ProFuture代表の寺澤です。
今回は、6月19~26日に楽天「みん就」(7月1日に「みんなの就職活動日記」から改称)会員を対象に実施した「2018年新卒就職活動動向調査」の結果をもとに、学生側の状況を過去のデータとも比較しながら見ていきたいと思います。

※「みん就」会員は、早期からの活動を志向するなど、一般の就職ナビ会員と比較して就職意識の高い学生の割合が多く、内定率の数値は他の就職ナビ調査よりも高めに出る傾向がありますのでご承知置きください。
第77回 内定率の大学格差減少 ―― 「4月面接解禁」時代ほどの格差なく

今年も内定率の大学格差は減少

まずは、6月末時点での内定社数を文系、理系別に見てみましょう。[図表1]は、文系学生の内定社数を大学クラス別に比較したデータです。「0社」の学生、すなわち未内定学生は、「旧帝大クラス」と「早慶クラス」でわずか9%、「中堅私大クラス」「その他私立大学」でも22%と、その差は最大でも13ポイントしかありません。「2社以上」の内定を保有している学生の割合では、「1社」の割合が高い「旧帝大クラス」が48%に対して、「その他私立大学」が44%で、その差はわずか4ポイントしかありません。
第77回 内定率の大学格差減少 ―― 「4月面接解禁」時代ほどの格差なく
「旧帝大クラス」で「1社」の割合が高いのは、北海道大、東北大、名古屋大、九州大などの地方大学の比率が高いことが理由として挙げられます。地方在住の学生の就職活動量は、首都圏や近畿圏の大学の学生と比較して、地理的・時間的制約からどうしても少なめになりがちであり、さらに1社の内定をもらうとその時点で就活を終える学生が多いようにみられます。内定率だけを比べれば、「旧帝大クラス」と「早慶クラス」はともに91%ですが、「2社以上」の内定保有率では、「旧帝大クラス」の48%に対して、「早慶クラス」では63%と15ポイントもの差がついています。

続いて理系の内定社数を大学クラス別に比較したデータを見てみましょう[図表2]。理系では、「その他私立大学」の未内定率が9%と低いのに対して、「中堅私大クラス」が20%と高くなっています。自由応募での大手企業狙いに失敗した学生が、他のクラスよりも多かったのではないかと思われます。最も未内定者が少ないのは「上位私大クラス」で、すでにわずか4%という結果になっています。
第77回 内定率の大学格差減少 ―― 「4月面接解禁」時代ほどの格差なく
文系と違って、「旧帝大クラス」の未内定は6%と低いものの、「早慶クラス」は10%となっており、「その他私立大学」よりも未内定率が高くなっています。学部生だけでなく大学院生の就活生が多いことや、推薦応募制度の利用など、文系とは異なる就職活動となっていることがこの違いを生み出す一因にもなっています。国公立大の内定社数で「1社」の割合が高いのは、私立大と比較して推薦応募利用者が多いためと推測されます。

4月面接解禁時代には大学格差は歴然

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