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HRサミット2023 ONLINE 講演録

リーマンショックの影響から考える「令和の人事」―平成の“失われた30年”に起こった変化と残された問題は何か

（独）労働政策研究・研修機構主任研究員藤本真氏
特定非営利活動法人日本人材マネジメント協会雇用システム研究会研究メンバー葛西達哉氏
特定非営利活動法人日本人材マネジメント協会執行役員津留慶幸氏
公開日：2023/11/30

ジャンル：

派遣・業務請負雇用管理・賃金人事・労務全般・その他

キーワード：

アフターコロナ

給与・賃金

登壇者：

（独）労働政策研究・研修機構主任研究員藤本真氏

専攻は産業社会学、人的資源管理論。人材育成・キャリアディべロップメントに関する企業・職場・働く人々の取り組みや、能力開発・キャリア形成支援政策などについての調査研究に従事。
（独）労働政策研究・研修機構

登壇者：

特定非営利活動法人日本人材マネジメント協会雇用システム研究会研究メンバー葛西達哉氏

特定非営利活動法人日本人材マネジメント協会

登壇者：

特定非営利活動法人日本人材マネジメント協会執行役員津留慶幸氏

特定非営利活動法人日本人材マネジメント協会

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キャリア中核層活躍の鍵は”両立支援”にあり！～10月育児介護休業法改正の実践ポイント～

セミナー

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ジャンル：［組織風土］介護・育児支援

形式：オンライン（ライブ）

開催日：2025/11/06(木) 14:00 〜 15:00

提供：共同印刷株式会社

「仕事と介護の両立」日立ソリューションズの取り組み

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ジャンル：［組織風土］介護・育児支援

種別：お役立ち

提供：株式会社日立ソリューションズ

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1995年、大卒新卒採用者・就職者の数が、高卒新卒採用者・就職者の数を上回りました。これは大学進学率の上昇が原因で、「従来なら高卒者が担う業務を大卒者が担う」といったことも、一部企業で見られるようになりました。平成の30年間で、女性の大学進学率は3倍以上に増加しました。特に2008年（平成20年）以降の増加が顕著であることから、「平成生まれの大学進学率」が急伸しているといえます。「雇用機会均等法」などの法整備や社会慣習の変化、大卒就職率の上昇（安定的に働ける保障）にともなう奨学金（貸与型）利用率の増加、小泉政権下で行われた規制緩和（大学新設の一部に届け出制を導入／短大の4大化による学校増）などが、女性の大学進学率急増を支えたものと考えられます。「採用市場の大きな変遷」が、平成の特徴です。バブル期は“超売り手市場”でしたが、平成初期のバブル崩壊以後、一転して“買い手市場”となり、就職氷河期が到来しました。その後も景気が戻ることはなかったものの、雇用・採用の状況は徐々に改善していきました。ところが、この状況はリーマンショックによってふたたび悪化し、雇止め・派遣切りが行われるようになったのです。その後はその傷も少しずつ癒えたものの、いまなお続いている少子高齢化・人手不足によって、段々と“売り手市場”化していく中で平成が終わりました。また、「派遣法」の改正によって非正規社員が増加したほか、“年功賃金からの脱却”など、賃金抑制を意図した成果主義の試みがさまざまな企業で行われました。しかし、結果的に成果主義の導入は失敗したといわれています。法改正によって年金の支給開始年齢が引き上げられ、それにともなって定年の延長や高年齢者の雇用確保措置が進みました。「男女雇用機会均等法」の大幅改正や、各種男女差別の禁止などにより、女性の高学歴化と社会進出が後押しされたことも大きな変化の1つです。高齢者、女性、非正規の労働者が増えたため、雇用・労働に関する諸法令の整備・改正も進み、外国人労働者の受け入れも拡大されました。「ワークライフバランス」、「働き方改革」、「多様な働き方」といった言葉に代表される、“働く”ことに対する意識が、昭和の価値観から変化していったことも平成の大きな特徴です。その中でも、特に影響の大きかった事象が「リーマンショック」です。下図は、棒グラフが「完全失業率」、折れ線グラフが「有効求人倍率」を表しています。完全失業率は2000年から2003年にかけて悪化したのち、改善を見せていましたが、2008年秋のリーマンショックを機に急上昇しました。有効求人倍率は2003年あたりから改善していったものの、リーマンショックを機に急落しています。このグラフには、直近の大きな事象であるコロナ禍の時期も含まれます。コロナ禍での有効求人倍率は、リーマンショックの頃と同様に急落していますが、完全失業率への影響はそれほど大きくないように見えます。政府が雇用関連の助成金などで失業者を極力出さないようにした（ただし求人を増やすような政策には乏しかった）結果ではないでしょうか。リーマンショックには、単純に経済的な影響が大きかったことに加え、コロナ禍と比べて手厚い助成金などがなかったことで、失業率が大きく悪化したという面もあると思われます。それまで徐々に下落していた完全失業率は、リーマンショックによって上昇へと転じ、2009年には平均5.1％まで悪化しました。有効求人倍率は大幅に低下し、2009年3月には0.52倍となりました。雇用情勢が悪化したことで、製造業などでは非正規社員を中心に雇用調整が実施されました。厚生労働省の調査（2008年10月～2009年3月）によると、雇止めの対象となったのは85,012人で、その内訳は派遣労働者が57,300人、契約社員が15,737人、請負労働者が7,938人。一方、同時期に雇用調整に関連して離職した正社員は3,295人となっています。いかに非正規社員への影響が大きかったかが分かる数字です。雇止めの方法は、派遣労働者・請負労働者では5～6割が契約の中途解除、契約社員では8割以上が契約の期間満了となっています。

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