HRプロとは10月1日に内定式を実施した企業の割合を確認するとともに、10月1日に内定式を実施した企業と、実施しなかった企業における採用状況の違いを探るものとなった。
▼「2017年新卒採用戦略策定のための2016年新卒採用徹底解剖CD-ROM」
お申し込みはこちら
10月1日内定式を実施した企業の割合は45%
10月1日に内定式を実施した企業は全体では45％となり、前回8月下旬調査の41％よりもわずかだが上回る結果となった。企業規模別に見ると、その原動力になったのは大手企業。大手企業における10月1日内定式実施率は、前回調査の55％から73％へと大きな伸びを見せた。中堅企業では48％、中小企業では32％と、企業規模による実施率に大きな違いが出た。
大手企業で10月1日内定式実施率が前回調査から大きく伸びたのは、「未定」としていた企業やその他日程を予定していた企業が10月1日へ変更したことになる。中には、8月末からの1カ月で採用活動が大きく進展した企業もあるだろうが、内定充足率を見る限り採用活動を継続している企業も多い。内定式は、参加した内定者に対して、他社への就職活動をいくらかは躊躇させる効果がある。既存の内定者の囲い込みを狙って実施した企業も少なくない。
［図表1］10月1日に内定式を実施したか
10月1日に内定式を実施していない企業のうち、4割は内定式を実施せず
10月1日に内定式を実施していない企業に、いつ内定式を実施する予定かを聞いたのが[図表2]である。
「未定」とする企業も10％あるものの、最も多い回答が「実施しない」で、40％もある。企業規模別に見ると、大企業では20％にとどまるものの、中堅企業・中小企業ではともに4割を超える。内定者の充足の見通しが立たない中で、年明けに内定式を実施するくらいであれば、いっそ実施しないという選択をしたのかもしれない。「1月以降」とする企業は皆無であった。
次いで多いのは「10月上旬（1日以外）」の16％だ。特に大手企業では4割に上り、最も多い回答となっている。会場の都合や役員のスケジュールの関係等で10月上旬の別の日に実施したということなのであろう。
[図表2]それ以外の企業の内定式実施時期
10月1日に内定式を実施した企業の内定充足率100％以上は4割
10月1日に内定式を実施した企業とそれ以外の企業の違いを見てみたい。
まずは「内定充足率」である。10月1日に内定式を実施した企業の内定充足率を見てみると、「110％以上」が16％、「100～110％未満」が23％と約4割に過ぎない。残り6割の企業が10月1日現在では採用計画が未達ということである。中には採用計画未達のまま採用活動を終了した企業もあるが、まだ継続している企業も少なくない。
一方、10月1日には内定式を実施していない企業の内定充足率を見てみると、「110％以上」はわずか3％、「100～110％未満」でも10％となっており、内定充足率が100％未満の会社が9割近い。採用活動を実施するも、「0％(内定者ゼロ)」の企業が15％もあるなど、採用活動に苦戦している企業が多い。
[図表3]内定充足率の比較
10月1日内定式実施企業の3分の1以上は採用活動継続中
現在の採用活動の状況を、10月1日に内定式を実施した企業とそれ以外の企業で比べてみよう。
「(ほぼ)終了した」企業は、10月1日内定式実施企業では66％に及ぶのに対して、それ以外の企業では45％と半数に満たない。ただし、45％という数字は意外に高いといえるのではないだろうか。
採用活動を継続している企業は、10月1日に内定式を実施していない企業だけでなく、10月1日に内定式を実施した企業にもある。ただし、その活動内容に大きな違いが見られる。10月1日内定式実施企業では、採用活動継続企業の4割は、新規のエントリーを受け付けることなく、既存のエントリー者だけを対象に選考を続けている。これに対して、それ以外の企業では、既存のエントリー者だけを対象に選考を続けている企業は15％しかなく、また5％の企業は「採用活動を中止した(中止する予定)」としている。採用活動に苦戦している様子が伺える。
[図表4]現在の採用活動状況の比較
【調査概要】
調査主体：ＨＲ総研(ProFuture株式会社)
調査対象：2016年卒新卒採用実施企業の採用責任者・担当者
調査方法：webアンケート
調査期間：2015年10月5日～10月7日
有効回答：192社(1001名以上：37社、301～1000名：67社、300名以下：88社)
- 1
