今回も前回に引き続き、6月12日~25日に「楽天みん就」の会員を対象に実施した「2020年卒学生 就職活動動向調査」の結果をお届けする。2回目は、大学グループ別の内定社数と内定先企業規模、内定取得者の就活継続意向、入社するつもりの内定先企業の選社理由、希望する内定者フォロー、選考を受ける中で志望度が上がったエピソードと下がったエピソード、通年採用化への賛否、通年採用になった場合の就活開始時期などを見ていく。
調査対象の「楽天みん就」の登録会員は、早期から就活を始める学生の割合が一般の就活ナビよりも多いため、就活の進捗率ではやや高めの数値が出る傾向にある。文系と理系の傾向比較や、大学グループごとの傾向比較を中心に見ていただきたい

「早慶クラス」と「その他私立大」の内定率の差は20ポイント以上

6月12日~25日の調査時点での内定社数を聞いたところ、文系は全体の83%が内定を取得している。大学グループ別に見てみると、「早慶クラス」は理系並みの93%がすでに内定を取得済みで、2社以上から内定を取得している学生が67%と3分の2にも及ぶ。「その他国公立大」もほぼ近い傾向である。「旧帝大クラス」は、内定を1社獲得すると就活を終了する学生の割合が高いのか、内定率は85%あるものの、2社以上の内定率は51%にとどまる。「その他私立大」では、内定率は72%と「早慶クラス」とは20ポイント以上の差がある。2社以上の内定率では44%と、「早慶クラス」との差は23ポイントとさらに拡大している。

【図表1】6月中下旬時点での内定社数(文系)

HR総研:「2020年卒学生 就職活動動向調査(6月)」結果報告【2】

理系の内定率は9割以上

一方、理系は実に92%がすでに内定を取得している。こちらも大学グループ別に見てみると、「上位国公立大クラス」が内定率96%でトップ、次いで「旧帝大クラス」と「中堅私立大」が95%で続く。最も内定率が低いのは、こちらも「その他私立大」であるが83%と文系よりも10ポイント以上高くなっている。2社以上の内定率では、「上位国公立大クラス」が70%でトップ。内定率自体は文系よりも10ポイント近く高いものの、1社しか内定を取得できない推薦応募の学生もいるため、2社以上の内定率はそれほど高いわけではない。

【図表2】6月中下旬時点での内定社数(理系)

HR総研:「2020年卒学生 就職活動動向調査(6月)」結果報告【2】

内定先企業規模では大学格差が歴然

かつて、4月1日が面接選考開始だった「倫理憲章」時代の調査では、面接解禁月の後半時点の内定率には大学グループ間の格差が歴然とあった。例えば、「倫理憲章」最終年となった2015年卒の4月下旬時点での調査では、「早慶クラス」文系の内定率が80%に対して、「その他私立大」文系は半分の40%だった。理系でも「早慶クラス」の内定率88%に対して、「その他私立大」は47%といった具合だ。これは、当時は4月の大企業の選考が落ち着いてから、中堅・中小企業の選考が本格化する傾向が強く、4月下旬の調査時点ではまだ選考に入っていない、あるいは内定出しまで至っていない中堅・中小企業が多かったためである。
内定率の数字だけを見ると、近年は大学グループ間格差が随分落ち着いたように見えるが、内定先の企業規模で比較してみると、その違いは未だに歴然としている。文系を大学グループ別に見てみると、「早慶クラス」では「5,001名以上」の企業から内定を取得した学生の割合が57%もあるのに対して、「その他私立大」では19%にとどまる。逆に、「早慶クラス」では「1~100名」「101~300名」の割合がそれぞれ11%、14%であるのに対して、「その他私立大」では17%、28%となっている。理系で見ても、「早慶クラス」では「5,001名以上」「101~300名」の割合がそれぞれ61%、6%であるのに対して、「その他私立大」では19%、29%となっている。つまり、内定を取得している企業群がまるで違うのである。表向きの内定率からだけでは見えてこない実態がここにある。

【図表3】内定先の企業規模(文系)

HR総研:「2020年卒学生 就職活動動向調査(6月)」結果報告【2】

【図表4】内定先の企業規模(理系)

HR総研:「2020年卒学生 就職活動動向調査(6月)」結果報告【2】

理系は8割以上が就活を終了するも、文系で終了するのは7割以下

内定保有者を対象に、今後の就活について聞いてみた。文系では、「第1志望の企業に内定したので終了する」51%、「第1志望ではないが内定したので終了する」17%と68%の学生が就活の終了を決めている。一方、継続する学生の中には、「第1志望の企業に内定したがまだ継続する」学生が15%もいる。
これに対して理系は、推薦応募の学生が何割か含まれることもあり、「第1志望の企業に内定したので終了する」学生は64%に達し、「第1志望ではないが内定したので終了する」学生の20%を合計すれば、84%もの学生がもう就活は終了すると回答している。「第1志望の企業に内定したがまだ継続する」学生は8%と、文系の半数程度にとどまる。

【図表5】内定保有者の就活継続意向

HR総研:「2020年卒学生 就職活動動向調査(6月)」結果報告【2】

入社先企業の選社理由は「仕事内容」と「事業内容」

内定先の中で就職先を決めている学生を対象に、最終的にその企業に決めた理由を聞いたところ、1位は文系・理系ともに応募先企業の選社理由と同じ「仕事内容」で、文系の65%、理系の67%が選択している。2番目も文系・理系ともに同じで、文系の51%、理系の58%が「事業内容」を選んでいる。3番目以降の順位に若干の違いはあるものの、「会社の雰囲気」「福利厚生」「勤務地」「給与」の4項目が上位に並んでいる。応募先企業の選社理由で上位に来ていた「残業・休日」「安定性」はやや順位を落としている。

【図表6】入社先企業の選社理由(文系)

HR総研:「2020年卒学生 就職活動動向調査(6月)」結果報告【2】

【図表7】入社先企業の選社理由(理系)

HR総研:「2020年卒学生 就職活動動向調査(6月)」結果報告【2】

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HRプロとは

【調査概要】

調査名称:【HR総研】「2020年卒学生 就職活動動向調査」
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査協力:「楽天みん就」
調査対象:2020年卒の大学生・大学院生
調査方法:webアンケート
調査期間:2019年6月12日~6月25日
有効回答:1,750名(文系:1,098名,理系:652名)

※HR総研では、人事の皆様の業務改善や経営に貢献する調査を実施しております。本レポート内容は、会員の皆様の活動に役立てるために引用、参照をいただけます。その場合、下記要項にてお願いいたします。
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