「完全失業率」とは、労働力人口に占める完全失業者の割合をいいます。総務省統計局の「労働力調査」が、全国の約4万世帯を標本調査して、毎月発表される統計の指標です。

この場合の労働力人口とは、15歳以上の人口のうち、働いている人と働く意思のある人を合わせた数で、完全失業者とは、15歳以上で、仕事がなくて調査期間中に少しも仕事をしなかった(就業者ではない)、仕事があればすぐ就くことができる、調査期間中に,仕事を探す活動や事業を始める準備をしていた(過去の求職活動の結果を待っている場合を含む)という人をいいます。

景気が悪くなると、企業側も従業員を解雇します。そうなると、必然的に失業率も上がってきます。1989年は2.8%でしたが、2002年には5.5%にまで上がり、その後いったん落ち着いたものの、リーマンショックの影響があった2009年には、再び上昇しています。完全失業率は、景気のバロメーターにもなっています。

この完全失業率は、一つの指標にすぎません。景気判断などには、注意が必要となります。完全失業者の定義で、「仕事がなくて調査期間中に少しも仕事をしなかった」というのは、求職活動中ではあるが、生活のために、その調査期間に1時間でもアルバイトなどで賃金が得られる仕事をしたのであれば、統計上、「就業者」となってしまいます。

また、「仕事を探す活動や事業を始める準備をしていた」という定義は、逆に言うと、求職活動をしていない人は、失業者には入らないということです。不況のため求職活動をやめていたり、資格取得のため学校に通い求職活動をしていない人は失業者ではないという定義になるということです。不況が深刻になるにつれ、求職活動をあきらめる人も増えてくるので、完全失業率の実態が把握できない場合があります。

完全失業率は、世界各国で発表されていますが、中でも日本は低水準を保っています。これは、各国で調査の定義がさまざまであるため、国別に比較することはできません。アメリカでは、就職が決まって自宅待機中や一時解雇者も失業者に含み、イギリスなどでは、家族従業者、自営業主を労働力人口に含めません。また、国際労働機関ILO基準では、就職内定者を失業者に含みますが、日本は含みません。このように、労働力人口と失業者の定義が各国で異なっています。

日本では、これとは別に、5年ごとに実施されている就業構造基本調査が行われています。こちらは細部にまで調査がされているため、正確な失業率が算出できます。