パソナ総合研究所は、新型コロナウイルス感染症対策下での働き方に関する調査を実施し、2020年12月にその結果を発表した。調査期間は同年10月で、対象者は2020年の緊急事態宣言発令中にテレワークを経験した20~60代のビジネスパーソン1,079名となる(対象者は三大都市圏の居住者:東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、愛媛県、大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、奈良県、和歌山県)。これにより、コロナ禍におけるテレワークの実態や新たな課題などが明らかとなった。
テレワーク経験者に訊くコロナ禍での働き方、管理職が感じる課題は「コミュニケーションの欠如」

チームも個人でも、パフォーマンスは「低下」気味

新型コロナウイルス感染症の対策として、テレワークを取り入れた企業も多い。そういった中で、出社勤務とテレワークではパフォーマンスに差があるのだろうか。

はじめに、部下の評定や人事評価を行う管理職に対し、「出社時と比べた、テレワーク時のチームパフォーマンスの変化」を尋ねた。すると、「大きく向上した」が3.7%、「やや向上した」が19.8%と、合計23.5%が「向上した」と回答。一方、「やや低下した」は32.3%、「大きく低下した」は3.2%と、合計35.5%が「低下した」と回答しており、「向上した」を10%以上、上回る結果となった。

上記を年代別に見ると、20代の管理職は「向上した(「大きく向上した」と「やや向上した」の合計)」が49.5%と約半数を占め、「低下した(「大きく低下した」と「やや低下した」の合計)」の22.9%を大きく上回っている。また、30代でも「向上した」の割合が32.4%と比較的高く、若手管理職はテレワーク時のパフォーマンスを評価しているようだ。しかし、50代では「低下した」が45%と年代別で最も多く、若手管理職の評価とは異なる実態が明らかになった。
テレワーク経験者に訊くコロナ禍での働き方、管理職が感じる課題は「コミュニケーションの欠如」
また、「出社時と比べた、在宅勤務時の個人のパフォーマンスの変化」を尋ねたところ、「大きく向上した」が3.6%、「やや向上した」が20%と、合計23.6%が「向上した」と答えた。その反面、「やや低下した」は26.3%、「大きく低下した」は5.9%で合計32.2%となり、「向上した」を8.6ポイント上回った。

年代別に見ると、20代ではチームパフォーマンスの回答結果と同様に「向上した」(38.2%)が「低下した」(27.4%)よりも多い結果となった。
テレワーク経験者に訊くコロナ禍での働き方、管理職が感じる課題は「コミュニケーションの欠如」

テレワークならではの難しさとは。大きな課題は「コミュニケーション」

次に、「チームのパフォーマンスが低下した理由」を尋ねた。すると、全ての年代で最も多かったのは「チーム内のコミュニケーションが低下するから」(66.8%)だった。以下、「各人の業務状況の把握が困難だから」(47.4%)、「各人のモチベーションの維持が困難だから」(37.4%)と続く。
テレワーク経験者に訊くコロナ禍での働き方、管理職が感じる課題は「コミュニケーションの欠如」
また、「個人のパフォーマンスが低下した理由」を尋ねると、「最もあてはまる」としてあがったのは「リモートワーク(テレワーク)に向かない職務だから」で、全体の29.6%が回答。営業職など、テレワークでは成果を上げにくいとされる職務からの声があることが窺える。

評定に関与する管理職の回答では、「上司や同僚とのコミュニケーションが取れないから」が52.6%でトップだった。一方で、評定に関与しないビジネスパーソンのトップは「自宅では業務の集中が困難だから」で46.4%となり、「コミュニケーションが取れないから」は40.1%で3位に留まっている。立場によって、課題認識に相違がある様子が見えた。
テレワーク経験者に訊くコロナ禍での働き方、管理職が感じる課題は「コミュニケーションの欠如」

4割がテレワークは「週の2、3日が良い」と回答

続いて、管理職に「チームとしてパフォーマンスを最適化するための、テレワーク(サテライトオフィス勤務を含む)の適切な頻度」を尋ねた。その結果、「週に2・3日」が41.8%と最も多かった。次いで「週に1日」の24.3%となっており、在宅よりも出社をメインとする働き方に肯定的な人が多いようだ。
テレワーク経験者に訊くコロナ禍での働き方、管理職が感じる課題は「コミュニケーションの欠如」
また、全回答者に「自身のパフォーマンスを最適化するために適切なテレワークの頻度」を尋ねると、「週に2・3日」が36.6%と、チームパフォーマンスと同様に最も多くを占め、出社とテレワークを併用した働き方を望む回答が多く集まった。
テレワーク経験者に訊くコロナ禍での働き方、管理職が感じる課題は「コミュニケーションの欠如」

管理職のマネジメント能力が重要な鍵となる

最後に、「テレワークを円滑に行うための業務上の課題」を尋ねた。その結果、「チームのコミュニケーションの機会確保」(48.4%)と「各人の業務(タスク)の明確化」(47.5%)が上位にあがり、半数近くが回答。これは、管理職のマネジメント能力が重要になるともいえそうだ。次いで、「紙や捺印が必要な業務フローの見直し」が40.6%と、ペーパーレス化や捺印廃止を求めるビジネスパーソンが多いことがわかった。
テレワーク経験者に訊くコロナ禍での働き方、管理職が感じる課題は「コミュニケーションの欠如」
テレワークを導入したことにより、チームや同僚とのコミュニケーションが課題となった企業も多いだろう。パフォーマンス向上のため、いかにしてコミュニケーションを図るかが、より重要となりそうだ。

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