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研修だけでなく採用活動にも広がる、人事におけるVR技術の活用

HRプロ編集部
2018/02/05

エンターテイメント分野を中心に活用が進むVR(Virtual Reality)技術が、人事の現場にも進出しつつある。これまでVRは、危険を伴う職種などにおいて実際の仕事の内容や危険な場面を体験できる研修の場でのみ使われていた。しかし最近は、VRで行える研修が多様化しているだけでなく、VRを使って企業訪問やオフィス見学をできるサービスの提供が始まるなど、採用活動にもVRの技術が取り入れられるようになっている。
2017年10月、自社メディアの制作・運営を手掛ける株式会社Pooka.(プーカ)は、人材教育特化型のVR教育ソリューション「eVR(エバー)」のオーダーメイドでの提供を開始することを発表。これにより、危険を体感する安全教育だけではなく、新人教育や営業研修など日常的な研修の場面で、360度VR動画をメインとした「体感できる eラーニング」が実現することになった。

同社は、既存の企業内教育において、約90%の企業が「OJT(On Job Training)」を導入しながらも、指導する社員の時間や能力不足により十分な機能が果たせていない現状に対し、このようなVR技術を活用することで、より効果の高い学習カリキュラムを提供できるとしている。コンテンツは一度制作すれば反復活用することができ、全国各地で展開することも容易になるため、教育におけるトータルコストの大幅削減にも繋がりそうだ。

また2018年1月には、人材派遣の大手 株式会社パソナが、同業種のキャプラン株式会社、さらにはVRの開発・運営を手掛ける株式会社Synamonとともに、VR技術を活用した仮想空間内で日本流の「おもてなし」を学ぶ『VRおもてなし研修』を共同開発したことを発表した。

これは、訪日観光客への接遇機会が生じる「インフォメーションセンター」「店内」「ホテル」「レストラン」の4つの代表的な場面を設定し、受講者が仮想空間内で講師と多言語を用いながら、日本流の接遇サービスを学習することができるシステムだ。

研修会場は仮想空間なので、ヘッドマウントディスプレイと通信環境さえあれば受講することができ、基礎的なやり取りから様々な応用シーンまで、受講者はレベルと習熟度合いに応じて双方向コミュニケーションを行いながらプログラムを進めていくことができるようになっている。

これら研修場面でのVR活用に加え、採用の現場では、2017年8月に、ITインフラ構築の豊田ハイシステム株式会社と、ゲーム・メディア事業を展開するグリー株式会社の協業により、新卒採用活動における学生向けの企業プロモーション用VR映像を制作するサービス「VRオフィス見学」の提供が始まっている。

これは、就職活動解禁時期の見直しにより、学生に会社のことを深く理解してもらう期間が短くなっている中、VR特有の臨場感で企業を紹介することで、企業と学生の相互理解を深め、学生の入社意欲を醸成することが目的だ。制作した映像は、全国の大学生限定無料カフェ「知るカフェ」に、VR閲覧機器とともに常設されるだけでなく、YouTubeやSNS、企業ホームページなどで公開することもできる。

2017年11月には、“東京にこだわらない働き方”を支援する「TEAM OFF TOKYO」が主催する就活イベント「OFF TOKYO MEETUP2017」において、株式会社NTTドコモが研究開発するVRライブ配信を利用し、遠隔地のオフィスをVR映像でライブ配信する「リアルタイムVR企業訪問」の実証実験が、国内で初めて行われた。

今後これが実用化されれば、遠隔地への就職・転職活動における会社訪問が、現地に行かずとも可能となるだけでなく、遠隔での採用面接などへの展開も期待できる。

以上のように、昨年の夏以降、研修や採用活動へのVR技術導入は確実に進んでいる。社会、経済の変化が激しい現代で、これらの技術をうまく取り入れられるかどうかが、変革を進める鍵の一つとなるだろう。

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