ビジネスシーンでは「リスケ」という言葉をよく耳にする。予定を組み直す際に使われるが、今回はその「リスケ」にフォーカスしてみたい。どんな意味があるのか、使う際に何に注意をしたらいいのかを解説しよう。「リスケ」をお願いする場合の口頭やメールでの例も紹介する。
「リスケ(リスケジュール)」の意味や使い方とは? 言い換えや使用例なども紹介

リスケの意味や言い換え、ドタキャンとの違いを解説

最初に、「リスケ」はどのような意味なのか、ドタキャンとはどう違うのかを説明しよう。

●「リスケ」とは

「リスケ」とは、reschedule(リ・スケジュール)を略した和製英語だ。一般的には、予定や日程の変更、計画の組み直しといった意味がある。ビジネスシーンでも頻出の用語で、アポイントや会議の日程変更・調整、納期の延長などで用いられる。

注意したいのは、「リスケ」はフォーマルな言葉ではないことだ。気心が知れた同僚や部下、チームのメンバー向けであれば使用しても問題ないが、相手を間違えると印象を悪くしてしまう。カジュアルな印象を与えてしまうからである。

●ドタキャンとの違い

「リスケ」とドタキャンは同じニュアンスとして捉えられがちだが、実はこの二つの意味は明確に異なる。「リスケ」は、スケジュールの調整を意図している。一方、ドタキャンは元々土壇場(直前)でのキャンセルの略語である。ドタキャンには、お互いの了解のもとでスケジュールを組み直すという意味合いは含まれていない。もっと言えば、相手の都合を考慮せず、自分の都合や言い分を押し付けるといったネガティブな印象を持たれる可能性すらある。

●金融業界におけるリスケの意味

実は、「リスケ」という言葉を最初に用いたのは金融業界である。ただし、その意味合いはビジネス全般で使われるものと異なっていて、借入返済条件の変更を指す。具体的には、銀行から融資を受けていた企業が経営不振に陥り、予定通りの返済が難しくなったケースで、返済日を変更・繰り延べしたり、返済金の一時的減免を依頼したりすることを言う。その言葉が、「スケジュールの組み直し」という意味合いで、一般的なビジネスシーンでも用いられるようになったと言われている。

●リスケの言い換え

「リスケ」は略語であるがゆえ、誰に対しても使える言葉ではない。相手に合わせて言い換える必要がある。例えば、目上の人や社外の人などには、適切な言い換えが望まれる。それぞれの場面に合わせて、適切なフレーズを用いるようにしたい。以下が、言い換えの例だ。

・日程調整、日程変更
・スケジュール調整、スケジュール変更
・予定の前倒し(後ろ倒し)
・予定の繰り上げ(繰り下げ)
・予定の組み直し

知っておきたいリスケの使い方と場面

次に、「リスケ」という言葉がどんな場面、タイミングで使われているのかを見ていきたい。

●会議や面談の日時変更

急な出張やトラブルなどによって、会議や面談などの日時を変更・調整したい場合に「リスケ」という言葉を用いる。具体的には、以下のように使われる。

・来週月曜日の全体会議を同じ週の水曜日に「リスケ」したいと思います。
・来週予定していた1on1ミーティングを再来週に「リスケ」します。
・体調不良のため、本日予定していた打ち合わせを○日に「リスケ」させていただきませんか。


このように、「リスケ」を伝える際には、変更後の希望日時を一緒に連絡すると相手も次の予定を組みやすい。

●受発注の量、納品期日などの変更

「リスケ」は商品の受注量・発注量、納品期日などを変更する場合でもよく使われる。こうした場合には、相手側に大きな負担を掛ける可能性があり得るので、詳細な説明を添えることを心がけたい。

・担当者が交通事故にあってしまい、しばらく職場復帰が難しい状況です。納期の「リスケ」をご相談させていただけませんでしょうか。
・海外から取り寄せている部品の到着が遅れており、納期を「リスケ」しなければいけません。

●企画内容や仕様の変更

さらに、企画内容や仕様を変更するシーンでも「リスケ」は使われる。新たな項目を追加する、予定を組み直すというニュアンスとなる。

・クライアントからの要望があり、企画内容を大幅に「リスケ」します。
・このタイミングで仕様の「リスク」を行うと、納期に間に合うか微妙です。
・商品デザインを「リスク」する必要があるか、早急に検討しなければいけません。

リスケをする際の注意点とマナー

できれば「リスケ」はしないのが理想だ。しかし、現実ではどうしても避けがたいケースもある。そうした際に備えて、「リスク」をするにあたっての注意点とマナーを説明したい。

