HR総研:「2019年&2020年新卒採用動向調査」結果報告 vol.1内定出しで大いに先行する大企業

天皇陛下譲位により10連休となる今年のゴールデンウィーク。その前に内定を出す企業が増えると言われている2020年新卒採用戦線。
HR総研では、3月18〜27日にかけて、企業の採用担当者を対象とした「2019年&2020年新卒採用動向調査」を実施した。今回は初めて、本年入社者の最終の採用(内定)状況についても聞いており、2020年新卒採用と合わせて、2019年卒採用の最終結果についても報告する。

2019年卒を計画どおり採用できた企業は3割以下

3月下旬時点での、2019年卒採用計画数に対する有効な内定者数の割合(内定充足率)を聞いてみたところ、「100%以上」と回答した企業は、全体で27%にとどまり、最も多かったのは「90〜100%未満」の29%という結果になった。計画に対して9割以上ではあるものの、残念ながら100%には到達しなかった企業が3割もあったということになる。
さて、企業規模別に見てみると意外な結果が出ている。「100%以上」と回答した企業の割合は、300名以下の中小企業で30%、301〜1000名以下の中堅企業で33%なのに対して、1001名以上の大企業は16%と、最も少なくなっていることである。ただ、大企業では「90〜100%未満」の割合は43%と他の企業規模よりも高く、両者を合わせた「90%以上」の割合で見てみると、大企業は59%となり、中堅企業の61%にはわずかに及ばないものの、中小企業の54%よりは多くなっている。
一方、「70%未満」の企業の割合で見てみると、大企業はわずか8%なのに対して、中堅・中小企業はいずれも16%と2倍になっており、中小企業に至ってはそのうち半分の8%が内定者ゼロと回答している。これまでの採用担当者向けの調査では、中堅企業の苦戦ぶりが毎回あぶり出されていたことを考えると、その差はそれほどでもない。採用活動の後半戦で、地道な採用活動を続けた中堅企業が盛り返しに成功したということなのかもしれない。

[図表1]2019年新卒採用計画数に対する有効内定者数の割合

「増やす」企業は昨年よりも大幅に減少

ここからは本題の2020年新卒採用についての調査結果を紹介する。
まず、採用計画数の対前年比を聞いたところ、「未定」とする企業はあるものの、すべての企業規模で今年も「増やす」が「減らす」を上回る結果となった。ただし、中堅・中小企業では、「増やす」とする企業が「減らす」とする企業より10ポイント以上も多いのに対して、大企業では「増やす」と「減らす」のポイント差は5%にとどまる。また、「増やす」とする企業も19%しかない。前年の同時期調査では、大企業は「増やす」とする企業が38%もあったのに対して、「減らす」とした企業はわずか3%しかなく、その差が35ポイントもあったことを考えると、ここ数年「学生の超売り手市場」「企業の求人難」と叫ばれていた新卒採用の需給バランスが、大きな転換点を迎えている可能性がある。
帝国データバンク「TDB景気動向調査」(2019年3月調査)では、「国内景気は4カ月連続で悪化」「12業種すべての景気DIが50を下回る(製造業)」とした上で、「国内景気は、製造業の悪化やコスト負担増などがマイナス材料となり、一部で後退局面に入った可能性がある」と結論づけているように、不透明感は一層強まっている。景気動向は採用計画にすぐに反映されるので、今後の動向に大いに注目する必要がある。

[図表2]2020年新卒採用計画数の対前年比

「インターンシップ」と「自社セミナー」がより重要に

次に、2020年新卒採用において、より重要になると思われる施策を聞いたところ、トップは「インターンシップ」で44%、次いで「自社セミナー・説明会」が42%で続いた。
上位の2項目と3位の「自社採用ホームページ」(30%)の間には大きな開きがあり、リアルな接触による動機付け、企業理解を重視していることが分かる。かつて上位を占めていた「学内企業セミナー(3月以降)」(24%)は4位に転落し、ほぼ同数で「学内企業セミナー・OB/OG懇談会(2月以前)」(22%)が続く形となった。
年々、インターンシップを契機にした早期化に拍車がかかっており、3月からの「学内企業セミナー」や「就職ナビ主催の合同企業セミナー」ではもはや遅く、学生集客に苦労しているケースが多くなっている。そのため、大学でも2月までに「企業(業界研究)セミナー」や「OB/OG懇談会」を開催して、学生がリアルに企業と接点を持てる機会を創出する大学が増えている。
もう一つの注目点として、「逆求人(オファー型)サイト」(18%)と「リファラル採用」(15%)の躍進がある。今回の調査では、ついに「逆求人(オファー型)サイト」が「就職ナビ」(16%)を逆転している。ただ、これは従来からの「就職ナビ」よりも「逆求人(オファー型)サイト」が活用されるということではなく、あくまでも対前年で考えた場合に、「より重要になる」ということだ。「リファラル採用」が「就職ナビ主催の合同企業セミナー」(13%)よりも上位となっているのも同様である。2020年新卒採用から新しく始めることを具体的に記入してもらったところ、「インターンシップの強化」「オファー型採用」「ダイレクトリクルーティング」「LINE」といったコメントが寄せられている。

[図表3]2020年新卒採用でより重要になると思う施策(複数回答)

4月までに半数の企業がエントリーシート受け付けを締め切る

ここからは、皆さんが気になる「時期」をキーワードにして、調査結果を見ていきたい。まずは「エントリーシートの締切時期」。
複数の締切日を設けている場合には、最終締切日を基準に選択してもらったところ、全体で最も多かったのは「2019年4月」の28%で、次いで「2019年7月以降」の26%が続く。「2019年7月以降」は、当然複数回の締切を設けている企業ということになる。中堅企業では、「2019年3月」とする企業と「2019年4月」とする企業がともに20%で多く、中小企業では「2019年4月」とする企業が37%と突出して多くなっている。「2019年4月」までに締め切る企業で見てみると、比較的「2019年6月」や「2019年7月以降」が多い大企業では44%だが、全体ではほぼ半数となる。


[図表4]エントリーシートの締切時期

自社セミナー・説明会の開催ピークは「3月」

続いて、「自社セミナー・説明会の開催時期」を見てみよう。
自社セミナー・説明会を「開催しない」とする企業は意外にも大企業で多く、24%にも達している。ほぼ4社に1社は自社セミナー・説明会を開催していないことになる。就職ナビや自社ホームページ、合同セミナー等で情報を発信し、「エントリーシート(適性検査)から面接」ということなのだろう。「インターンシップから面接」というパターンもありそうだ。
中小企業では自社セミナー・説明会を開催しない企業がさらに多く、30%にも及ぶ。学生を一堂に自社セミナー・説明会に集めるのではなく、個別に面談形式で説明している企業も多そうである。一方、中堅企業で自社セミナー・説明会を開催しない企業は10%にとどまり、全企業規模の中で最も少なくなっている。
自社セミナー・説明会の開催ピークは「2019年3月」で、全体で57%、中堅企業に限れば8割近くにも達している。次いで「2019年4月」「2019年5月」と続くが、いずれも中堅企業の開催率が他の企業規模を20ポイント近く引き離している。「2019年7月以降」にも自社セミナー・説明会を予定している企業は、2割ほどしかない。大企業では16%と最も少なくなっている。

[図表5]自社セミナー・説明会の開催時期

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HRプロとは

【調査概要】

アンケート名称:2019年&2020年新卒採用動向調査
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査期間:2019年3月18日〜2019年3月27日
調査方法:WEBアンケート
調査対象:上場及び未上場企業の採用担当者
有効回答:165社

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