株式会社学情は2023年1月16日、「テレワークによる影響」に関する調査の結果を発表した。調査期間は2022年12月9日~14日で、“入社1年目の社員がテレワークを実施している”企業および団体の人事担当者94名より回答を得た。調査から、テレワークによる新入社員への影響や生じる課題が明らかとなった。
テレワークは“新入社員の活躍”に影響するのか? 3社に1社が「影響がある」との回答で、「コミュニケーション不足」が課題か

テレワークにより入社1年目の社員の活躍に「影響なし」との回答は2割未満にとどまる

新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、テレワークが急速に普及した一方で、コミュニケーション機会の減少などといった課題を抱える企業もある。そうしたテレワークの普及は、入社1年目の社員に対してどのような影響をおよぼしているのだろうか。はじめに学情は、「テレワークにより、入社1年目の社員の活躍に影響はあるか」と尋ねた。すると、「影響がある」が17%、「どちらかと言えば影響がある」が25.5%で、合計42.5%となった。3社に1社が、「テレワークが新入社員の活躍に影響をおよぼしている」と感じていることがわかった。

一方で、「影響がない」は8.5%、「どちらかと言えば影響がない」は9.6%と、「影響がない」とした企業は2割未満にとどまった。

また、「影響がある」との回答者に理由を尋ねると、「業務を覚えるスピードに遅れが生じている」や「仕事の進め方がわからないときに相談しにくいという声が出ている」、「コミュニケーションの機会が減っているので、関心があることや指導の仕方について、上司も把握しにくくなっている」などの声が寄せられたという。
テレワークにより入社1年目の社員の活躍に影響があるか

9割がテレワークにより「上司や先輩との人間関係が築けていない」と回答

次に同社は、「テレワークで、入社1年目の活躍に生じた影響」を複数回答で尋ねた。その結果、「上司や先輩との人間関係が築けていない」が90%で最も多かった。以下、上位には「同期での人間関係が築けていない」が52.5%、「戦力化が遅くなっている」が42.5%、「体調やメンタル面の不調を訴える社員が増えた」が37.5%と、ネガティブな影響が続いた。

一方で、5位には「チャットなどで簡潔に報告・連絡・相談ができる社員が増えた」(27.5%)、6位には「スキルの習得や自己学習に取り組む社員が増えた」(12.5%)があがり、少数派ながらポジティブな影響をあげる人もいた。
テレワークで入社1年目の活躍に生じた影響

若手社員のテレワークは「モチベーション状態をつかみにくい」ことが課題に

最後に、同社が「若手社員がテレワークをする際に課題になる点」を複数回答で尋ねたところ、「モチベーションの状態をつかみにくい」が81.9%で最多だった。以下、「報告・連絡・相談などコミュニケーション不足」が63.8%、「作業の進捗状況や成果の把握が難しい」が48.9%と続いた。
若手社員がテレワークをする際に課題になる点
本調査では、3社に1社が「テレワークにより入社1年目の社員の活躍に影響がある」とし、「相談しにくいとの声がある」、「伝わりやすい指導方法がわからない」など、ネガティブな影響が多いことがわかった。物理的な距離感から、コミュニケーションがとりづらく、モチベーション状態を計れないことが要因といえそうだ。テレワークと出社のメリット・デメリットを再度見つめ直し、不安を抱える若手社員の心理的安全性の確保を目指していきたい。

この記事にリアクションをお願いします!