人材マネジメント、労務、人事システム、適性検査ならHRプロ

  • 第3回HRテクノロジー大賞<締切2018.6.14>
HRプロ編集部取材×注目人事トレンド

「デジタル時代のリーダーシップとは何か」 DDI社の創設者バイアム博士が語る、世界のリーダーシップ開発の最新トレンド

Co-Founder & Executive Chairman, DDI William C. Byham, Ph.D.
ProFuture代表 HR総研所長 寺澤 康介
2018/04/13

2018年3月5日(月)、株式会社マネジメント サービス センター(MSC)と同社のパートナー企業であるDDI社のバイアム博士により、デジタル時代における次世代リーダーシップ開発をテーマとしたラウンドテーブルが開催された。HRプロでは、このセッションの直前に、世界最大級の人材コンサルティング会社、DDI社の創設者であり、HR分野における世界で最も重要な人物の一人として知られるバイアム博士にインタビューを実施、DDI社が行った最新のグローバル調査の結果を交え、日本の企業で人事および経営に携わる人々にとって、これからのビジネスで成功するための指針となる貴重なお話をいただいた。

DDI社の創設、そしてMSC社との出会い

寺澤 本日はインタビューをお受けいただき、ありがとうございます。バイアムさんは世界最大級の人材コンサルティング会社、DDI社の創設者でいらっしゃいます。まずは、日本の人事・経営者の方々にDDI社をご紹介ください。

バイアム 1970年の設立以来、DDI社はリーダーのアセスメントや能力開発を専門としてきました。これらに関するサービスを、現地事務所や提携先を通じ、20カ国以上の言語で世界93カ国に提供しており、年間25万人以上のリーダーシップ開発に携わっています。

寺澤 日本では、長年にわたって株式会社マネジメント サービス センター(MSC)をパートナー企業とされています。両社の関係、これまでの歴史を教えていただけますか。
バイアム MSC社の設立メンバーの一人で、現在は顧問でいらっしゃる梅島みよさんが、1971年、米国企業各社の女性社員教育の状況を視察するために訪米されました。その時に訪問されたAT&T社で梅島さんを迎えたのが、私と一緒にDDI社を創設したブレイ博士でした。ブレイ博士が人材の能力診断手法の一種である「アセスメント・センター」について、その人に管理者としての能力があるかどうか、あいまいで主観的な評価ではなく、行動科学に基づいた客観的な評価を行うものであると説明したところ、梅島さんが「ぜひ日本に来て、日本の企業の方々にそのお話をしてください」とおっしゃったのです。そこで、翌年の1972年、私はブレイ博士と一緒に来日し、MSC社の主催で日本初のアセスメント・セミナーを実施しました。その翌年には、DDI社とMSC社がアセスメント・プログラムについて技術提携を結び、私やブレイ博士が来日してセミナーを行ったり、MSC講師が訪米してDDI社で指導を受けたりといった交流が始まりました。実は、私の来日は今回が43回目です。今日に至るまで、両社は素晴らしいパートナーシップを築いています。

寺澤 梅島さんは、日本における経営・人事コンサルタントのパイオニアとして知られています。MSC社の社長、会長を務められ、日本における女性ビジネス・リーダーの草分け的存在でもあります。最初に梅島さんと会われたころ、どのような印象を持たれましたか。

バイアム 当時から日本で非常に目立ったユニークな方でした。時には、私たちの方がパイオニアである梅島さんをオピニオンリーダーとして追随するような状況もあったと記憶しています。

世界54カ国で、リーダーに関する大規模グローバル調査を実施

寺澤 バイアムさんの最新の著書『Leaders Ready Now』は、日本ではMSC社の協力の下、『次世代リーダーシップ開発』(共著:Matthew J. Paese + Audrey B. Smith + William C. Byham、監訳:株式会社マネジメント サービス センター、藤原浩)として出版されました。実は、ProFutureはこの翻訳書を出版した会社です。この本には、世界93カ国、年間25万人以上のリーダーシップ開発に携わるDDI社のノウハウが凝縮されていますが、執筆動機も含めて、日本の方々にご紹介いただけますか。

