HR総研:2021年卒学生の就職活動動向調査 結果報告9割以上の学生がオンライン面接を経験

2月までは早期化が叫ばれていた2021年卒学生の就職活動だが、3月以降、新型コロナウイルスによる多大な影響を受け、さらに就職活動の真っ只中の4月には緊急事態宣言が発令され、これまでの就活生が経験をしたことのない新たな形での就職活動を余儀なくされた。
コロナ禍で混迷を極める中、就活生たちはどのような就職活動を行ってきたのだろうか。
HR総研では、2021年卒学生の就職活動の最新動向について調査した。
その結果について、フリーコメントを含めて以下に報告する。

<概要>
●プレエントリー時期は前倒しがさらに進むものの、文系では4月以降で再び増加
●活用した就職サイトは「マイナビ」がトップ、3月以降で就職ナビの人気が後退
●1年を通して最も利用した就職サイトも「マイナビ」がトップで半数近く
●セミナー・説明会への参加社数は「1〜3社」が最多、コロナの影響で参加機会を失う
●オンライン説明会を視聴した企業数も「1〜3社」が最多、9割近くが1回は経験あり
●面接を受けた社数は「4〜6社」が最多、理系では3割以上
●オンライン面接を受けた企業数は「1〜3社」が最多で3割、9割以上が1社は経験あり
●最終面接までオンライン面接であった企業数は「1〜3社」が半数以上
●文系では大学クラスによる内定社数の違いが顕著に
●理系では大学クラスによらず大企業からの内定率が高い
●新型コロナによる就職活動への影響に関する所感、「不安」派は文系で6割

プレエントリー時期は前倒しがさらに進むものの、文系では4月以降で再び増加

2021年卒学生のプレエントリーを行った時期について、文系学生では、最も多かったのは「今年3月」で83%となり、次いで「今年2月」が63%、「今年4月」が53%などとなっている(図表1-1)。ピークの時期は「3月」で前年までと同じ傾向が見られるが、「2月」までを前年と比較すると、軒並み増加しており明らかに前倒ししていること分かる。しかし、「3月」でいったん減少したものの、「4月」以降で再びプレエントリーをする学生が増加しており、単なる前倒しとは言えない状況が見られる。この要因として考えられるのは、新型コロナの影響を受け採用活動を延期や中断する企業が増加したことにより、学生は選考を受けたかった企業を受けることができなくなり、4月から改めて別の企業にプレエントリーから始めざるを得なくなったということであろう。
理系学生でも、最も多かったのは「今年3月」で77%であった。ただし、2〜4番目はすべて「2月」以前が並び、2番目が「今年2月」で63%、次いで「今年1月」が44%、「前年12月以前」が39%などとなった(図表1-2)。理系では「6月」に再び増加する現象は起きているものの、「4月」「5月」に増加傾向は見られず、文系よりさらに前倒しの傾向が顕著に出ている。この要因として、文系よりも採用難である理系に対しては、企業の採用選考が前倒しされたために、企業の採用活動の延期や中断の影響を受ける学生が少なくすんだ可能性が推測される。また、今年1月に文部科学省や経済産業省から理系院生を対象とした「修士課程・博士後期課程・ジョブ型採用の円滑な連結を考慮した、ジョブ型研究インターンシップの検討」について公表されたことで、「大学院生(特に理系学生)はインターンシップから直接採用OK」と拡大解釈した企業が堂々とインターンシップ採用をし始めるという流れも、理系学生の就職活動のさらなる前倒しに繋がる可能性もあると考えられる。

【図表1-1】文系学生のプレエントリー時期
【図表1-2】理系学生のプレエントリー時期

活用した就職サイトは「マイナビ」がトップ、3月以降で就職ナビの人気が後退

学生が就職活動中に活用した就職サイト(複数選択)については、文系学生では、2月までは「マイナビ」が90%で最多で、次いで「リクナビ」が81%、「楽天みん就」が69%などとなっていたが、3月以降になると、「マイナビ」(84%)、「楽天みん就」(75%)、「リクナビ」(73%)と、特にリクナビの利用率が下がり2位と3位が入れ替わった。また、2月までと比較すると就職ナビ系の利用率が軒並み下がり、口コミサイト系の人気が上昇していることが分かる。また、理系学生でも文系と同様の傾向が見られる(図表2-1,2)。
学生にとって、就職ナビの利用目的は「インターンシップ参加登録」がメインとなってきており、以前より採用選考のプレエントリーやセミナー参加申し込みのために使う学生は減少し、インターンシップから選考に進んでしまう学生や、企業ホームページ等から直接エントリーする学生が増えている。この状況から、3月以降での利用率が下がることとなり、学生の就職活動における就職ナビの価値が少しずつ下がってきていると推測される。

