ビジネスコンセプトづくりを体験、イノベーションを促す手立て

イノベーションを生み出す人材を育成する異業種交流研修
次に、ワークショップ2日目の説明に移っていく。各グループの扱うテーマの中から、自らが取り組みたいテーマを主体的に選び、実際にビジネスプラン・コンセプトづくりを行うのが、ワークショップ2日目のプログラムだ。

ビジネスプランニングのワークショップでは、「10年間で実現可能性のあるレベルにする」ことが前提条件として課せられている。現実離れした夢物語ではなく、かといってスケールが小さくなり過ぎるレベルのものは好ましくない。ほんとうに実現できるかわからないが、10年以内に実現できそうなものでなければならないのだ。

メンバー同士の話し合いは「ブレインライティング」と呼ばれる方法で行う。これはブレインストーミングを紙の上で行うことであるが、ブレインライティングシートと呼ばれるシートに各チームでテーマを設定し、でてきたアイデアや話し合った内容について書き込んでいく。

ファシリテーターより、実際の企業で実際に行われているイノベーションのモデル事例の紹介があった後に、参加者たちも「自動車」をテーマに実際に新しいものを生み出す発想にチャレンジした。

参加者からは、「折り畳み自動車」「週刊で発行される冊子のように、部品を毎週買うようにする」「『運命の〇〇』と称して、婚活者限定で使用できるものにする」など、おもしろいアイデアが飛び出し、セミナーは盛り上がりを見せた。

ビジネスコンセプトづくりの体験終了後、ファシリテーターからこの後の実際の流れについて説明があり、最後に「一緒にワークショップに取り組んだ、この縁を切らさないことが参加者にとって宝になります。そのため、ワークショップの最後には参加者同士で何かやり取りをすることを最低1つでも決めて帰ってください。ワークショップ後も交流を続けることが、ビジネスパーソンとしてすごくプラスになることだと思います」と締めくくられ、体験セミナーは終了した。

見ず知らずの異業種の人間同士がひとつの会場に集まり、時間をかけてひとつのビジネスプランを作り上げて発表する。他社の人間と濃密な時間を過ごす中で、他社の考えに触れることもでき、また、自分自身が気づかなかった自分自身や自分の会社についても改めて見つめなおすことができる。他者とのリアルな関わりが少なくなった現代では、こうしたやり方が斬新なアイデアを生み出し、イノベーションを促すのに有効な手段となるだろう。

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