エンジニアのためのキャリア応援マガジン「fabcross for エンジニア」は、65歳以上の男女2,000人を対象に「シニアの労働観・労働実態」に関する調査を実施した。同社が以前行った調査では、働く意欲があって働けているシニアは現在の生活の満足度は平均76.0点だったのに対し、働きたいが定期的に働けていないシニアの満足度は平均65.9点であった。これを受けて、今回は働きたいシニアがなぜ定期的な仕事に就けていないのか、その理由についてどう考えているのかについて調査した。(アンケート対象:「とても働きたい」「ある程度は働きたい」と考えているが「不定期に働いている」か「働いていない」と答えた65歳以上の男性131人、女性69人)
まず、シニアが働きたくても定期的に働けていない理由として、以前の勤務先との関係について質問したところ、「正社員だったが定年を迎えた」が51.0%にのぼった。続いて、以前の勤務先から継続雇用や契約延長されなかった理由を複数回答可の形式で質問したところ、「当てはまる項目はない」(32.8%)を除くと「職場全体に高齢者雇用に消極的な雰囲気があった」(15.6%)、「自分の健康面に不安があった」(13.1%)、「人事責任者が高齢者雇用に消極的だった」(11.5%)、「業績に問題があり高齢者雇用に消極的だった」(9.8%)となり、企業側の方針・環境などに影響していると感じているシニアが多いことがわかる。
また、「働きたい」と望んでいても定期的に働けていないシニアの再就職事情はどうだろうか。以前の勤務先で働かなくなってからの具体的な求人の応募件数を質問したところ、56.1%が「0件」と就業意欲は高くても希望する求職先がない、あるいは応募自体を躊躇している可能性があることがうかがえる。
一方、応募経験があるシニアに求人応募しても採用されなかった理由について聞いたところ、「人事責任者が高齢者雇用に消極的だった」(31.4%)、「職場全体に高齢者雇用に消極的な雰囲気があった」(18.6%)、「自分の専門的な能力・スキルが評価されなかった」(14.0%)という結果になった。

同調査では求職活動をしたシニアの感想も寄せられており、「高齢者の再就職は考えていたより、ハードルが高いと思った」「年齢がネックになって働けない」「健康上も、能力的にも、また意欲においても人並み以上とおもうが、68歳という年齢では、この国では門戸が実質的に開かれていない」といった年齢の壁に対する声や「持っている資格を有効に生かせる求人数が少ない」「技術は日進月歩であり、古い技術や経験は評価されないと思った」といった自身の持つ専門性とのミスマッチを感じる声が挙っていた。

政府が看板政策に位置づける「人づくり革命」の中でも『多様な高齢者雇用』がテーマの中に組み込まれており、企業側の環境整備・意識改革は今後も進んでいくだろう。その一方で、求職者であるシニア側もこれまでの経験をどのように活かせるのかを考え、学び直しなどの自助努力も必要になってくるのではないだろうか。