【図表2-1】文系学生が活用した就職サイト
【図表2-2】理系学生が活用した就職サイト

1年を通して最も利用した就職サイトも「マイナビ」がトップで半数近く

「1年を通して最も利用した就職サイト」(択一)について、文系で2020年卒学生と2021年卒学生の傾向を比較してみると、20年卒学生では「マイナビ」(38%)、「リクナビ」(27%)、「ONE CAREER」(14%)などとなっており、21年卒学生では「マイナビ」(48%)、「ONE CAREER」(15%)、「リクナビ」(13%)などとなっている(図表3-1)。ここでも「リクナビ」の利用率が前年より14ポイントも大きく下がっており、2位から3位に後退している。
理系においては、20年卒学生で「リクナビ」がトップで38%となっていたものの、文系と同様に21卒学生では利用率が20%と前年より大きく下がり、2位に後退している(図表3-2)。
これまで長らく就職ナビの2強を形成してきた両サイトであるが、今年は「マイナビ」の一人勝ち状態と言ってもいいだろう。また、就職ナビの補完的に活用されることが多かった口コミサイトがその存在価値を高めるとともに、逆求人型サイトがこれらを押しのけて「最も利用した就職サイト」のポジションをじりじりと確保し始めてきている。

【図表3-1】文系学生が1年を通して最も利用した就職サイト
【図表3-2】理系学生が1年を通して最も利用した就職サイト

セミナー・説明会への参加社数は「1〜3社」が最多、コロナの影響で参加機会を失う

個別企業主催のオンライン形式を除くセミナー・説明会への参加社数を見てみると、文系では、「10社」以上に参加した学生は前年より軒並み減少しており、「9社」以下が増加傾向にある。特に「1〜3社」が20%で最も多く、前年より11ポイントも増加している。理系においても文系と同様に「1〜3社」が最も多くなっており、31%と3割を占めている(図表4-1,2)。
文系では前年までも「9社」以下が増加する傾向となっていたが、今年は文系・理系ともにその傾向が強く出ており、この要因としては、やはり新型コロナウイルスの影響を受けていることが明白だろう。当初はより多くの企業のセミナーや説明会に参加する予定をしていた学生が多かったものの、新型コロナウイルスの影響により、2月下旬に政府からイベント開催の自粛要請が出され、さらには4月上旬から緊急事態宣言の発出と外出自粛要請が出されたことで、多くの企業がセミナーや説明会の延期や中止を迫られ、学生は予定していた対面型のセミナー等の参加の機会を失ってしまった形となっている。

【図表4-1】文系学生の個別企業主催のセミナー・説明会(オンライン除く)への参加社数
【図表4-2】理系学生の個別企業主催のセミナー・説明会(オンライン除く)への参加社数

オンライン説明会を視聴した企業数も「1〜3社」が最多、9割近くが1回は経験あり

対面でのセミナーや説明会の実施を断念する企業が増加する一方、コロナ禍でも安心安全に行えるオンライン説明会に切り替える企業も増加する中、学生はどれだけのオンライン説明会を視聴したのだろうか。
学生(文理合計)の「オンライン説明会を視聴した企業数」は、「1〜3社」が最多で23%となっており、次いで「4〜6社」が18%などとなっている(図表5)。オンライン説明会は自宅からでも気軽に視聴できるため、より多くの企業のものを視聴できるが、実態としては対面でのセミナー・説明会への参加社数と大きな差異は見られず、むやみに視聴するのではなく、自分に必要なものを見定めて視聴していることがうかがえる。
一方で「0社」とする学生は12%であり、したがって、88%と9割近くの学生が少なくとも1回はオンライン説明会の視聴を経験しているということが分かる。

【図表5】個別企業主催のオンライン説明会を視聴した企業数(文理合計)

面接を受けた社数は「4〜6社」が最多、理系では3割以上

続いて「面接を受けた社数」について見てみると、文系では「4〜6社」が最多で22%となっており、次いで「7〜9社」が20%、「10〜14社」が19%などとなっている(図表6-1)。また、「10社」以上受けた文系学生は前年より軒並み減少し、9社以下とする学生が増加していることから、面接を受ける社数も減少傾向にあることが分かる。
理系学生においても文系と同様に減少傾向が見られ、特に「1〜3社」と「4〜6社」に集中し58%と6割近くを占めている(図表6-2)。

【図表6-1】文系学生が面接(オンラインを含む)を受けた社数
【図表6-2】理系学生が面接(オンラインを含む)を受けた社数

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HRプロとは

【調査概要】

アンケート名称:【HR総研】2021年卒学生の就職活動動向調査
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)、楽天みん就(楽天株式会社)
調査期間:2020年6月8日〜23日
調査方法:WEBアンケート
調査対象:2021年卒予定の「楽天みん就」会員
有効回答:1,496件

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