「標準報酬月額」とは、厚生年金保険料や健康保険料などの社会保険料を比較的簡単に算出するために
報酬額区分(等級)ごとに設定されている計算用の金額のことをいいます。

厚生年金保険の標準報酬月額は、1等級(8万8千円)から31等級(62万円)までの31等級に分かれており、健康保険では、第1級の5万8千円から第50級の139万円までの全50等級に区分されています。これらは毎月の給料や交通費なども含めた、被保険者が受け取る報酬の月額がどの等級に該当するかによって決定します。

標準報酬月額の改定は、毎年9月に、4月から6月の報酬月額を基に行われます。これを定時決定といいます。定時決定の算定月以後に、もし報酬月額に大幅な変動があった場合には、標準報酬月額の改定が行われ、これを随時改定といいます。

随時改定が行われる条件は2つあり、1つは従業員の固定的賃金に変動があること、もう1つは継続して従業員が受け取った3ヶ月の総報酬額を3で割ったものが、元々の標準報酬月額と比べて2等級以上離れていることです。これは定時決定まで標準報酬月額を決め直さないと、実態と大きくかけ離れることになるために設けられているものです。

標準報酬月額の決定や改定の方法は他にも、資格取得時の決定、育児休業等終了時の改定、保険者決定などがあり、算定の基礎となる報酬には、賃金、給料、俸給、手当、賞与、その他どんな名称であれ、被保険者が労務の対償として受けるものすべてを含みます。ただし、大入り袋や見舞金のような臨時に受けるものや、年3回以下の賞与は含まれないなど、紛らわしい点も多くあるので、標準報酬月額の決定・改定には十分な注意が必要です。