「リファラル(referral)」は紹介、推薦を意味する英語。「リファラルリクルーティング」とは、自社の社員や社外の人脈を通じて人を紹介、推薦してもらう採用手法のことで、社員紹介採用などと訳されています。

日本でも、最近、取り組みを始める企業の動きが目立っていますが、アメリカでは8割ほどの企業がリファラルリクルーティングで人材を採用しているといわれ、メインの採用手法として定着しています。

リファラルリクルーティングには、従来のように求人サイトや人材紹介会社を利用する場合に比べ、求人広告の掲載料や紹介手数料が不要となるため、採用コスト削減を図れるメリットがあります。特に求人数の多い企業になればなるほど、リファラルリクルーティングに切り替えることで圧倒的な採用コスト削減を実現しているケースが多く見られます。

さらに、その企業の社風や職場の仕事内容、求めている人材像、また、その企業で働く魅力といったことをよく理解している社員に候補者を紹介、推薦してもらうため、よりマッチングの精度が高くなり、無駄な書類選考や面接を行う時間のロスが省ける上、入社後の定着率が高くなることも期待できます。

しかし日本では、採用担当者が意欲的であっても、こうした文化がまだ根付いておらず、社員になかなか友人・知人を紹介してもらえないという課題を持つ企業もあるようです。紹介のハードルを下げるためには、リファラルリクルーティングを行っていることやその重要性について社内で広く告知したり、紹介する際に書き入れてもらうフォームをわかりやすくシンプルなものにするといった工夫も必要です。紹介時や採用決定時には、一定のインセンティブを提供している企業もあります。

ダイレクトリクルーティングを行う企業では、候補者に社内の雰囲気を知ってもらう機会として、カジュアルな雰囲気のオープンハウス(説明会)などのイベントがよく開催されています。リファラルリクルーティングにおいても、こうしたイベントは、社員が友人・知人に自分の会社を紹介してみようかと考える一つのきっかけになるでしょう。