“異業種交流研修”だからこそ得られる学びとは

異業種交流研修は、変化の激しい時代に活躍できる人材を育成するのに非常に効果的な手段であると考えられる。異業種交流ならではの学びとは、次の3つであるという。

まず、異なる会社のメンバーが集まっていろんなことを議論したり課題に取り組んでいく中で、異なる業界を知ったり、思いもよらなかった観点からものを見たり、自分ひとりでは思いつかない発想に触れたりすることができることだ。

2つめは、他社からフィードバックや意見をもらうことで、自分自身が気づいていなかった自社の強みやいいところを客観的に見ることができることだ。「うちの会社ってこういうところが強みなんだ」「こういうところをいかしていけばいいのかな」と自分自身の発見にもつながる。

3つめは、異業種交流研修で与えられた課題について、いろいろな会社のメンバーと仮説を作り、それを検証するためのセッションを体感できるという点だ。多くの「とにかくやってみる」体験を行うことで、仮説を作って検証し、それによって学び・成長につなげる力を養っていけるのである。

ワールドカフェ方式での対話を体験~実際のワークショップ体験へ

イノベーションを生み出す人材を育成する異業種交流研修
冒頭のオリエンテーション後は実際のワークショップ体験へ移り、まずは参加者同士で自己紹介をすることからスタートした。自分の社名と名前のほか、「自社はこんな人が多い」「自社でやっているおもしろいこと」について各自A3用紙に記入し、それぞれ発表した。

自社に多い人間のタイプとしては「まじめ」「おとなしい」という意見が多数を占めた一方で、「自社でやっているおもしろいこと」については、毎朝ラジオ体操をやる、テニス大会がある、月曜の朝一番に会社の重役が門の前に並んで社員にあいさつをする、地域の人を招いてもちつき大会やビアパーティーを行うなど、バラエティーに富んだ話題が飛び出し、場を和ませた。

次に、「R&D担当者としての思い」をテーマに、ワールドカフェ方式による話し合いが行われた。これは、4人がひとつのチームとなり、模造紙に意見や考えを書き込みながら20分間ざっくばらんに対話をするものである。20分後、チームの1人を残し、残りの3人は別のチームに移動し、またそこで話をする。これを合計4回繰り返すのである。

「安心・リラックス・楽しい」をモットーに、相手の意見を否定せず最後まで聞く、スピーカーと向かい合っている人が模造紙に書く、とにかくたくさん書いていく、話しすぎに注意などのルールのもと、ワークショップは進んでいく。実際にやってみると、参加者はファシリテーターの指示に従いながら和気あいあいと取り組んでいた。このワールドカフェが終了後、立食パーティーとなった。

ビジネスコンセプトづくりを体験、イノベーションを促す...

この記事にリアクションをお願いします!