バイアム この本では、これからのリーダーの成長を加速するために不可欠な6つのメソッドを提示し、具体的に解説しています。今、世界中の企業を見ていると、リーダーとして誰を昇進させればよいのか、そういう人材を社内から登用できるのかといったことを議論しています。社内にいない場合は、社外から採用しなければなりません。DDIの調査によれば、多くの企業で、自社のリーダーのうち80%は社内から登用すべきであると考えています。しかし、実際には60%を社外から採用しています。なぜなのかと問うと、社内で即戦力となるリーダーがいないという現実があり、将来のビジネスを担う次世代リーダー開発が進んでいないという状況は世界中の企業でみられ、大きな問題です。そこで、この本を書きました。
寺澤 この本のいわば土台となっている調査が、DDI社の実施による「グローバル・リーダーシップ・フォーキャスト」ですね。今回のグローバル・リーダーシップ・フォーキャスト2018では、前回実施時より規模が約2倍に拡大し、世界54カ国、約2,500社の人事担当者、約25,000名のリーダーからデータを得たとお聞きしています。リーダーに関する調査としては世界でも最大規模ではないでしょうか。

バイアム その通りです。今回、日本でも、95社、約1,500名のリーダーからデータを得ることができました。その調査結果ではリーダーシップに関する日本の状況や問題を明らかにする興味深いデータが含まれています。

この後、バイアム博士に、「なぜ、リーダー育成はいまだにCEOの最優先課題なのか」「今、求められているデジタル時代のリーダーシップとは」などについてお伺いします。ダウンロードして全体をお読みください。


  • 1

プロフィール

Co-Founder & Executive Chairman, DDI William C. Byham, Ph.D.

1970年にDDIを創設。産業組織心理学博士として、世界有数の大手企業の経営陣の診断や能力開発、後継者管理に携わる。
経営陣の後継者管理に関する成果は、多くの出版物に取り上げられている。権限委譲を取りあげた画期的な著書『Zapp! TheLightning of Empowerment』は、1988年の発刊以来300万部以上を売り上げている。その他23冊の共著書の中にはアセスメント・センター方式に関する画期的なものもあり、経営陣の選抜と能力開発ニーズ診断の手法としてのアセスメント・センターの有効性を確立した。

プロフィール

ProFuture代表 HR総研所長 寺澤 康介

1986年慶應義塾大学文学部卒業。就職情報会社に入社後、企画制作部長などを経て、2001年文化放送キャリアパートナーズを共同設立。常務取締役などを経て、2007年採用プロドットコム(現社名=HRプロ)を設立、代表取締役社長に就任、現在に至る。約25年間、大企業から中堅・中小企業まで幅広く採用、人事関連のコンサルティングを行ってきた。現在はHRプロ代表とともにHR総合調査研究所所長を兼任し、人事領域全般を対象にした調査、研究を実施している。
HRプロは人事担当者のポータルサイトとして約8千社、1万4千人の会員(2012年3月現在)を持ち、採用、人材育成、人事労務など、人事関連の最新情報を提供している。

<執筆、出演、記事掲載メディア等>
「週刊東洋経済」「東洋経済オンライン」「日経ビジネス」「日経アソシエ」「労政時報」「企業と人材」「人材教育」「人事マネジメント」「企業実務」「NHK(テレビ、ラジオ)」「朝日新聞」「読売新聞」 「日本経済新聞」「産経新聞」「文春」「アエラ」「サンデー毎日」など

※『採用担当者のための最新情報&実務チェックポイント』は、WEB労政時報に寄稿した原稿を約2週間遅れで転載しておりますので、内容的に時差が生じる場合があります。ご了承ください。
WEB労政時報体験版はこちら

関連リンク

  • 「プロ・リクルーター」が変える日本の採用の未来

    第4回「プロ・リクルーター」に求められる能力と「プロ・リクルーター」を活かす組織とは

    有効求人倍率が1.52倍(2017年8月厚生労働省)と発表され、バブル期を超える求人難となっている昨今。激化する人材獲得競争を勝ち抜くための一つの手段として注目されているのが「プロ・リクルーター」の活用。変化し続ける採用市場において、自社の採用を成功に導く専門職「プロ・リクルーター」の役割とは何なのか。また、「プロ・リクルーター」の導入を成功させるためには何が必要なのか。人材の「採用」に関する科学的アプローチである「採用学」を確立された横浜国立大学大学院の服部泰宏教授と、これまで数多くの企業における人事・採用支援サービスを行ってきた株式会社ビズリーチの取締役、多田洋祐氏に対談いただき、「プロ・リクルーター」のミッションについて、また「プロ・リクルーター」が活躍できる企業の受け入れ態勢について掘り下げていただきました。

