私が新入社員研修を担当する際に、最も重要視することの一つが「机をきれいにする」ということです。席を立つ際はテキストやペンなどをきっちと揃えることを徹底します。もし、机上が乱雑なままに席を立った場合は、厳しく指摘を行っています。
新人の皆様は、「なぜ、このような細かいことをいちいち言われなくてはならないのだ?」と思うかもしれません。しかし、仕事ができる人は机の上がきれいです。これは、断言できます。もちろん、机の中もきれいです。つまり、整理整頓がしっかりできているということです。

 「強いチーム」と「整理整頓」、何が関係あるのかと感じる方もいるかと思います。しかし、強いチームは確実に「整理整頓」ができているチームです。
 オフィスに段ボールが積み重なり、机の上は雑然と書類が積み重なっている、その上机の中は必要のない書類だらけ・・・。そのような状態のオフィスで、気持ちよく働けるでしょうか?雑然としたオフィスでは、気持ちも雑然としがち。常に落ち着きのない気持ちが続くこととなります。そうなれば、社員同士が些細なことで口論をしたり、ミスが多くなったりと良いことはありません。
 やはり、整理整頓することは大切なのです。

 さて、ここまでブログを読み、「そんなことは分かっている」「整理整頓など当たり前だ」と思っている上司の皆様は多いことと思います。では、「机の上を整理せよ」とこれまで何回指示をしたことがありますでしょうか?
 こうお聞きしますと、意外に「ほとんどない」という方が多くいます。あまりにも基本的なこと過ぎて、指示さえもしていないということです。つまり、「整理整頓が必要なのはわかっているが、何もしていない」という上司が非常に多いのです。

 5Sという言葉をご存知の方は多いと思います。言うまでもなく、整理・整頓・清掃・清潔・しつけです。
 整理・・・いるものといらないものを仕分けする
 整頓・・・どこに何があるかわかるようにする
 清掃・・・すぐに使えるようにきれいにしておく
 清潔・・・整理・整頓・清掃が常に行われるように仕組み化する
 しつけ・・・教育を行う

 最後の、しつけを行うのは我々上司です。「机の上を整理せよ」と指示した際は、「いちいち細かい上司だな」「口うるさいな」と思われるかもしれません。しかし、しつけをせずに常に雑然としたオフィスで、イライラしながら生産性の低い仕事をするよりはマシです。

 私たち上司の仕事は、チームの力を高め、成果を上げ続けることです。そのためには、一時的に嫌がられることを恐れてはいけません。
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