選考解禁日が8月1日から6月1日に2カ月間の前倒しとなり、採用広報期間が短期化した2017年卒採用。前年と比べてどういう状況なのか、企業の採用担当者調査、学生の就活動向調査の両データから読み解く4回シリーズ。第1回目は、プレエントリー受付数や説明会参加数などの動向を見てみよう。

前年よりもプレエントリー減少企業が4割、増加企業の2倍

【企業】
まずはプレエントリー数の対前年比較での増減だ。例年であれば「前年並み」との回答が最多となるが、今回は「前年より少ない」が41%でトップ、「前年並み」はそれよりやや少ない39%。「前年より多い」企業は20%しかなく、「少ない」企業がその2倍にもなっている。広報期間の短期化に苦しむ企業が多いといえそうだが、そんな中でも前年よりも2倍も、3倍も多いという企業もある。就職人気企業とそうでない企業での二極化がさらに進んでいるようである。

【図表1】プレエントリー数の対前年比

「2017年新卒採用 選考解禁後の動向」調査結果【1】

学生がプレエントリーした社数は大きく減少

【学生】
二極化が進んだ企業側であるが、一方の学生側の動向はどうだろうか。2016年卒の学生調査データと比較してみよう。まずは文系学生。
「41社」以上にプレエントリーした学生が前年よりも軒並み減少している。特に「101社以上」の大量にプレエントリーした学生は16%から10%へと大きく減少。一方、「20社以下」の学生は18%から28%へと10ポイントも増加し、3割近くにまでなっている学生の総量としてのプレエントリー数は大きく減少している。広報期間の短さの影響もあり、当初から知っている企業から新たな企業や業界へ目が向かないまま、選考解禁を迎えたようである。

【図表2】文系学生のプレエントリー数(2年比較)

「2017年新卒採用 選考解禁後の動向」調査結果【1】

理系でも「41社」以上にプレエントリーした学生が前年よりも軒並み減少している。2016年卒でも「61~80社」9%、「81~100社」8%、「101社以上」6%と、多くの企業にプレエントリーしていた学生の割合は少なかったが、今年はそれぞれ4%、3%、4%とほぼ半減してしまっている。
逆に「20社以下」の学生は49%と5割に迫る勢いとなっている。文系以上に、プレエントリー自体を絞り込む学生が多い。

【図表3】理系学生のプレエントリー数(2年比較)

「2017年新卒採用 選考解禁後の動向」調査結果【1】

新しい会社発見意欲が低い学生たち

【学生】
就職ナビがオープンした3月には9割以上の学生がプレエントリーをしているが、4月には7割、5月には5割とどんどん減少。新しい会社を見つけようという意欲は低いといえる。プレエントリーが始まる3月以前での企業を認知させ、就職先候補として刷り込みができるかどうかが重要。
選考解禁後の6月には、2割台の学生しかプレエントリーをしていない。後述するように、6月までに採用計画を達成できる企業は少なく、採用活動を継続する企業の多くは既存のエントリー者だけでは手駒が足らず、新たなエントリーを受け付けるとしているが、容易ではなさそうである。

【図表4】プレエントリーした時期

「2017年新卒採用 選考解禁後の動向」調査結果【1】

合同企業説明会に参加するのは3月だけ

【学生】
「4月以降の合同企業説明会会場はどこも閑古鳥が鳴いている」といわれた今年であるが、学生の合同企業説明会参加状況を見てみると、それをはっきりと裏付けている。就職ナビとともに3月には、合同企業説明会も解禁となる。学内企業セミナーも同様である。学生は文系、理系ともにそれらの説明会・セミナーに足を運ぶが、それも3月のみ。4月になると、個別の企業の説明会やセミナー、さらには面接まで始まり、合同企業説明会に参加する学生は一気に減少する。3月には8割前後の学生が参加していたが、4月になると3割前後に、5月ともなれば1割前後にまで減収する。母集団形成のために合同企業説明会に参加するのであれば、3月以外はあまり有効とはいえない。

【図表5】合同企業説明会に参加した時期

「2017年新卒採用 選考解禁後の動向」調査結果【1】

セミナー参加者数でも4割の企業が減少

【企業】
個別の企業が開催する説明会・セミナーへの参加者数の対前年比を聞いたところ、プレエントリーとほぼ同様の結果となった。例年は「前年並み」が最多となるところが、今回は「前年より少ない」が40%でトップ。ただ、「前年より多い」企業も24%あり、中には昨年の2倍や、3倍以上という企業もある。二極化が進んでいる。

【図表6】個別企業説明会・セミナー参加者数の対前年比

「2017年新卒採用 選考解禁後の動向」調査結果【1】

個別企業セミナー参加は4月がピーク、3月も多い

【学生】
学内企業セミナーや合同企業説明会が解禁となった3月、企業は個別セミナーを早くも開催。9割近い学生が3月から個別企業のセミナーにも参加している。ただし、ピークは4月で、文系、理系ともに参加率は9割を超える。5月になると、活動のメインは説明会参加から面接へと移っていき、参加率は文系72%、理系61%に減少。6月になると内定保有者も日に日に増え、説明会参加率は文系で33%、理系に至っては23%と大きく減少している。

【図表7】個別企業説明会・セミナーに参加した時期

「2017年新卒採用 選考解禁後の動向」調査結果【1】

「15社以上」のES提出者が減少し、「6社以下」が増加

【学生】
文系では、今年も「10~14社」にエントリーシートを提出した学生が22%で最も多い。ただ、前年は「15社以上」にエントリーシートを提出した学生が56%と過半数であったが、今年は10ポイントも減少。逆に、「1~3社」「4~6社」といった極めて少ない社数に絞り込んだ学生が2割近くに増加。

【図表8】エントリーシートの提出社数(文系)

「2017年新卒採用 選考解禁後の動向」調査結果【1】

理系でも、「30社以上」が前年の14%から6%へと半減以下になるなど、大量にエントリーシートを提出した学生が減少した。文系と同様に「1~3社」「4~6社」といった少ない社数に絞り込んだ学生が増加。
最多は文系と同じ「10~14社」の21%だが、文系と比べると「9社以下」しか提出していない学生の割合が多く、5割に迫る。

【図表9】エントリーシートの提出社数(理系)

「2017年新卒採用 選考解禁後の動向」調査結果【1】

早くも3月にエントリーシート提出者が8割

【学生】
文理ともに9割以上の学生がエントリーシートを提出した4月が、提出のピーク。しかし、プレエントリーが解禁されたばかりの3月に早くも8割の学生がエントリーシートを提出し、5月よりも多くなっている。3月にエントリーシート提出を求めた企業には、1dayインターンシップ等で早くから学生と接触していた企業が多い。6月にも提出した学生は少数派。

【図表10】エントリーシートを提出した時期

「2017年新卒採用 選考解禁後の動向」調査結果【1】

【調査概要】

■企業調査
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査対象:上場および未上場企業の新卒採用担当者
調査方法:webアンケート
調査期間:2016年6月22日~6月29日
有効回答:149社

■学生調査
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査協力:楽天「みんなの就職活動日記」
調査対象:2017年卒の大学生・大学院生
調査方法:webアンケート
調査期間:2016年6月22日~6月29日
有効回答:1,355名(文系:803名、理系:552名)

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