就職先との出会いは「就職ナビ」と「インターンシップ」

今度は、入社先として内定承諾した企業との就職活動における最初の接点は何だったのかを見ていきましょう。文系は「就職ナビからのエントリー」の26%が最多で、「インターンシップ」の23%をわずかながら上回ったのに対して、理系は「インターンシップ」の28%が最多で、「就職ナビからのエントリー」の19%を10ポイント近く上回っています[図表6]。理系は「インターンシップ」をきっかけに3割近くの学生が最終的な入社先と巡り会っていますが、前述したように早くから就職志望先を決め込んでいる学生の割合が高く、意中の企業のインターンシップに参加した結果ともいえるでしょう。
[図表6]入社先として内定承諾した企業との就職活動における最初の接点
就職活動における最初の接点は、この2項目だけで、文系49%、理系も47%といずれも半数近くを占め、3位以下の項目とは大きな開きがあります。3位は文系・理系ともに「企業のHPからのエントリー」で、文系9%、理系12%と理系のポイントのほうが高くなっています。これも、理系のほうが早くから就職志望先を明確にしている割合が高いことの表れだと推測されます。

そのほかでは、「逆求人サイトからのオファー」で就職先と巡り会った学生が、文系で6%、理系で4%ほどとなっています。年々、企業、学生ともに利用ユーザーが増えていることを考えると、今後はこの割合が徐々に高まってくるものと思われます。

文系・理系の合計で25%の学生にとり、就職先となる企業との最初の接点となった「インターンシップ」ですが、インターンシップに参加した学生のうち、インターンシップ先企業から内定が出た学生はどのくらいいるのでしょうか。インターンシップに参加した企業からの内定取得の状況を聞いてみたところ、「インターンシップ参加企業の選考に応募していない」学生が文系で17%、理系で14%いるにもかかわらず、文系で46%、理系では56%と半数以上の学生が「内定が出た」と回答しています[図表7]
[図表7]インターンシップ参加企業からの内定(単一回答)
「インターンシップ参加企業の選考に応募していない」学生を除いて考えれば、「内定が出た」学生の割合は文系でも56%と半数を超え、理系では66%と3分の2を占めます。まだ「選考中」の学生もいることを考えると、最終的な割合はさらに高くなる可能性があります。インターンシップに参加したにもかがらず、1社も内定につながらなかった学生のほうが、いまでは少数派という状況になっています。

なお、就職先企業との最初の接点が「インターンシップ」と回答した学生の割合と、インターンシップ参加企業から内定を取得した学生の割合とを比べた場合、そのポイント差は文系で23%、理系で28%にもなりますが、そのすべてが内定辞退につながったと考えるのは早計です。最初の接点は、「インターンシップ」よりも早かった「逆求人サイトからのオファー」や「2月以前の業界研究セミナー」などにカウントされているケースも多々あると考えられるからです。夏季インターンシップではなく、冬季インターンシップに参加して内定を取得した学生は、特にこういった傾向が強く出がちです。

内定辞退をすべて連絡済みの文系は半数止まり

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