リベラルアーツとは、一般的に「教養」と訳されることも多いですが、直訳すると「自由な技法」という意味です。

本来このリベラルアーツは「人間を束縛から解放するための知識や生きるための力を身に付けるための手法」とされており、その起源は古代ギリシャにて、専門的な学問を学ぶ準備として身につける必要のあるものとみなされた「自由7科」にあります。

7科とは、文法、修辞、論理、算術、幾何、天文、音楽のことを指します。中世となり、ヨーロッパに大学が生まれると、専門的な学問に入る前に学ぶものとして、この「自由7科」が採り入れられました。

最近、研修のなかにリベラルアーツを盛り込む企業が増えています。具体的には、歴史、思想、哲学など幅広い分野の本を読み、それについて話し合ったり、内容をまとめたレポートを提出させたりするといったものです。

現代のビジネス社会では、業務の細分化・専門家・高度化が進んでいます。それに伴い、高度な専門知識や専門スキルを身につける研修が欠かせないものとなっているのは言うまでもありません。

しかしそれだけでは専門分野に偏った人材になる危険性があります。また、その専門分野においても、広い視点や多様な考え方が問題の解決に役立つことが多々あります。

現代のビジネス社会においてリベラルアーツとは、“専門”という束縛から、人を自由にする学問といえるのかも知れません。