「2016年新卒採用 中間調査」結果報告【1】白熱する「インターンシップ・リクルーター」による2016年度新卒採用

HR総研では、2016年卒採用についての中間調査を採用担当者に2014年12月に実施した。「採用選考に関する指針」によって採用活動時期の変更を求められる2016年卒採用の現状を、今回からシリーズでレポートしていく。1回目の今回は、2014年からすでにスタートしている「インターンシップ・リクルーター活動」がテーマ。

2016年度新スケジュールに対して、半数は「反対」

経団連「採用選考に関する指針」に準じた2016年度採用の新スケジュールについて、現時点での賛否を聞いたところ、「賛成である」が5%にとどまる中、「反対である」は56%と半数を超えた。企業規模別にみると、規模が大きい企業のほうが「反対である」比率は減少し、「どちらともいえない」という回答が増加している。

[図表1]2016年度新卒採用 新スケジュールに対する考え
なお、「反対である」とした企業からは、
・8月からの選考開始となると理系学生の卒業研究活動に大きな支障が出る。
・就職先の決定が先延ばしになることで、学生が勉学(研究)に集中できない。大学教授からも同様の話をされる。
・高卒選考と時期が重複する。
・方針を守る企業も守らない企業もある。また水面下での動きが激しくなるため、実質就職活動の長期化につながる。
・選考期間の短縮化で、明らかに学生が大手を優先し、明らかに中小企業へ不利になる。
といった意見が上がっている。

なお、「賛成である」と回答した企業からは、
・前倒しでは長期化が助長されてしまうが、後ろ倒しであれば卒業という締日があるため、最長でも3月〜翌年3月までの13か月となる。現状の12月〜翌々年3月の最長16か月よりは短期化が望める。
・学生の学力低下に課題を感じているため、学業に専念してほしい
といった意見が寄せられている。

2014年内において、6割強の企業は活動を開始

2014年12月時点で既に実施した施策を聞いたところ、「特にない」と回答した企業は37%に留まった。「キャリアセンター訪問」(33%)、「インターンシップ」(28%)、「学内企業セミナー」(25%)などは、1/4以上の企業が実施済みと回答し、年内には多くの企業が実施するであろうと予想されていた「採用ホームページの開設」(17%)を上回る結果となった。また、少数であるが「プレエントリーの受付」「選考」「エントリーシートの受付」等を開始している企業も存在することが分かった。

[図表2]2016年度採用のために12月までに実施したこと(複数回答)

必然性が高まる「インターンシップ」開催

前年度同時期に2016年度採用に向けてインターンシップを開催するか調査した際、「実施する予定」という回答は31%であったが、今回の調査では「インターンシップを実施した(する予定)」と回答する企業は46%となった。未だ半数を超えるには至らないものの、新スケジュールへの対応としてインターンシップの必然性が増していることが伺える。また「前年は実施していないが今年は実施した(する予定)」と回答した企業は20%を占め、「前年は実施したが今年は実施していない(しない予定)」という回答が5%に留まることからも、全体的にインターンシップを開催する企業が増加したと言える。

[図3]インターンシップの開催について

増加する「短期インターンシップ」

インターンシップの開催タイプを調査したところ、3週間以上のインターンシップの比率は若干減少する中、半日〜1週間のインターンシップの開催への回答率はすべて上昇している。
特に「1日程度」(39%)は、前年度の回答比率(22%)より大幅に上昇している。
「採用選考に関する指針」ではインターンシップについて「就業体験としてのインターンシップの在り方」として「学生の就業体験の提供を通じた産学連携による人材育成を目的とすることに鑑み、当該プログラムは、5日間以上の期間をもって実施され、学生を企業の職場に受け入れるものとする。」と記載がなされているものの、実際は、この定義に留まらない開催形式も増加している。受け入れる学生を増やすためには、「1日程度」や「2〜3日程度」のワークショップ形式が適しているのであろう。

[図4]インターンシップの開催タイプ(複数回答)

