HR総研:「2020年&2021年新卒採用動向調査(6月)」結果報告【1】6月後半から「新たにエントリーを受け付ける」企業が5割以上

経団連が主体となる就活ルールの最終年となった2020年新卒採用。これまでも報告してきたように、GW10連休も相まって、昨年よりもさらに早期化に拍車がかかることになった。HR総研では、6月後半に採用担当者を対象にした「2020年&2021年新卒採用動向調査」、2020年卒の就活生(「楽天みん就」会員)を対象とした「2020年卒学生 就職活動動向調査」を実施した。今回から2回に分けて、「2020年&2021年新卒採用動向調査」の結果を見ていきたい。1回目の今回は、2020年卒採用の各採用ステップ(プレエントリー→セミナー・説明会→面接→内定)の状況を取り上げる。

応募者の確保に苦戦する企業

まずは、2020年卒採用での課題は何かを聞いてみたところ、トップは「ターゲット層の応募者を集めたい」(52%)で、唯一、半数以上の企業が選択している。ターゲット層に限らず、とにかく「応募者の数を集めたい」(34%)も3位に入っており、応募者の確保に苦戦している企業が多いことが分かる。2位には「内定辞退者を減らしたい」(40%)、同率6位には「選考辞退者を減らしたい」(24%)と、こちらも学生の売り手市場を反映した項目が挙がっている。その他、「大学との関係を強化したい」(33%)、「学内セミナーの参加大学を増やしたい」(24%)といった大学対策も上位にランクインしている。これらは、1位の「ターゲット層の応募者を集めたい」につながる課題であるといえる。

[図表1] 2020年新卒採用での課題

プレエントリーが減少した企業が多い中堅・中小

プレエントリー数の対前年比を聞いたところ、昨年は大企業で「前年より少ない企業」が他の企業規模よりも多いという、あまり例を見ない事象が見られたが、今年はいつもの年と同じく、中堅・中小企業で「前年より少ない」企業が「前年より多い」企業を大きく上回る結果となった。いずれも2倍前後の開きがある。大企業では、「前年より少ない」企業と「前年より多い」企業が同じ割合となったが、いずれも24%に及び、大企業でも4社に1社はプレエントリーが減少している。
ただし、プレエントリーの減少は、必ずしも企業の苦戦を表しているとも言い切れない。1Dayインターンシップをはじめ、インターンシップでの接触人数が大幅に増え、プレエントリーを免除して選考に進めたケースもあるだろうし、広くプロモーションを展開するのではなく、ターゲットを絞ったプロモーションにシフトしたケースもあるだろう。

[図表2] プレエントリー数の増減

中堅企業は合同説明会から学内セミナーへシフト

次に、就職情報会社等が主催する合同企業説明会への参加数の増減を見てみたい。「(前年より)増えた」企業と「(前年より)減った」企業の割合は、全体で見た場合にはどちらも2割程度で拮抗しているものの、中堅企業だけに限れば、「増えた」企業が15%なのに対して、「減った」企業は35%と大きく上回る。中小企業では、「増えた」企業の方が6ポイント多くなっている。

[図表3] 合同企業説明会への参加数の増減
一方、大学主催の学内企業セミナーの参加学校数を聞いてみたところ、こちらも全体で見ると「増えた」企業と「減った」企業はいずれも2割程度でほぼ同じ割合である。ただし、中小企業では「減った」企業が「増えた」企業を10ポイント近く上回るのに対して、中堅企業では「増えた」企業が32%と他の企業規模の2倍以上に及び、逆に「減った」企業は15%で、「増えた」企業の半分にも満たない。ちょうど、合同企業説明会の増減割合が逆転した形になっている。中堅企業の合同企業説明会から学内セミナーへシフトしている姿が浮かび上がる。

[図表4] 学内企業セミナーへの参加学校数の増減

大企業では自社セミナー参加者が増加

次に、自社のセミナー・会社説明会への参加人数を聞いてみたところ、大企業では「前年より多い」企業が「前年より少ない」企業を4ポイント上回ったものの、中堅企業と中小企業では「前年より少ない」企業が「前年より多い」企業を上回る結果となった。その差は、中堅企業では3ポイントにとどまるが、中小企業では13ポイントもの開きとなっている。ただし、こちらの指標についてもプレエントリー数の増減と同様に、企業の採用手法との関係性があるため、必ずしも「苦戦した」とは断言できない。1Dayインターンシップが実質的な企業セミナーや会社説明会の役割を果たしてしまっているケースもあるし、逆求人型就職サイトなどのダイレクトソーシングの場合には、「マス」の企業セミナーへ呼び込むのではなく、「個別」の面談へ呼び込み、そこから面接へと進めることのほうが多い。

[図表5] 自社セミナー・会社説明会の参加者数の増減

中小企業の3割はエントリーシート提出数が減少

エントリーシート(正式応募)の提出数の増減を聞いたところ、大企業では7割以上が「前年並み」と回答し、「前年より多い」企業が「前年より少ない」企業を4ポイントだが上回る。一方、中堅企業と中小企業では、「前年並み」の企業の割合がそれぞれ5割、4割と減少し、「前年より少ない」企業が27%、31%と3割前後に及ぶ。いずれも「前年より多い」とする企業を上回る。特に中小企業では、「前年より少ない」企業が「前年より多い」企業の倍以上となっている。さすがにここまで開くと、採用手法の変化だけでは説明がつかず、学生側の「売り手市場」が続く中で、中小企業の苦戦を表しているといえるだろう。

[図表6] エントリーシート提出数の増減

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HRプロとは

【調査概要】

調査名称:【HR総研】「2020年&2021年新卒採用動向調査」
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査期間:2019年6月14日〜6月25日
調査方法:WEBアンケート
調査対象:上場及び未上場企業の採用担当者
有効回答:178件

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