3月11日に発生した東日本大震災により、被災された皆さま方に心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早く復興の日が訪れますようお祈り申し上げます。
さて、この震災の影響が2012年卒の就職戦線に影響を及ぼすことは間違いないのですが、そのあたりについて就職支援室に入っている情報をもとに予測をまとめてみたいと思います。直接的な被害をお受けになった企業というよりは、日本の企業全体の動きという視点からまとめてみたいと思います。

超大手は軒並み選考を後ろ倒しだが、学校推薦は比較的影響が少ない?

選考日程を1-2か月遅らせるという連絡はすでに本学でも10社程度の企業からいただきました。実際に活動中の学生の話を聞いていると、かなりの数の企業から選考日程を遅れせる連絡を受けているようです。特に製造業、その中でも超大手は相当数が日程を遅らせることになりそうです。
ただ学校推薦については現時点ではそれほど遅れるという話は入ってきていないような印象です。上場企業は震災の影響による決算の下振れが見込まれることから、業績の下方修正を行う必要のある会社が相当数に上るのではと思います。その結果、採用人数も見直しの対象になるでしょう。
ただ現時点では修正後人数が全く分からないため自由応募の選考を開始するわけにもいかず、選考日程を遅らせることで、その間に採用人数の見直しを行っている企業もあると思われます。推薦応募者は、日程の再設定に手間がかかるため先に選考試験を行い、その埋まり具合を見ながら残りの人数を自由応募で確保するという手法をとる企業が多いのではないかと思います。
上記の流れから結論付けると、学校推薦応募者が例年以上に推薦のメリットを享受することになるのではと考えられます。

採用数の見直しは連休前後に判明か?
これは裏付けとなる情報に基づいているわけでなく、あくまでも推測に基づいています。上述したように上場企業の多くが今回の震災の影響で今季の業績の修正を行うことになります。下方修正のIR情報を発表する場合、その会社の株価の下落リスクを最小限に抑えるべく金曜日の夕方に記者発表する会社が多いのですが、特に今回は1社だけ先行してしまうとその会社の株価が間違いなく大幅に下落するので、各社横にらみでタイミングを合わせて記者発表を行うと思われます。
以上の内容から推測すると、大型連休に入る4月28日あるいは連休中日の5月2日がこの業績修正のXデーに当たるのではと思います。採用人数の見直しについても、影響を最小限に抑えるためにこの記者発表と同じタイミング、もしくはその直後に出す企業が多いのではと予測しております。

当初の予定通り選考を進めている企業は6月以降に辞退者が増える?

西日本の企業や中堅企業、震災の直接的な被害のなかった地方企業は、ほとんどが当初の予定通り選考試験を進めているようです。これまでは大手の企業と選考試験の日程が重なり、移動等の関係で物理的に掛け持ち受験が難しく、学生がそこで優先順位をつけざるをえず、学生が大手企業志向グループと地元中堅企業志向グループとに分類されていく流れがありました。
今回は日程がかぶらなくなったことで、学生は両方を受けることができるようになっております。したがって中堅企業で先に内定をもらってから、5月以降の大手企業の選考に臨むという学生が多くなるように思われます。
つまり、選考日程を後ろ倒しせず、予定通りの日程で選考を行った企業は、大手企業の内定が出始める6月以降に大幅に辞退者が増えることになると予測されます。

結果的に選考期間が長期化する?
上記の流れでいけば、6月以降に多くの辞退者を出した企業は追加募集を行わなければならず、6月下旬以降に二次募集をかける中堅企業が増えるのではと予想しております。
ただその時点で日本経済全体の落ち込みが顕著になっていると、追加募集を行わず、5月までに内定を出した学生までで採用活動を終了してしまう企業が増える可能性もあります。
本学では6月以降に学内の説明会を実施すべきかどうかを検討しておりますが、現時点ではまだ読みきれないというのが現在の状況です。

以上、様々なところから入ってきている情報に基づいてまとめてみました。
今年は刻一刻と状況が変化すると思われますので、我々就職支援部門のスタッフはそのあたりの情報をいかに的確に把握して学生に提供できるかが鍵になるように考えております。
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