  • 「プロ・リクルーター」が変える日本の採用の未来

    第2回 プロ・リクルーターによる採用変革が日系企業で加速「ダイレクト・リクルーティング・アワード2016」

    即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」を運営する株式会社ビズリーチでは、2016年11月21日(月)、「ダイレクト・リクルーティング・アワード2016」の表彰式を開催しました。企業が主体的・能動的に求職者へのアプローチを行う採用手法、ダイレクト・リクルーティングに積極的に取り組む企業を表彰する同アワードでは、これまで外資系企業やベンチャー企業が受賞企業に名を連ねていましたが、第3回となる今年は、日系大手企業も多数受賞。また、ダイレクト・リクルーティングを推進する採用スペシャリストを対象とした「プロ・リクルーター賞」が新設されました。激化する人材獲得競争の中、企業間に広がってきたダイレクト・リクルーティングとプロ・リクルーターの“今”が見えてくる、同アワードの詳細をレポートします。

  • これからの採用を変える「採用マーケティング」

    第3回 攻めの採用を国内・海外で展開する楽天

    激化する人材獲得競争に勝ち抜くため、先進的な採用戦略を推進する多くの海外企業が取り入れている「採用マーケティング」。日本企業の中でも、消費者マーケティングの考え方を採用に応用する採用マーケティングを実践し、攻めの採用を積極的に行っているのが、インターネットサービスを中心に多様な事業をグローバルに展開する楽天です。

    注目されるこれからの採用手法、採用マーケティングを掘り下げてきた3回シリーズ最終回の今回は、即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」や若手向けレコメンド型転職サイト「キャリアトレック」を運営する株式会社ビズリーチの執行役員、関哲氏をインタビュアーとして、楽天株式会社のグローバル人事部採用推進課アシスタントマネージャー、田平和之氏にお話を伺いました。

  • 「プロ・リクルーター」が変える日本の採用の未来

    第1回 キャリア採用市場で「採りたい人材を採る」ために、今、企業に必要なプロ・リクルーターとは

    HR総研が2016年に実施したアンケート調査によると、企業の人的資源管理における課題のトップは「キャリア採用・中途採用」。しかも、昨今の求人倍率はリーマン・ショック以前の数字を超えており、どの企業にとっても採用の困難さは増してきています。では、変化し続ける採用市場で、企業は人材獲得競争にどのように打ち勝っていけばよいのでしょうか。その切り札として期待される施策の一つが、自社の採用を成功に導く専門職、「プロ・リクルーター」の養成、強化です。

    これからの企業の採用力強化について考える6回シリーズの第1回となる今回は、企業の組織・人事の専門家である慶應義塾大学大学院の小杉俊哉特任教授と、多くの企業に各種人事・採用支援サービスを提供している株式会社ビズリーチの取締役、多田洋祐氏にご対談いただき、「採りたい人を採るための採用」に向け、企業には何が求められるのかを掘り下げていただきました。

  • これからの採用を変える「採用マーケティング」

    第2回 求職者=お客様と捉える「採用マーケティング」がもたらす効果

    人材獲得競争が激しさを増す中、これからの採用手法として海外で注目を集め、日本でも取り組む企業が現れ始めているのが「採用マーケティング」です。

    オンラインでの口コミの影響など、インターネットの普及が消費者の行動を変えたように、就職・転職を考える人々の行動もかつてとは様変わりしています。進化してきた最近の消費者マーケティングの考え方やプロセスを採用に応用することは、その変化への有効な対応策の一つとなります。

    3回シリーズの第2回となる今回は、採用マーケティングの考え方やプロセスについて、即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」や20代のためのレコメンド型転職サイト「careertrek(キャリアトレック)」を運営する株式会社ビズリーチのキャリアトレック事業本部マーケティング部部長、青山弘幸氏に伺います。

  • HRプロ 寺澤康介が斬り込む キーパーソン・インタビューシリーズ

    成果を上げる組織づくりのプロが語る「今のメンバーで飛躍的に成果を出す組織変革メソッド」

    業績が上がらず、「組織に問題はないのか」と経営から対処を求められているものの、本当に実効性がある打ち手が見つからないという人事の方々は少なくないようです。そんな中で、これまでに導入した企業のほぼすべてが業績を伸ばし、「半年で経常利益約280%増」、「1年で累損が数億円圧縮」といった結果を出しているのが、株式会社Kronikaの提供するタレントフォーカス(Talent Focus)。「成果を上げる組織づくりのプロ」として800社以上の企業に関わってきた同社の代表取締役、星山裕子氏に、日本企業の組織が抱える課題や、その実効的な解決策について、ProFuture代表の寺澤康介がお聞きしました。