●目上の人や取引先への使用は避ける

「リスケ」は使う際には相手を選ばないといけない。絶対に避けるべきなのは、上司や取引先である。何故なら、「リスケ」はあくまでも略語であって、決して丁寧な表現ではないからだ。相手によってはカジュアルな印象、悪い印象を持たれる可能性もありえる。なので、社内の同僚や後輩に対して使うだけに留めるようにしよう。どうしても「リスケ」しなければいけない場合には、言い換えを工夫するようにしたい。

●リスケが必要な時は早めに連絡する

「リスケ」が必要になった場合には、その旨を相手に早めに伝え、日程の調整をすることが重要だ。相手がせっかく確保してくれたスケジュールを、こちらの都合で破棄することになるからだ。直前の連絡では、相手に失礼となるのは言うまでもない。相手にとっても、時間は貴重だ。早いタイミングで「リスケ」を連絡すれば、別の予定を入れられる可能性もあるだけに、迅速な対応を心がけたい。

●基本的に対面か電話で連絡する

「リスケ」を伝える際、基本的には対面が良い。それが難しい場面では、電話で連絡するようにしたい。特に、打ち合わせ当日の「リスケ」など、緊急性がある場合は必須となる。メールだと相手が見落としてしまう可能性があるからだ。ただ、どうしても電話がつながらなかったり、不在が続いたりしている時にはメールで送ることも致し方ない。その場合には、後で改めて電話をかけ直すことが望まれる。

●リスケ後の日程は、相手の意向を優先する

相手からすれば「リスケ」は迷惑な行為だ。なので、こちらから「リスケ」をお願いする際には、日程をいつにするかは相手側の意向を優先するのがマナーだ。ただし、漠然と聞いても相手も困ってしまう。そうした際には、幾つかの選択肢を提示して相手に選んでもらうようにするのがお勧めだ。自分の要望を押し付けるようなことはするべきではない。

例えば、以下のような伝え方がある。
・来週の火曜日と水曜日の午前中であれば、どちらでも調整可能です。
・再来週であれば、いつでも結構です。

●後日顔を合わせた際に、しっかりと謝罪する

上述した通り、「リスケ」は相手に迷惑がかかる。せっかくスケジュールを調整してもらったにも拘らず、こちらの都合で変更してもらうからである。それだけに、「リスケ」をお願いしてそのままという態度は避けるべきだ。後で顔を合せることがあったら、丁寧に謝罪をする必要がある。

●何度もリスケを繰り返さない

「リスケ」は相手に大きな負担を強いてしまう。できればしない方が良い。当然ながら、何度も繰り返すことは避けなければいけない。もし、頻繁に「リスケ」を申し出るようなことがあれば、スケジュールの管理能力を疑われるだけでなく、「約束を守れないいい加減な人」と見られ、ビジネスパースンとして大切な信頼や信用を失いかねないからだ。「この前も承諾してもらえたから、今回も問題ないだろう」という甘い考えは禁物だ。「リスケ」が起こらないよう、気を配らなければいけない。

ビジネスシーンでのリスケの会話例とメール例を紹介

最後に、ビジネスシーンでの「リスケ」の使い方を場面に合わせて取り上げたい。会話例とメール例を紹介する。

●リスケの会話例

・急に役員との打ち合わせが入ってしまったので、本日午後2時からの部内会議は「リスケ」をお願いしたい。
・クライアントより、オリエンテーション日時の「リスケ」に関して連絡が入りました。
・クレーム対応に追われており「リスケ」をお願いせざるを得ません。原因究明の会議を3日後に変更願えないでしょうか。

●リスケのメール例


件名:【お打ち合わせ日程変更のお願い】
株式会社○○
△△様

いつも大変お世話になっております。
株式会社〇〇の〇〇でございます。
次回のお打ち合わせに関する、
日程の変更をお願いしたくご連絡いたしました。

せっかく日程をご調整いただいたにもかかわらず、
急な海外出張が入ってしまったため、
貴社にお伺いできなくなってしまいました。
そのため、〇月〇日(〇)〇時に予定しておりましたお打ち合わせを、
以下いずれかの日程にご変更していただくことはできませんでしょうか。

・変更希望日程
(1)〇月〇日(〇)〇時〜〇時
(2)〇月〇日(〇)〇時〜〇時
(3)〇月〇日(〇)〇時〜〇時
もし上記日程が難しい場合は、〇〇様のご都合の良い日程を幾つかご教示いただけますと幸いです。

ご迷惑をおかけして申し訳ございませんが、ご検討のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。
本文中でも触れたが、「リスケ」は相手への迷惑行為となる。できる限り回避しなければいけない。ただ、止むを得ない事情で依頼せざるを得ないケースもあるだろう。その際には相手に悪い印象を持たれないよう、マナーを守って連絡するべきである。

また、社内には頻繁に「リスケ」をする社員がいるかもしれない。本人にスケジュール管理の問題があるのは間違いないので、そうした傾向が窺える社員がいたら、上司や人事担当者から適切なアドバイスを施すことも重要となってくる。
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