光トポグラフィー検査

「光トポグラフィー検査」とは、これまで長きにわたって問診のみで診断されてきたうつ病を、脳の状態を測定し、数値で診断することを可能にした先進医療技術です。2009年より厚生労働省から先進医療の承認を受け、2014年4月からは「抑うつ症状の鑑別診断の補助に使用するもの」として、保険診療で光トポグラフィー検査を受けられるようになりました。ただし、施設基準が厳格なため、光トポグラフィー検査を実施している医療機関はまだ少なく、2017年8月現在、全国で20施設ほどとなっています。

光トポグラフィー検査では、光トポグラフィー装置を用いて、脳活動に伴う大脳皮質の血中ヘモグロビン濃度変化を測定します。近赤外光を使用し、前頭葉の血流量の変化パターンをグラフ化しますが、健常者か、うつ病か、また統合失調症などほかの精神疾患かによって特有の変化パターンがあるため、客観的に判断することができます。

検査は簡単で、光トポグラフィー装置を被験者の頭部に装着し、簡単な質問を行うだけです。被験者が回答を考えているときと、答えているときに、大脳の血液量がどのように、どれくらいまで増加してくるのかをグラフの波形で見える化する仕組みです。身体に害のない近赤外光を使用するため、特記すべき副作用、危険性がなく、安全性が広く認められている検査であることも特徴です。

光トポグラフィー検査はあくまでも医師による診断補助の検査であり、適確な診断を行うためには十分な問診が必要とされます。しかし、問診だけに頼るのではなく、数値の裏付けがある診断をできるようになったことは、近年、多くの企業でうつ病などのメンタルヘルス不調により欠勤や休職に至る社員が増えているといわれる中、ひとつの朗報といえます。

例えば、うつ病による休職者を職場に復帰させるタイミングは非常に難しく、従来の問診だけによる診断では、本人が「もう治っている」と言えば、実際は治っていなくても復帰させるしかなく、無理をして症状を悪化させてしまうケースがありがちでした。数値に基づく診断で職場復帰のベストなタイミングを判断すれば、うつ病による休職から退職に至ってしまう社員を減らす一助となるかもしれません。

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