インターンシップの開催ピークは「2015年2月」

インターンシップ実施月(予定含む)を調査したところ、開催時期として最も回答が多かったのは「2015年2月」(54%)、次が「2014年8月」(50%)であった。すでに夏・秋のインターンシップ開催の増加は話題になっていたが、2015年2月には、一層の開催数が見込まれることが明らかとなった。3月1日の採用広報解禁前に駆け込み開催を狙ったものと思われる。また、サマーインターンシップを開催するためには相当早くから準備が必要となるが、初めてインターンシップを開催する企業からすると、これまで会社説明会を開いていた2月というタイミングの開催には違和感がないとも言える。
なお、インターンシップの募集開始時期は「2014年6月」(30%)が最も多かった。

[図5]インターンシップの開催月(複数回答)

インターンシップ応募数も増加傾向に

2014年12月時点でのインターンシップ応募数の昨年同時期比較について聞いたところ、「昨年並み」(43%)と回答した企業が最多数とはなったが、「昨年同時期より少ない」と回答する企業は15%、「昨年同時期より多い」と回答する企業は22%となった。開催数自体が増える中でも、各社への応募も増加傾向にある。インターンシップに応募した学生が増えるとともに、1人当たりの応募社数も増えている。
現に学生調査では、2013年12月調査において「1社以上のインターンシップに参加済み」との回答は46%であったが、2014年12月調査では、71%の学生が「1社以上のインターンシップに参加済み」と回答している。

[図6]インターンシップ応募数 前年比較

高まるリクルーターへの期待

リクルーターに関して調査したところ「導入予定」の企業は全体で29%であるが、そのうち「前年は導入していないが、今年は導入した(する予定)」とする企業は12%となった。
「前年同様に導入した(する予定)」との回答は、1000名以上の企業で29%と最も回答比率が高いものの、「新たに導入する」という回答比率は、企業規模の大小において差異がない。

[図7]リクルーターの導入について
リクルーターをどのフェーズで活用している(する予定)であるかを聞いたところ、「研究室訪問」「学内企業セミナー」が48%と最も多い回答となった。加えて「内定承諾後のフォロー」、「自社セミナー」、「OB/OG訪問」、「選考中のフォロー」も40%を超える回答率となり、母集団形成〜内定承諾までの全フェーズにおいて、リクルーターの活躍が求められていることが伺える。

[図8]リクルーターを活用するフェーズ(複数回答)
また、リクルーターに指名する社員は「ターゲット大学のOB・OG」とする企業が71%であり、他属性と比較して最も多い結果となった。
大学との連携、学生への個別フォローの強化が論点となっている2016年度採用において、「リクルーター」は人事同様、採用活動において大切な存在となっていくことが伺える。

[図9]リクルーターに指名する社員の属性(複数回答)
なお、以前よりリクルーターを導入している企業に、リクルーター活用における「効果」を聞いたところ、
・出身大学や、研究室との連携強化をすることで、大学側からのアプローチも増え、ターゲットの採用がしやすくなる。
・OBをリクルータにすることで、親近感と安心感が生じて、よりよい学生を確保できる可能性が高まる。
・人事担当が話すよりも説得力があり、より学生のコアな質問に答えていくことができるため、学生の関心度・満足度を高めることができる。
・選考全般において学生のサポートができ、最終的な意思決定にかかわることができる。
など、大学との連携強化や、個々人の学生へのフォローによる採用確度の強化に関する意見が寄せられた。

一方で、「主業務とリクルーター業務のバランス」、「リクルーターのアセスメントスキル・学生とのコミュニケーションスキル・自社理解度のばらつき」等が課題として挙がっており、リクルーター制度導入において、リクルーター活動を重視する社内環境作り、リクルーター教育の如何が、リクルーター制度の成果に結びついていることが伺える。

【調査概要】

調査主体:HR総研(HRプロ株式会社)
調査対象:上場および未上場企業の2016年度新卒採用担当
調査方法:webアンケート
調査期間:2014年12月15日〜12月25日
有効回答:251社(1001名以上:56社、301〜1000名:81社、300名以下:114社)

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