日本総報酬サーベイ(Total Remuneration Survey)2022年度の結果概要

・参加企業数は1021社(昨年863社)、うち日系企業は128社増(昨対比+42%)の430社に急増し、日本国内における報酬サーベイとしては過去最大規模を更新した
・最新の調査結果では、日系企業の課長の賞与込み年収は1,040万円(昨対比+1%)、部長は1,377万円(昨対比+1%)と一定程度の上昇が見られたものの、物価上昇には劣後した
・日系企業における報酬を職種別に比較すると、人材獲得競争が激しいデータアナリティクス職種は、全職種中央値と比較して6~9%報酬額が高い(昨対比+1%)

組織・人事、福利厚生・ウェルビーイング、資産運用のグローバルリーダー、マーサーの日本法人であるマーサージャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 CEO 草鹿 泰士)は、日本における報酬に関する市場調査「Total Remuneration Survey(以下、TRS)」の2022年版レポートを発表した。

近年のデジタル化やグローバル化、少子高齢化などのメガトレンドを受け、ジョブ型雇用が日本の労働市場に定着したことで、ウクライナ情勢や円安、物価高など先行き不透明な状況においても、優秀人材獲得のために企業が報酬の透明性と外部競争力を維持する重要性が増している。

本リリースについて、マーサージャパン プロダクト・ソリューションズ部門代表の増渕匡平は次のように述べている。

「ここ数年、日本国内の顕著な動きとして市場報酬データを活用する企業が急激に増えています。日本企業でも仕事の内容で報酬を決めるジョブ型雇用が広がり、一人ひとりのスキルや職種の需要に応じた報酬マーケットをデータで見る傾向が強まってきました。特にデジタル人材やグローバル人材などの高度専門人材の確保、若年優秀層の離職対策、人件費の適正化など、活用用途は多様化しており、新規参加企業の増加だけでなく、継続的に利用する企業が増えているのも特徴です」

<調査結果ハイライト>
1)参加企業数は1021社(158社増)に増え過去最多となった。うち日系企業は430社(128社増)と全体の約4割に達し、外資系企業の参加社数に急速に追い付きつつある
-ハイテク業界、金融業界、消費財業界を中心に日系企業の参加が増えた
-ハイテク業界は日系企業・外資系企業ともに参加数が増え238社(52社増)に達した
-調査2年目の金融業界は、新たに13社の日系アセットマネジメント企業を加え、66社となった(19社増)

2)日系企業の課長の賞与込み年収は1,040万円(昨対比+1%)、部長は1,377万円(昨対比+1%)であった
-日系企業、外資系企業の年収水準額を2021年水準と比較すると、いずれも上昇しているものの、日系企業の上昇率は外資系企業に比べて緩やかである
-昇給予算の中央値は2021年が1.9%、2022年は2.0%と例年並みの水準にとどまり、物価上昇の影響は限定的だった

職種別に日系企業・外資系企業の年収(手当・賞与込み)を比較すると、データアナリティクス、法務の報酬は、全職種中央値を上回っている

3)職種別報酬差は日系企業よりも外資系企業の方が大きい
-日系企業でも獲得競争が激しいデータアナリティクス職種では入社1-5年目の報酬で全職種と8%程度の報酬差が生じている
-日系企業のデータアナリティクス職種の年収を2021年水準と比較すると、市場昇給予算(2.0%)程度の昇給に止まった

マーサー総報酬サーベイ(Total Remuneration Survey)について

マーサーが30年以上実施している『総報酬(給与・福利厚生)』のコンセプトに基づく市場調査で、一般に総報酬調査・総報酬サーベイとも呼ばれるものです。

<Total Remuneration Survey(TRS)の特徴>
-世界140ヵ国で実施され、グローバルトップを含む30,000社以上/1,500万人以上のトップポジションから非管理職層まで、全役職員の報酬情報を収集、提供しています。
-世界同一基準で実施されており、国内だけでなくグローバルで横断的にご活用いただけます。
-基本報酬、固定/変動賞与、各種福利厚生等の報酬水準のみならず、昇給率、賞与支給状況、雇用動向など労働市場のトレンドも確認することができます。
-日本では、2021年は863社が参加し、日本の報酬調査として圧倒的な規模となります。
日系/外資系の報酬水準比較総現金報酬(手当・賞与込み)2021-2022

日系/外資系の報酬水準比較総現金報酬(手当・賞与込み)2021-2022