

一方、応募経験があるシニアに求人応募しても採用されなかった理由について聞いたところ、「人事責任者が高齢者雇用に消極的だった」(31.4%)、「職場全体に高齢者雇用に消極的な雰囲気があった」(18.6%)、「自分の専門的な能力・スキルが評価されなかった」(14.0%)という結果になった。
同調査では求職活動をしたシニアの感想も寄せられており、「高齢者の再就職は考えていたより、ハードルが高いと思った」「年齢がネックになって働けない」「健康上も、能力的にも、また意欲においても人並み以上とおもうが、68歳という年齢では、この国では門戸が実質的に開かれていない」といった年齢の壁に対する声や「持っている資格を有効に生かせる求人数が少ない」「技術は日進月歩であり、古い技術や経験は評価されないと思った」といった自身の持つ専門性とのミスマッチを感じる声が挙っていた。
政府が看板政策に位置づける「人づくり革命」の中でも『多様な高齢者雇用』がテーマの中に組み込まれており、企業側の環境整備・意識改革は今後も進んでいくだろう。その一方で、求職者であるシニア側もこれまでの経験をどのように活かせるのかを考え、学び直しなどの自助努力も必要になってくるのではないだろうか。