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採用担当者のための最新情報&実務チェックポイント

第85回 2019年卒学生の残業観、インターンシップ参加率は?

ProFuture代表 HR総研所長 寺澤 康介
2018/05/08

ProFuture代表の寺澤です。
前回の原稿を入稿するタイミングで飛び込んできたのが、経団連が2021年に入社する学生を対象とした採用活動のスケジュールを見直す方向だというニュースでした。2020年の東京五輪の影響で大型のイベント施設などが使用できなくなり、採用活動に支障を来すというのが主たる理由です。2020年入社の採用活動までは、現在の「3月 採用広報解禁、6月 面接選考解禁」ルールが継続されるとのこと。経団連では、かねてより「指針」のスケジュールである「3月 採用広報解禁、6月(16年卒は8月) 面接選考解禁」は政府に押し付けられたもので、自分たちが望んだものではなく、15年卒採用までの「12月 採用広報解禁、4月 面接選考解禁」の復活を求める声が少なくありませんでした。そういう意味では、東京五輪は採用活動スケジュールを見直すための「いい口実」になったとも言えます。

「スケジュールを見直すべき」が8割超

HR総研では、3月19日〜26日に採用担当者を対象とした「2019年新卒採用動向調査」を実施し、その中で今回の経団連のスケジュール見直しについて、意見を聞いてみましたので、その結果からご報告します。
まず、「見直すこと自体をどう思うか」を聞いたところ、半数近い48%が「どちらともいえない」と態度を保留しながらも、明確に「反対(変えないほうがいい)」とする声はわずか9%にすぎず、残りの43%は「賛成」と回答しています[図表1]。賛否を明確にした人の中だけで見れば、8割以上の人が見直すべきと考えていることになります。意外にも大企業では、「反対(変えないほうがいい)」とする回答が13%で最も多くなりました。
次に、具体的なスケジュール案についても聞いてみたのが[図表2]です。経団連が検討の複数案として挙げていた「3月 広報・選考開始に1本化」「12月 広報開始、4月 選考開始(かつての倫理憲章の日程)」「ルールを一つの目安と緩める」「一切のルールの廃止」に加え、「3月 広報開始、6月 選考開始(現在の指針)」「3月 広報開始、4月 選考開始」「12月 広報開始、3月 選考開始」「その他」の8択にしてみました。結果は、全体では「ルールを一つの目安と緩める」が26%でトップ、次いで「12月 広報開始、3月 選考開始」が23%で続きました。「3月 広報・選考開始に1本化」はわずか2%、かつての倫理憲章の日程である「12月 広報開始、4月 選考開始」も8%と少数意見にとどまりました。
こちらは企業規模の違いにより意見が分かれています。大企業では、「ルールを一つの目安と緩める」は16%、「12月 広報開始、3月 選考開始」も13%と、他の企業規模より少なくなっています。その代わり、現在の「3月 広報開始、6月 選考開始」とする企業が19%で最多、「12月 広報開始、4月 選考開始」も16%と他の企業規模より多くなっています。やはり大企業では、倫理憲章時代の「12月 広報開始、4月 選考開始」の人気が依然として高いようです。
 経団連は、今年の秋には方針を固めたいとしています。どんなスケジュールになるのか、注目したいと思います。

依然として学生の「大手志向」は続く

HR総研では、2019年卒採用の広報解禁から約3週間経過時点での動向を探るため、採用担当者を対象にした「2019年新卒採用動向調査」と、2019年卒業予定の大学生(楽天「みん就」会員)を対象とした「2019年就職活動状況調査」を、いずれも3月19日〜26日に実施しました。今回は、「2019年就職活動状況調査」の結果を中心に、学生の意識と就職活動状況をご報告します。
まずは、志望する企業規模から見ていきましょう。[図表3]は、文系・理系のそれぞれ前年同時期の調査との比較です。「絶対大手企業に行きたい」という層は文系・理系ともに増加傾向にありますが、「できれば大手企業に行きたい」という層は、理系では増加傾向であるものの、文系では逆に前年よりも4ポイント減少しており、「絶対大手」と「できれば大手」の合計で比べても、文系は前年よりも微減しています。ただ、合計で6割近い学生は「大手」にこだわっているわけですから、理系は「大手企業志向」がさらに高まり、文系も依然として高い状態が続いていると言えます。
すでに19年卒の採用計画を発表した企業の中には、メガバンクのように対前年で大幅削減を計画している企業もあります。ただ、今回のHR総研「2019年新卒採用動向調査」でも、「減らす」とする企業は4%しかないのに対して、「増やす」とする企業は27%にもなります[図表4]。大企業だけに限れば、38%もの企業が「増やす」としています。求人倍率は、18年卒の1.78倍(リクルートワークス研究所調べ)からさらに高まるのではないかと推測されます。

プロフィール

ProFuture代表 HR総研所長 寺澤 康介

1986年慶應義塾大学文学部卒業。就職情報会社に入社後、企画制作部長などを経て、2001年文化放送キャリアパートナーズを共同設立。常務取締役などを経て、2007年採用プロドットコム(現社名=HRプロ)を設立、代表取締役社長に就任、現在に至る。約25年間、大企業から中堅・中小企業まで幅広く採用、人事関連のコンサルティングを行ってきた。現在はHRプロ代表とともにHR総合調査研究所所長を兼任し、人事領域全般を対象にした調査、研究を実施している。
HRプロは人事担当者のポータルサイトとして約8千社、1万4千人の会員(2012年3月現在)を持ち、採用、人材育成、人事労務など、人事関連の最新情報を提供している。

<執筆、出演、記事掲載メディア等>
「週刊東洋経済」「東洋経済オンライン」「日経ビジネス」「日経アソシエ」「労政時報」「企業と人材」「人材教育」「人事マネジメント」「企業実務」「NHK(テレビ、ラジオ)」「朝日新聞」「読売新聞」 「日本経済新聞」「産経新聞」「文春」「アエラ」「サンデー毎日」など

※『採用担当者のための最新情報&実務チェックポイント』は、WEB労政時報に寄稿した原稿を約2週間遅れで転載しておりますので、内容的に時差が生じる場合があります。ご了承ください。
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